投資開始からの期間
2001年7月から数えて208ヶ月目(17年4ヶ月目)。
資産動向考察
2018年10月末の資産は以下の様になった。
12,815,767円の減少。1,300万円近くの減少となり単一の金額としては過去最大幅の下落。
ところが恐ろしいことに、自分の資産減少割合で言うと今月より酷い月が今までにあった。バイアンドホールド/長期投資をしていると、このような単月ので急落は起こり得るもの。また、長期投資をしていると、良くも悪くも暴落の経験に慣れてくる気がする(暴落の要因はそれぞれ違う訳なのでひとまとめにしてはいけないのだが)。暴落に関しては直後と1週間後の自分の考えをまとめてみたが、月が終わってみると更にその悪印象が薄れてきたような気がする。人間は忘れる生き物であるとはよく言ったものだ。
自分の気持ちはさておき、分析はきちんとしておかなければなるまい。今月下落の大きかった銘柄を中心にチェックしてみる。
動きの大きかった銘柄
【BA(ボーイング)】
2018年9月終値@371.9 ⇒ 10月終値@354.86。所有株数が190株なので、(371.9-354.86)×190=3,237.6ドルのマイナス。
■10日:NASAの監査官が、BAが製造中の米航空宇宙局(NASA)史上最大の打ち上げロケットが、同社の「低調な実績」により費用が当初予算の倍の89億ドルに膨れ上がり、打ち上げがさらに遅れる可能性もあると明らかにした
■24日:第3四半期決算を発表。旺盛な航空機需要や好調な防衛関連販売などを背景に利益が市場予想を上回り、2018年通期の業績見通しも引き上げ
■29日:インドネシアのライオン・エア610便(ボーイング737 MAX 8)がスカルノ・ハッタ国際空港を離陸直後に墜落
【BMY(ブリストル・マイヤーズ スクイブ)】
2018年9月終値@62.08 ⇒ 10月終値@50.54。所有株数が2,200株なので、(62.08-50.54)×2,200=25,388ドルのマイナス。BMYの記事を最近書いたのだが、その内容も見直さないといけないか。
10月にあったBMY関連の主な出来事は以下の通り。
■12日:がん治療/免疫薬「オプジーボ」を巡り、小細胞肺がん患者を対象にした臨床試験で所期の効果が得られなかったと発表
■22日:米食品医薬品局(FDA)はBMYと小野薬品工業が開発したがん治療/免疫薬「オプジーボ」(一般名:ニボルマブ)と他の薬剤を組み合わせた療法に関する決定期日を延期
■25日:第3四半期利益は市場予想を上回ったが、売上高は下回る
■26日:トランプ大統領が高齢者および障害者向け医療保険(メディケア)プログラムの一部医薬品支払額を他国のより低い価格に基づいて設定することで、処方せん薬価格の引き下げを模索していると表明
この出来事を自分なりにまとめてみると、
①主力薬品のオプジーボ自体の売り上げは好調
②しかし、臨床試験やFDAの決定期日延期による懸念が表面化
③オプジーボは高齢利用者が多いため、トランプ大統領の薬価引き下げによる影響が大きい
という風になり、そのために2018年10月に大きく値を下げたと思われる。
【C(シティグループ)】
2018年9月終値@71.74 ⇒ 10月終値@65.46。所有株数が5,750株なので、(71.74-65.46)×5,750=36,110ドルのマイナス。
10月にあったC関連の主な出来事は以下の通り。
■12日:第3四半期決算は、債券トレーディング収入の増加やメキシコの個人金融事業の好調が寄与し、利益が市場予想を上回る
C単体でどうこうというよりは銀行株全体で、米連邦準備理事会(FRB)が2015年後半から政策金利を8回にわたり引き上げ、金融引き締めサイクルが定着し、景気拡大局面後退の懸念があるため、株価の上昇が抑えられているようだ。
【GE(ゼネラル・エレクトリック)】
2018年9月終値@11.29 ⇒ 10月終値@10.10。所有株数が3,850株なので、(11.29-10.10)×3,850=4,581.5ドルのマイナス。金額で言うと他の銘柄に比べれば少ないのだが、今月はいくつかの重要な出来事があった。
■1日:ジョン・フラナリー最高経営責任者(CEO)が退任
