2019年10月29、30日のボーイング(BA)議会証言の草稿

はじめに

昨日2019年10月28日に、以前に少し言及したボーイングの議会証言の草稿が公開されていた。10月29日には米上院商業委員会、30日には下院運輸経済基盤委員会で証言する予定。

株価にどう影響を与えるかは不明だが、以下にそのポイントをまとめておくことにする。


発表資料の概要

以下の内容はボーイングの企業サイトより引用・抜粋。

  • “We have learned and are still learning from these accidents. We know we made mistakes and got some things wrong,”「これら墜落事故から多くを学んでいる。ボーイングが間違いを犯したと認識している」

事故の原因とされるManeuvering Characteristics Augmentation System (MCAS) に関しては、

  • MCAS now compares information from both angle of attack sensors before activating and will only respond if data from both sensors agree;
    (MCASは起動前に両方のAttackセンサーからの情報を比較し、両方のセンサーからのデータが一致する場合にのみ応答する)
  • MCAS will only activate a single time; and
    (MCASは一度だけ起動し、)
  • MCAS will never provide more input than the pilot can counteract using the control column alone.
    (パイロットが単独で操縦桿を使って対処できる以上のことを提供しない)

といった追加の保護策を講じるとしている。

  • “We’ve dedicated all resources necessary to ensure that the improvements to the 737 MAX are comprehensive and thoroughly tested. When the 737 MAX returns to service, it will be one of the safest airplanes ever to fly.”
    (737 MAXの改善が包括的かつ徹底的にテストされるように必要なすべてのリソースを投入しました。737 MAXがサービスを再開すると、これまでで最も安全な飛行機の1つになる)

まとめ

ボーイングが「We know we made mistakes and got some things wrong」と過失を認めている点や、MCASの具体的な改善点を述べていることなどが目に付く。

一方で、少し前に話題になったボーイングがMCASの不具合可能性を、FAAから運航認可を受ける前に認識し、意図的に隠していたのではないか、という疑念については触れていない。この点が上下両院における証言でかなり突っ込まれることになるだろう。その対応次第では、一段とボーイングの株価が下落する可能性もあるような気がするのだが、さてどうなるか。ミューレンバーグCEOが議会でどう対応するか非常に気になるところ。

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