はじめに
昨日2021年12月17日の米国主要3市場はダウ工業平均が0.08%、S&P 500が0.87%、NASDAQが2.47%いずれも下落したのだが、そんな中自分の所有銘柄でここ数ヶ月下がり続けでどこまで下がるのかを懸念していたAT&T(T)株が
と7%近い大幅上昇。その原因は掲題のアナリスト投資格付けアップデートにあった模様。以下にその内容の確認と同日AT&Tより発表のあった次四半期配当についてまとめておく。
2021年12月16日のMorgan StanleyのAT&T株投資格付けアップデート
投資格付け:Equal-WeightからOverweightに上方修正
目標株価:32ドルから28ドルに下方修正
以下はMorgan StanleyのアナリストSimon Flannery氏の見解要旨。
- 来年のWarnerMedia media事業とDiscoveryの統合後、AT&Tには(現在より)はるかに明確で焦点を絞ったより合理化された通信事業が残されるだろう
- AT&Tのコアコミュニケーションビジネスは過小評価されており、WarnerMedia / Discoveryの統合がより明確になるにつれて再評価する必要があると考えている
- ワイヤレス業界全体の成長の鈍化と新たな競争上の脅威が市場に明らかな下振れリスクを生み出しているが、これらの懸念はすでにAT&Tの株価に大きく反映されていると考える
- AT&Tは2022年1月の2021年第4四半期の業績を報告する際、コア通信事業の2022年の見通しを提供する可能性があり、その見通しにより投資家は会社のこの重要な部分の状態をより明確にすることができるだろう
AT&Tの次四半期配当発表
- 次四半期配当は一株当たり@0.52ドルで変わらず
- 権利落日は2022年1月7日
- 権利実施日は2022年2月1日
まとめ
正直冒頭のAT&Tの急上昇は、ここ最近のAT&T株下落ももかかわらず配当維持の発表が開場前にあったからだと思っていたのだが、実際はアナリストの投資格付け上方修正によるものだったらしい。
2021年5月にワーナーメディア分離を発表してからAT&T株は以下の様に
下落傾向が続いているので、どこかで上昇する局面があってもおかしくは無いという思いはあった(正確には上昇して欲しいという願いであるが)が、アナリストのアップデートをよく調べてみると上記の様に格付けは情報修正しているものの、その根拠はいささか薄弱にも思われ目標株価も引き下げているので個人的にはこれ程株価上昇につながったのは腑に落ちない部分もある。
問題はこれが一過性のものなのかそれとも下げ止まりの契機になるのかという点なのだが、個人的には繰り返しになるがアナリストの投資格付け上方修正の根拠は今一つ説得性に欠ける気がするし、目標株価も引き下げているので残念ながら一時的なものに過ぎないと思う。
一方でAT&T株下落が続く中で配当が予定通り据え置きだった事は、配当額は変わらないものの株価が下がっているため税引前のAT&Tの配当率は現在9%を超えてしまっており、もしかすると配当減となってしまうのでは、と密かに思っていたので一安心。
取り合えず次四半期配当も現状を維持できたので、後は株価が自分の予想に反して下げ止まってくれるといいのだがなあ。