はじめに
気が付けば2021年5月になり2020年10月末で退職をしてから半年が経過した。
退職前時点の想定で
来月末退職/完全リタイア、キャッシュフロー再確認(2020/9)
としていたが、実際の経験を踏まえて色々と判明してきたこともあるので、ここで完全リタイア後のキャッシュフローに関して整理しておくことにする。
またこれは60才までのキャッシュフロー。60才になると
- 終身保険・個人年金の払込終了
- 個人年金の受取開始(一括か、10年分割かは要検討⇒これによって住民税・健康保険料などが変わってくる)
- 国民年金の払込はまだ続く(大学生時代の未納分25ヶ月分を任意加入制度を利用して追納する)
といった変化・考慮事項が発生するため、再度検討が必要。ただし基本的には60才までのやり取りに比べれば保険の払込が完了し、個人年金が入って来るので楽になるはず。
2020年9月時点でのキャッシュフロー想定再確認
支出
完全リタイア前にまとめた9月の際には以下の様に想定していた。
- 住宅関連費用(水道光熱費含む):10万円
- 終身生命保険・個人年金保険料(60歳まで):6万円
- 通信費他:1.5万円
- 国民年金:2万円
- 健康保険:4万円
- 病院代:1万
合計で24.5万円。切り上げて25万円。その際の基本スタンスは支出金額はあえて多め。これは将来的な上昇可能性を加味し、きっちり計算してそれが外れた時のショックを前もって防ぐためでもあった。
収入
完全リタイア前にまとめた9月の際には以下の様に想定していた。
- 年間の税引後受取配当が約340万円程度
- 確定申告をすることで戻ってくる米国株配当の二重課税分(還付金)
二重課税分は大体配当の10%ぐらい。2020年9月時点では還付金を収入としては組み入れていなかった。
またその時点では退職一時金の額が確定していなかった。
完全リタイア後半年でのキャッシュフローアップデート
以下実際に半年が経過して、個別に確認してみる。
支出
住宅関連費用(水道光熱費含む):10万円
これは完全リタイアしてからも特に引っ越しなどをした訳ではないので変わらない。水道光熱費も季節的要因によって変動するが、過去数年の実績からすると10万円を超えることはまずないのでこのまま変わらず。
終身生命保険・個人年金保険料(60歳まで):6万円⇒5.5万円
終身保険は1つ、個人年金は2つ加入しているのだが、個人年金の一つが退職したことにより団体保険扱いから個人の月払いに変更となった。このタイミングに合わせて全ての保険を年払いにすることにした。ただし、A社は年払いは自分が加入した月からでないと出来ないとのことなので2021年6月までは月払いとなり、個人年金は年払い不可なので割引が無く毎月支払が発生する。
実際の支払額は、
A社(終身・個人年金):2021年5月までは月額終身21,595+個人年金8,000=29,595円。2021年6月から終身は年払い245,608円(月20,467円)、個人年金が月額8,000円で変わらず
B社(個人年金):11月は22,332円、12月に12月から2021年8月分まで194,944円を支払済み。2020年9月から年払い。月割にすると21,664円
年払いを勘案して月額に均してみると、20,467+8,000+21,664=50,131円となる。
以前の想定では6万円としていたが5.5万円に変更しておく。5万円にしてもいいのだが、出費のシミュレーションを切り捨てるのは性格的に合わないので切り上げ。
通信費他:1.5万円
家の通信ネットワークと携帯電話の費用。実際には1万円に近いが、携帯料金が上振れする可能性を織り込んでMAX1.5万円。最近の携帯料金プランアップデートに伴い、多少安いプランに変更したが、元々大手キャリアではないので数百円程度の減額(それでもデータ通信料が大幅に増え5G対応になったので満足)。
結局合計は1万円を少し超える程度で、生命保険と同様に切り下げはせずに1.5万円のまま。
国民年金:2万円
これは新たに固定費となったもの。実際の払い込みは
国民年金の2年前納クレジットカード納付額の通知(2021/4)
で書いた通り月額に均すと16,377.5円。これも実際の支払額より多めにしているが、将来的に国民年金料が値上がりする可能性を踏まえると2万円程度にしておくのは悪くないだろう。
健康保険:4万円⇒2022年10月まで6.5万円、それ以降1万円
これが9月時点とは大きく変わったもの。詳しくは
退職後の健康保険は任意継続か国民健康保険か検討(2020/10)
に書いたが、元々4万円程度を見込んでいたのが実際の任意継続2年間は月々約6.3万円(国民健康保険だと更に高額になる)。これは自分の健保の情報をきちんとチェックしていなかった自分のミス。
ただし任意継続が終わった後は、退職後の健康保険は任意継続か国民健康保険か検討(2020/10)で書いた様に上場株式等の配当所得等の申告不要制度を利用することで健康保険料は月々8,000円になるはず。
で書いた様に最新の前納分の割引を加味した保険料は734,321(振込手数料含む)÷12=61,193.4円。これをまた切りよく上にして月額6.5万円としておく。
そして任意継続が切れる2022年10月からの国民健康保険は8000円を切り上げて1万円としておく。こちらは本当に申告不要制度が機能して月額1万円で収まるのか不安ではあるのだが。
切り替わりも含めて考えて60才まで一律月額3万円としておく。
病院代:1万円
これは前回想定と変わらず。今の所は月額1万円もかからないが、まだ人間ドックを受診していないので上振れする可能性もある。
住民税:6万円⇒2022年6月から年額1万円?
