はじめに
昨日2022年12月19日(月)の米国市場は
と先週の12月FOMC結果とパウエル議長の会見を受けてからの下落傾向が続き4営業日連続での下落となったのだが、そんな中自分のポートフォリオ銘柄であるAT&T(T)が
前日比3.41%マイナスと市場を大きく上回る下落となっていた。
調べてみたところ掲題に挙げたアナリストの投資格付けアップデートが影響していたようだ。以下、その内容を確認し整理しておくことにする。
MoffettNathansonのアナリストCraig Moffett氏のAT&T投資格付けアップデート
投資格付け:Market PerformからUnderperformに下方修正
目標株価:17ドル(前回から変わらず)
以下はCraig Moffett氏の投資格付けアップデートの要旨。
- AT&Tのポジションは以前と同じくらい弱い(AT&T’s position is just as weak as it was before)
- AT&T株の急激な上昇はAT&T自体に対する期待には変化がないことを反映している可能性が高い
- むしろ夏に組織的スポンサーがほとんどなかった(minimal institutional sponsorship going into the summer)Verizonから、組織的スポンサーがほとんどまったくない(almost no institutional sponsorship at all)AT&Tへのローテーションの産物である可能性が非常に高い
- 同社のフリーキャッシュフローの予想は悪化しただけであり、AT&Tは2023年にフリーキャッシュフローの成長に関するガイダンスを提供すると予想はしているが、実際にそうなるかどうかについては懐疑的である
Moffett氏は同日AT&Tと同業のベライゾン(VZ)とT-Mobile(TMUS)の投資格付けもアップデートしている。
【ベライゾン】
投資格付け:UnderperformからMarket Performからに上方修正
目標株価:41ドル(前回から変わらず)
【T-Mobile】
投資格付け:Outperform(前回から変わらず)
目標株価:177ドルから174ドルに下方修正
ちなみに3社の昨日の株価は以下の様になっている。
まとめ
Moffett氏の投資格付けアップデートが色濃く各社に反映された結果となった(T-Mobileの目標株価は下がったがOutperformの高評価は変わらず)。
昨日の下落はあったものの年初来のAT&T株と市場(S&P 500)の推移を見てみると
10月の決算発表以降の上昇が寄与して市場が20%近く下落しているのに対して4%程度の下落に留まっている。
ただ、Moffett氏は以前業界全般に関して「加入者の伸びが鈍化し、プロモーションが増加し、ケーブル ワイヤレスからの圧力が加速する」傾向が強まる事に懸念を示していたが、「業界の懸念は2023年に近づいてもまったく同じままである」としている点が気に掛かる。
アナリストの見解がいつも的を射たものとなるとは限らないが、AT&T株については来月の2022年第4四半期決算及びそこで明らかになるだろう2023年見通しがはっきりするまでは弱含みの株価が続くかもしれない点は意識しておきたい。