はじめに
2022年11月2日(水)の米国市場は
とFOMC会合及びパウエル議長の会見を受けて大きく下落したのだが、そんな中自分が所有しているボーイング(DD)は
2.81%の上昇。調べてみたところ日中のボーイング株は
と11時過ぎぐらいから上昇しており、掲題のBoeing 2022 Investor Conference(投資家向け説明会)がその辺りで開始し、そこでポジティブな見通しを明らかにしたことが原因だった様だ。
以下主な項目をピックアップして整理してみる。
Boeing 2022 Investor Conference概要
【アジェンダ】
全体で約3時間半のプレゼンテーション。主にCEO Perspective、Financial Updateで先日行われた2022年第3四半期決算発表では触れられていなかった新たな情報が明らかになっていた。以下新たになった主な情報をピックアップしてみる。
【中期的なフリーキャッシュフロー】
- 2025/26年にはフリーキャッシュフローが100億ドル
【2023年のキャッシュフロー】
- フリーキャッシュフローは30億~50億ドル(2022年通年は15億~20億ドルの見込み)
- 前提として737型機を400~450機納入、787型機を70~80機納入(737型機は2022年通年の納入見込みを先日の2022年第3四半期決算で375機に引き下げている)
【2025/26年のキャッシュフロー】
- フリーキャッシュフローは100億ドル
- 前提として737型機を月50機生産、787型機を月10機生産、777/777X型機を月7機生産
【その他カンファレンス中の経営陣のコメントで気になったもの】
- 冬の時代を経て事業は好転している
- ボーイングの品質に関する評価と財務を回復させる取り組みが進行中
- オペレーションを実施するための資金調達に追加の株式を売却する必要はない
- 今年のフリーキャッシュフローは黒字化する(従来の見込と変わらず)
- (サプライチェーンのボトルネック等から同社の生産と納入の目標に対するアナリストの疑問に対して)
- すべての潜在的な課題を考慮に入れている
- 我々が提示した計画、提供したガイダンスは実行可能であると確信している。そうでなければ我々は計画を立てなかった
- 最新の予測は中国への旅客機納入の再開を条件としていない
まとめ
ボーイングは先日行われた2022年第3四半期決算を受けて
8.77%の急落だったのだが、その後は決算を受けてアナリストの目標株価が引き下げられたもののその際のボーイング株価からは上昇余地があったためか上昇基調となり、今回のカンファレンスでの新たな情報を受けて更に上昇ということになった。ちなみにその翌日11月3日(木)の市場も
と低調だったもののボーイング株は
更に上昇。第3四半期決算発表の際には
「決算内容を踏まえると今後も急速に改善するとは思えない。」
と書いていたのだが予想を覆す上昇振り。願わくばこのまま堅調な株価推移を続け、年末にデッドラインが迫っている737MAX7/10の型式認証を期限内に得て更なる株価上昇に繋げて欲しい。