■2日:S&PがGEの信用格付けを「A」から「BBBプラス」に引き下げ
■30日:第3四半期決算は228億ドルの損失。四半期配当を0.01ドルに引き下げると発表し、電力部門の再構築方針を表明。さらに220億ドルの減損費用について米証券取引委員会(SEC)と司法省が現在進めている調査を拡大したと公表。カルプ新最高経営責任者(CEO)は通期キャッシュフローが目標の約60億ドルをかなり下回ると予想
CEOが交代して一旦株価は上昇する局面もあったのだが、30日の発表でまた急落。現在の自分にとっては減配が痛いところ。具体的な額については2018年10月の配当記事にて。こういった状況を踏まえるとGEは塩漬けにするべきだろうなあ。2018年9月にGEを買い増したのは失敗だったかもしれない…。その時はそれなりの理由があったのだがなあ。
【T(AT&T)】
2018年9月終値@33.58 ⇒ 10月終値@30.68。所有株数が7,200株なので、(33.58-30.68)×7,200=20,880ドルのマイナス。
■24日:第3四半期決算は衛星テレビ事業が振るわず利益が予想ほど伸びなかったことで、四半期利益予想下回る
【XOM(エクソン・モービル)】
2018年9月終値@85.02 ⇒ 10月終値@79.68。所有株数が790株なので、(85.02-79.68)×790=4,218.6ドルのマイナス。
■24日:ニューヨーク州のバーバラ・アンダーウッド司法長官が、XOMが気候変動に関する規制が事業に及ぼすリスクを巡って投資家を誤解させたとして同州の裁判所に提訴
これら6銘柄の損失を合計すると、94,415.7ドル。1ドル=112円とすると1,000万円超となるので、2018年10月の損失はこれらの下落に拠るところが大きいと言える。まあ、その他銘柄の合計でも200万円超になるのだが。
こうやって下落の大きい銘柄の理由を大まかにチェックしてみると、それぞれ色々な理由があって興味深い。決算が良くてもその他要因で下がっていたり(BA、BMY、C)、そもそも決算が悪いもの(GE、T)など様々(XOMの決算は11月2日)。個人的には、下落の理由付けが弱いCが最も気に掛かる。
ちなみにダウ工業平均の2018年10月のチャートは以下の様になっている。
日次では半分以上がマイナスになっているので、上に挙げた以外の保有銘柄の大幅な目減りも致し方無いと言ったところだろうか。
為替
先月終値:2018年9月30日 1ドル=113.80円
今月終値:2018年10月31日 1ドル=112.94円
1ドルあたり0.86円、割合で言うと0.76%ドル安。この月のように米国株式市場が大幅に下落すると、それに連れて為替も大幅なドル安になることが多い気がするのだが、自分としては許容範囲内に収まってくれた。これで為替も大幅なドル安だったら、資産の目減りはより酷いことになっていたので、助かった部分ではある。
まとめ
累計投資:72,762,320円(今月追加投入なし)
米国株:116,735,969円
外貨MMF:81,133円
USドル:61,336円
日本円:48,601円
資産:116,927,039円
累計損益(累計投資と資産より):44,164,719円/60.7%
先月は大きく資産を増やしたのだが、今月はそれを吐き出してもまだ足りず1,300万円近く損益が減少し、6月と同じぐらいまで下がってしまった(実際には9月に100万円追加投資をしているので、6月よりもさらに悪い)。
今月の下落は米国の利上げや米中貿易、EUの諸問題など市場心理に拠るところが大きかったのではないか、と個人的には思う。この下落でそれらが株価に織り込み済みになってくれれば良いのだが、2018年11月は米国の中間選挙があり、それもまた市場に影響をもたらす可能性があるのでどうなることやら。
今月は円ベースの見かけ上の資産が大きく目減りしてしまったので残念な月ではあったが、バイアンドホールド/長期投資をしていると、それなりに起こり得ることなのでまあ仕方がない。ブログを書くことで短期的な自分の考えを整理できたし、またひと月のまとめとしてこれを書きながら過去の自分の投資データを確認することで、一層落ち着くことが出来た点では良かったと言える。