シスコ(CSCO)2020年第1四半期決算発表(2019/11)

はじめに

一昨日2019年11月14日は、自分の保有銘柄の一つであるシスコ・システムズ(CSCO)の2020年第1四半期決算発表が13日の時間外後になされた後の初取引が行われた。時間外取引時点で大きく下落すると思ってはいたが、実際には

とやはり7.33%の大幅下落。以降でこの下落を引き起こした決算の具体的な内容について確認し整理しておく。


2020年第1四半期決算概要

以下はシスコ・システムズの企業サイトより引用・抜粋。

  • 2020年第1四半期の売上高(Revenues)は131億6000万ドル、前年同期は130億7000万ドルで、前年同期比1%の増加(アナリスト予想平均は130億9000万ドル)
  • 2020年第1四半期の純利益(Net Income)は29億3000万ドル、前年同期は35億5000万ドルで、前年同期比18%の減少
  • 2020年第1四半期の一株あたり利益(EPS)は0.68ドル、前年同期は0.77ドルで、前年同期比12%の減少

  • 2020年第1四半期の一時項目を除く一株あたり利益(EPS diluted)は0.84ドル、前年同期は0.75ドルで、前年同期比12%の増加(アナリスト予想平均は0.81ドル)

  • 2020年第2四半期の売上高は3~5%減少の見通し。金額ベースでは118億2000万~120億7000万ドルとなり、アナリスト予想(2.68%増、127億7000万ドル)を下回った
  • 2020年第2四半期の一時項目を除く一株あたり利益(Diluted EPS)見通しは0.75~0.77ドル。アナリスト予想は0.79ドル


まとめ

上記の決算発表数値のうちアナリスト予想のあるものは併記したが、2020年第1四半期のものはアナリスト予想を上回っている。

しかしながら、2020年第2四半期のガイダンスで売上高が前年同期比マイナス3~5%、一時項目を除く一株あたり利益(Diluted EPS)が0.75~0.77ドルといずれもアナリスト予想を下回っている。もし売上高が見通し通りに減少すると、四半期ベースで2年ぶりの減収ということになる。この点が株価急落の原因だろう。

では、なぜ2020年第2四半期の見通しが芳しくないのか。これはアナリスト向けカンファレンスコールの方が分かりやすいかもしれない。以下はチャック・ロビンス最高経営責任者(CEO)のカンファレンスコールでの発言。

I would say that if you just go around the world right now and you look at what’s happening in Hong Kong, and you look at the China-U. S. trade situation, you look at what’s going on in D.C., you’ve got Brexit, you’ve got uncertainty in Latin America, I mean, I think it’s — and any of those that are big issues, if they get resolved, then you could see some of the uncertainty removed, and I think that’s what — business confidence just suffers when there’s lack of clarity.

And there’s been lack of clarity for so long that I think it finally just came into play.

前半部分は長いので簡単にまとめると、世界全体での不透明感について述べており、最後にその不透明感が長く続いている影響がとうとうシスコの業績に出始めた、と言ったところだろう。

シスコのビジネスごとの売上は、

セキュリティやサービスへの拡充を図ってはいるものの、やはりルーターやスイッチなどネットワーク機器(Infrastructure Platforms)が全売上の半分を占めている。チャック・ロビンスCEOが述べた様に、世界経済の不透明感が長期化すると、それを懸念する企業はハードウエア購入先送りをし、需要(売上)が落ちる、というロジックでシスコは2020年第2四半期の予想を2年ぶりの売上減少としたのだろうか。

ちなみに前回の決算発表後のカンファレンスコールでは、米中貿易摩擦、関税に関する質疑が多かったのだが、今回のカンファレンスコールでは、関税(Tariff)という言葉は一言も出ず、中国に関しての具体的な数字は、ケリー・クレイマー最高財務責任者(CFO)が、order trendsに関する質問に、

China continues its decline. It was down 31% versus last quarter. It was down 26%. So the momentum is continuing to just accelerate the decline in China.

と答えている程度。前期比31%減少、の後の26%減少は何と比べてか分からないが、その後の中国での減少傾向が続いているという点がポイントか。

いずれにせよ前四半期、今四半期、来四半期といずれも低調な結果、予想となっており、来月の定期購入時にシスコ株を買い足す可能性は少ないだろう。例え米中貿易摩擦が解決したとしても、素直に次の四半期決算の内容を待って投資の判断をした方が良さそうだ。

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