はじめに
2020年10月2日(日本時間)は米トランプ大統領が新型コロナウイルス陽性との報道を受け米国市場は下落するのだろうが、それよりも個人的には2020年10月1日(米時間)に明らかになった掲題のエクソン・モービル(XOM)が第3四半期(7~9月)に市場予想を上回る損失計上をするのでは、という報道の方が気に掛かる。
以下にその報道内容を確認してみる。
2020年10月1日のエクソン・モービル第3四半期に関する報道
まず報道の元になっているのが、エクソンが2020年10月1日に米証券取引委員会(SEC)に提出したSEC filing Form 8-K資料。
Form Description: Report of unscheduled material events or corporate event
Filing Group: Current Reports
という要旨の現状報告。主な内容をそのまま提出資料より掲載する。
上に挙げた数字が第2四半期の結果と比較して第3四半期の決算結果に影響を与えるとエクソンが考えていることは分かるが、これを見ても自分には具体的にどうなのかさっぱり分からない。
ロイターの報道によると上記数値等を元にすると、
- 「第3四半期の1株損益が0.68ドルの損失から0.07ドルの利益になる可能性があることを示唆している」
らしい。そしてこの予想レンジは
- レンジ中央値の0.30ドルの損失はRefinitiv IBESによるアナリスト予想(0.07ドルの損失)を大きく下回っている
という事になる。
このロイターの報道・分析が正しいとすると、ただでさえキャッシュフローに問題のあるエクソンの状況は更に厳しくなり、現時点で10%を超えている配当に影響が出る可能性が高くなる気がする。
まとめ
この報道を受けて、2020年10月1日のエクソン株の終値は、
3.5%のマイナス。ダウ工業平均が0.13%、S&P 500が0.53%、NASDAQが1.42%それぞれ上昇した事を考えると大きな下落と言ってよいだろう。
アナリストの予想や報道は必ずしも当てになるとは限らないのだが、ここ最近のエクソンの業績や決算内容を考えると、市場はこの報道の信ぴょう性が高いと捉えたのだろう。
2020年7月の2020年第2四半期決算発表のアナリストとのカンファレンスコールの中で上級副社長のNeil Chapman氏は、
「I — we feel very confident that we will be able to maintain that level of debt and maintain that dividend, certainly for the coming year or months.」
確かに来年または数ヶ月間、その水準の債務を維持し、配当を維持できると確信しています
と述べていたのだがどうなるのか。
こエクソンが減配・配当停止などになると、2020年10月末で完全リタイアする自分にとっては配当金生活のプランが狂ってくるので、何とか配当維持して欲しいところなのだが。
エクソンの2020年第3四半期決算発表は2020年10月30日に予定されているので、その結果に要注目だな。