以前の想定では一括して払う金額として別にしていたが今回は月額ベースにしてみた。
ただ住民税に関しては結構難しい。以前以下でまとめた様に
働いていた時の給与での住民税の支払が1年半必要であるが、その後は分離課税で確定申告をすることで配当金から源泉徴収されるだけになるので基本的には均等割分の年1万円以下になるはず。
切り替わりも含めて考えて現時点では60才まで一律月額2.5万円としておく。
退職後に役所で口座振替の手続きは済ませており、まず2021年2月1日(1月31日が日曜日のため)に7ヶ月分約42万円が引き落とされている。ちなみに年払いも出来るのだが、住民税は国民年金や任意継続保険と異なり一括で納めても割引が無いので普通に年4回の支払にしている。
支出合計
完全リタイア後半年でアップデート月での固定支出(と自分がしている)合計は
【月額】
- 住宅関連費用(水道光熱費含む):10万円
- 終身生命保険・個人年金保険料(60歳まで):5.5万円
- 通信費他:1.5万円
- 国民年金:2万円
- 健康保険:3万円(2022年10月まで6.5万円⇒2022年11月以降1万円)
- 病院代:1万
- 住民税:2.5万(2022年5月まで6万円⇒2022年6月以降1万円)
【合計】
- 25.5万円
となった。健康保険、住民税によっては大きくブレる可能性がある点にくれぐれも留意。
収入
配当金
2020年9月の想定は税引後約340万円。完全リタイア後半年経った2021年5月現在の過去1年間の配当金を振り返ってみると約352万円と10万円ほど増加している。
これは主に完全リタイア前の最後の投資であるアルトリア・グループ(MO)の配当金が大きい。2020年9月の想定時のアルトリアの過去1年配当は税引後で約15.5万円だったのだが、現時点のアルトリアの過去1年配当は税引後で約28.3万円となっている。
書く前は為替がドル高になったためかと思ったのだが、為替の影響はさほどでも無かったようだ。為替の影響を避けるためにドルベースも明記しておく。
- 2020年9月過去1年ドルベース配当:31,988.39ドル
- 2021年5月過去1年ドルベース配当:33,475.45ドル
完全リタイア後の今後は追加購入による配当金増という恩恵は無くなり、配当増に頼ることになるのだが、その額は小さくなることは忘れずに。場合によっては為替レートで配当金額が減少することもあり得る。
ここでは一応350万円としておくことにする。
退職金
前回は未確定だった退職金は
で述べた通り約945万円が振り込まれている。それに加えて2020年6月が最後の投資となったため9月の投資に回さなかった分などを含めた退職前までの預貯金が200万円程度。
合計で約1150万円程度が手持ち現金としてあり、これが今後60歳まで減っていくことになる。
60歳までのキャッシュフロー
前回(2020年9月想定)
配当金を340万円から各月の固定費と月々の生活費(食費含む)が5万円、10万円、15万円の場合で預貯金がどうなるかを簡単に計算。その際は退職金は未定で、住民税は退職金から充当という想定だった。
【パターン1】
生活費月5万:(固定費25+5)×12=360万円
キャッシュフロー:配当金340万円-支出360万円×10年=マイナス200万円
【パターン2】
生活費月10万:(固定費25+10)×12=420万円
キャッシュフロー:配当金340万円-支出420万円×10年=マイナス800万円
【パターン3】
生活費月15万:(固定費25+15)×12=480万円
キャッシュフロー:配当金340万円-支出480万円×10年=マイナス1,400万円
実際には当時不明だった退職金+預貯金が先述の通り1150万円あるので、それを充当するとパターン2の生活費月10万円までは理論上は大丈夫であった。
今回
