AT&T(T)の格付け情報アップデート(2021/1/5)

はじめに

昨日2021年初日の1月4日の米国市場は、ダウ工業平均が1.25%、S&P 500が1.48%、NASDAQが1.47%それぞれマイナスと不穏なスタート。

そんな中自分のドルベースの資産は

1.07%のマイナスに落ち着いていた。通常、市場がマイナスに振れると自分の資産はそれ以上にマイナスになる事が多いのでその理由を確認してみたところ、掲題のニュースを受けてAT&T(T)株が気を吐いてくれた事に助けられていた。

以下に、市場がマイナスだったにもかかわらずAT&Tが上昇した要因の投資格付けのアップデートについての内容を整理しておく。


2021年1月4日のRaymond JamesのAT&T投資格付けアップデート

以下はRaymond James(投資銀行)のアナリストFrank Louthan氏のAT&T投資格付けアップデートから引用・抜粋。

投資格付け:Market PerformからOutperformに上方修正

目標株価:32ドル(以前の目標株価は残念ながら不明)

【投資格付アップデート要旨】

  • “We believe the situation improves for AT&T over the next 12 months, offering a solid total return story,”
    「AT&Tの状況は今後12ヶ月で改善し、確実なトータルリターンストーリーを提供すると信じています」
  • “we think investors who can wait a few months for a mean reversion while locking in a 7% yield should be rewarded for buying AT&T at current levels.”
    「7%の利回りを確保しながら平均回帰を数ヶ月待つことができる投資家は、現在のレベルでAT&Tを購入すると報われるはずです」
  • “With HBO Max finally on the dominant streaming hardware platforms, we believe the streaming service will begin to see significant subscriber gains, and the stock should react well to these gains.”
    「HBOMaxがついに主要なストリーミングハードウェアプラットフォームに搭載されたことで、ストリーミングサービスでは加入者が大幅に増加し始め、株価はこれらの増加に反応するはずです」
  • “With a nearly completed FirstNet build, increasing HBO Max awareness and ongoing monetization of non-core assets all in the cards for 2021, we believe the company is poised to generate more than enough free cash flow to 1) cover its upcoming C-Band commitments; 2) keep leverage in check; and 3) maintain the dividend at or above the current level,”
    「FirstNetのビルドがほぼ完了し、HBO Maxの認知度が高まり、2021年の手持ち非コア資産の継続的な収益化により、AT&Tは今後のCバンドのコミットメントをカバーするのに十分なフリーキャッシュフローを生み出し、 2)レバレッジを抑制し、 3)配当を現在のレベル以上に維持することが期待されます」

元々Market Performにしたのは、パンデミックの開始時にワーナーメディアエンターテインメントユニットに関する懸念に基づいてAT&Tを格下げしていたのだが、その期間の悪いニュースのほとんどは3月の初めから20%近く下落した株価に反映されているとしている。

今回は、上記HBO Maxのプラットフォーム増加に伴う加入者増や2021年の映画のハイブリッド配給モデルを“well-informed bet(十分な情報に基づいた賭け)”と判断した事などを上方修正の理由として挙げている。

一方で次四半期は、iPhone12の発売に伴う高額なマーケティングコストや周波数オークションなどにより“unimpressive(印象的ではない)”可能性があるともしている。


まとめ

冒頭に述べた通り、この格付け上方修正は市場に良い影響を与えた様子。

過去1ヶ月を振り返ってみると、

12月17日にモルガン・スタンレーがAT&Tの投資格付けを下方修正して以来冴えない動き。クリスマスのワンダーウーマン1984公開によるHBO Maxの加入者増もAT&T株の起爆剤にはならなかったので、今回の格付け上方修正は久しぶりに良いニュースだった。

現地時間1月27日に2020年第4四半期の決算発表が予定されているが、その前に最後となる経営陣がプレゼンをするカンファレンスがあと数時間後に開催される(最高財務責任者(CFO)John Stephens氏がCiti Global TMT West Virtual Conferenceで講演予定)。この内容がポジティブもしくは可もなく不可もない内容である事を期待したい。

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