ブリストル(BMY)2023年第1四半期決算(2023/4)

はじめに

2023年4月27日(木)には自分の所有しているブリストル・マイヤーズ スクイブ(BMY)の2023年第1四半期決算発表があった。

ブリストル・マイヤーズは前回の2022年第4四半期決算はまずまずで、その際

「2023年のRevlimid売上は~65億ドルと更に減少する見込みであり今後が安心と言う訳ではない。先に挙げた2022年から投入されたOpdualag、Camzyos、Sotyktuが2023年も堅調に売上を伸ばし、Revlimidの売上減少をカバーしてくれると良いのだが。」

と書いていたのだがその後どうだったのか。

また決算発表前日の4月26日(水)には後述する経営陣の移行計画が発表されており、その影響も気なるところ。以下に決算内容等と株価を中心に確認し整理しておく。


ブリストル・マイヤーズ2023年第1四半期決算概要

以下の情報はブリストル・マイヤーズ スクイブの企業サイトより引用・抜粋。

  • 2023年第1四半期の総売上高(Total Revenues)は113億3700万ドル、前年同期は116億4800万ドルで前年同期比3%減少(恒常為替ベースでは1%減少)
  • 2023年第1四半期の1株当たり利益(Earings Per Share Non-GAAP)は2.05ドル、前年同期は1.96ドルで前年同期比5%増加

2023年第1四半期の主力製品の売上は以下の通り。

主力のEliquisは前年同期比7%増、Opdivoは15%増となっておりIn-Line全体では前年同期比4%増。New Productも含めると前年同期比8%増。そして特許保護が失われたRevlimidは前年比37%減少の17億5000万ドルとなっている。

2023年通期見通し

2023年の通期見通しは以下の通り。

【GAAPベースで変化があったもの】

  • 想定税率(Tax Rate):~21%(前回は~22%)
  • 希薄化後一株当たり利益(Diluted EPS):4.10~4.40ドル(前回は4.03~4.33ドル)

Non-GAAPベースはいずれも前回から変更なし。

経営陣の移行計画

冒頭に書いた通り決算発表前の4月26日(水)には経営陣の移行計画が発表されている。

  • 最高経営責任者(CEO)を8年続けたGiovanni Caforio氏が11月1日で退任(取締役会長は引き続き務める
  • Christopher Boerner氏(現Chief Commercialization Officer)がGiovanni Caforio氏の後任となる
  • Adam Lenkowsky氏(現シニアヴァイスプレジデント、主要市場の責任者)がChristopher Boerner氏の後任となる

市場予測との比較

今回の主な決算内容と市場予想とを比べてみると、

  • 2023年第1四半期の総売上高(Total Revenues)は113億3700万ドル、市場予想の115億ドルを下回っている
  • 2023年第1四半期の調整後1株当たり利益(Non-GAAP Diluted EPS)は2.05ドル、市場予想の1.97ドルを上回っている

となっている。


まとめ

上記の様な決算内容を受けてブリストル・マイヤーズの株価は

0.60%の下落。同日の米国市場が

メタ・プラットフォームズ(META)の好決算などを受けていずれも大幅上昇であったことを考えるとブリストル株の株価はかなり見劣りがする。調整後1株当たり利益は市場予想を上回ったものの売上は市場予想に届かず、特許の切れたRevlimidの落ち込みなどが嫌気されたのだろうか。

年初来のブリストル株を見てみると

市場(S&P 500)と比べて時間の経過とともに乖離が広がり、4月末時点ではブリストルが年初来10%下落、S&P 500は8.6%上昇となっている。ちなみに経営陣の移行が発表された4月26日の下落幅は3.16%の下落となっている。2023年は製薬業界全体が振るっていない(年初来約7%下落)点も気になるところ。

今後のブリストル株だが、やはり特許切れのRevlimidがどうなるかが決算時の株価に影響するのだろう。今四半期は17億5000万ドルの売上があったものの、変更されなかった2023年の見通し~65億ドルを達成するには残り3四半期で47億5000万ドルが必要となり、今四半期が前年比で37%減少となっていることを考えると、見通し達成が困難な可能性もある。その場合には他の通期見通しが引き下げられる場合もある。

製薬業全体も振るっていないことも踏まえると、新薬の臨床試験が上手く行ったなど余程の好材料が無い限りしばらくはブリストル株には期待出来そうにない気がする。そして次の四半期決算もRevlimidの動向次第では更なる下落の可能性もある。しばらくは厳しい時期が続く事を覚悟しておいた方がよいかもしれない。

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