今回は前回とは違うのは、退職金に加え完全リタイア後半年で判明した事や実績、そして住民税を月割にしている点。固定費の合計は先述の通り25.5万円。住民税を入れた分少し増えたが、保険料、住民税が10年単位で見た場合には前回想定より安くなっている。またこちらには確定申告で戻ってくる米国株配当の二重課税分(還付金:30万円)を加味したパターンも追加してみる。
また。退職金が入ったのが2021年1月なので、以下は2021年1月から10年間という事にしている。
【パターン1】
生活費月5万:(固定費25.5+5)×12=360万円
キャッシュフロー:配当金350万円-支出366万円×10年=マイナス160万円
還付金有:配当金350万円+還付金30万円-支出366万円×10年=プラス140万円
退職金含めた預貯金を充当:1,150万円-160万円=プラス990万円
還付金有:1,150万円+140万円=プラス1,290万円
【パターン2】
生活費月10万:(固定費25.5+10)×12=426万円
キャッシュフロー:配当金350万円-支出426万円×10年=マイナス760万円
還付金有:配当金350万円+還付金30万円-支出426万円×10年=マイナス460万円
退職金含めた預貯金を充当:1,150万円-760万円=プラス390万円
還付金有:1,150万円-460万円=プラス690万円
【パターン3】
生活費月15万:(固定費25.5+15)×12=486万円
キャッシュフロー:配当金350万円-支出486万円×10年=マイナス1,360万円
還付金有:配当金350万円+還付金30万円-支出486万円×10年=マイナス1,060万円
退職金含めた預貯金を充当:1,150万円-1360万円=マイナス210万円
還付金有:1,150万円-1,060万円=プラス90万円
今回は住民税を月固定費として見たが、配当金が前回より10万円増えていることもあり改善されている。
そして前回組み入れなかった確定申告で戻ってくる米国株配当の二重課税分30万円を組み入れることで結果が大きく変わっている。冷静に考えれば年間30万円x10年=300万円の差となるわけだから当たり前か。退職前は給与という毎月の収入があったのでそこまで気を回さなかったが、実際完全リタイアして配当金以外の入金が無い状態を考えるとこの米国個別株配当の還付金は非常に大きい。
まとめ
完全リタイアから半年が過ぎて、完全リタイア/退職前に想定していた月割のキャッシュフローをアップデートしてみた。前回は住民税が入っていなかったし、退職金の額も不明だったのが今回は明らかになり、その他細かい点もアップデートしたので確度は上がったと思っている。
また今回米国株配当の二重課税分30万円を組み入れてみると、月額15万円の生活費(食費含む)でもシミュレーション上ではプラスになるのが判ったのは安心する要素であった。
ただ正直整理しながら思ったのは、「これは表計算ソフトを使ってシミュレーションするべきだった」という点。
とにかく値や要素を変更、追加する度に再計算するのは面倒くさい。その上、その計算がPCの電卓を使っているケースもあるので、時間がかかる上に間違いの可能性もある。また月割に均しているが、出費タイミングが年1回、2年1回などのものには対応するのが面倒な上に、実際のキャッシュフローと乖離してもいる。
今回は完全リタイア/退職後半年という事で、以前の完全リタイア/退職前の形式を踏襲して整理してみたが、次回以降は表計算ソフトを使ってキャッシュフローを作成することにしよう。
ちなみにあくまで「シミュレーション部分を表計算にしなかったことがまずかった」点で、最初の項目洗い出しの部分に関しては、表計算にいきなり落とし込むのではなくこういった形で、自分の中で項目の定義をはっきりするという点では良かったと思っている。また、完全リタイア/退職前には出費の正確なタイミングも分かりにくい部分があったので致し方ないところでもあったとは思う。
文字数が多い上に何時にも増してとりとめのないグダグダな文章になってしまった。後日見返した時に恥ずかしいと思うのだろうなあ・・・。