来週スタートのHBO Maxに関するアップデート(2020/5)

はじめに

来週5月27日にサービス開始予定のAT&T傘下ワーナーメディアのHBO Maxだが、今週5月20日に新しいパートナーを発表していたので、その内容を整理しておく。


ワーナーメディアの5月20日の発表

以下はワーナーメディアの企業サイトより引用・抜粋。

  • WarnerMedia, a division of AT&T Inc., announced today a robust slate of new distribution agreements that will make HBO Max, the company’s highly anticipated streaming platform, widely available to customers at launch later this month.
    AT&Tの一部門であるワーナーメディアは本日、同社の大いに期待されるストリーミングプラットフォームであるHBO Maxを、今月後半のスタート時に広く利用できるようにする強力な一連の新しい配信契約を発表しました
  • Covering a range of categories and platforms, including cable and broadband operators, gaming consoles and connected TVs, the newest companies to sign on to distribute HBO Max at launch include Altice USA, Cox Communications, Microsoft, National Cable Television Cooperative (NCTC), Samsung, Sony Interactive Entertainment and Verizon.
    ケーブル事業者、ブロードバンド事業者、ゲーム機、コネクティッドTVなど、さまざまなカテゴリとプラットフォームに対応し、サービス開始時にHBO Maxの配信提供に加わる最新の企業には、Altice USA、Cox Communications、Microsoft、National Cable Television Cooperative(NCTC)、Samsung、Sony Interactive Entertainment、Verizonなどがあります
  • These companies join AT&T, Apple, Charter, Google, Hulu and YouTube TV in offering HBO Max to their customers at launch.
    これらの企業はAT&T、Apple、Charter、Google、Hulu、YouTube TVに加わり、サービス開始時にHBO Maxを顧客に提供します

まとめ

この発表によって数百万のユーザが顧客がサービス開始時にHBO Maxにアクセスできるようになる一方で、Roku、Comcast、Amazon Fire TVといった強力な企業とはパートナー関係を結べてはいない。

各種報道によると、

  • Rokuとはサービス開始前に合意に達することを目指して交渉中
  • サービス開始前にAmazon Fire TVを配信パートナーとして追加する可能性は低い
  • Comcastについての情報はなし

という状況。それぞれの視聴者数はRoku、Amazon Fire TVがそれぞれ約4,000万、Comcastが約3,000万人と今回発表のあった企業群とは文字通り桁が一つ違っているので、HBO Maxのサービス開始前に配信契約が結ばれるかによって、初動の加入者数に違いが出てくるだろう。

AT&Tの事業部ごとの売上高は何度も確認しているように(以下は2020年第1四半期資料より)

ワイヤレスを含むモビリティ、エンターテイメント、ワーナーメディア、ビジネス有線ネットワークの順であり、今回のHBO MaxがAT&Tの業績に寄与する割合は最初は限定的な気がする。ただしHBO Maxの初動が市場の期待より低かった場合には、市場の失望売りで株価は大きく下がる可能性が高い。その点でも何とかサービス開始前に間口を更に広げてもらいたいところ。

ちなみにAT&Tの年初来の株価は、

となっており、ダウ工業平均、S&P 500に比べて低パフォーマンス。特に3月後半からやや市場が回復傾向にあるのにAT&Tはあまり変化がない。

COVID-19の影響で不透明な部分が多々ある(良い点:在宅者の増加で加入者増が見込まれる、など。悪い点:失業者数が増加している中で月15ドルという割と高額な価格、新規に作成・提供されるコンテンツが限定、など)ため、ふたを開けてみなければ分からないのだが、是非ともスタートダッシュに成功してAT&T株が上昇するきっかけになって欲しいと切に願う。そのためにも先に挙げたRoku、Comcast、Amazon Fire TVとの契約がサービス開始までに締結されると良いのだが…。

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