はじめに
昨日2020年8月31日より自分の所有しているエクソン・モービル(XOM)がダウ工業株平均30種から除外された。以下にその内容を整理しておくことにする。
エクソンがダウ平均から外れた理由
この発表は現地時間8月24日の米国市場閉場後に行われている。
以下はS&P ダウ・ジョーンズ・インデックスの企業ページより引用・抜粋。
- S&P Dow Jones Indices will make the following changes to the Dow Jones Industrial Average (DJIA) effective prior to the opening of trading on Monday, August 31
ダウ・ジョーンズ・インデックスは、ダウ・ジョーンズ工業株平均(DJIA)の構成銘柄に関して以下の変更を行います。この変更は8月31日(月)の取引開始前に有効となります - Salesforce.com (NYSE:CRM) will replace Exxon Mobil Corp. (NYSE:XOM), Amgen Inc. (NASD:AMGN) will replace Pfizer Inc. (NYSE:PFE), and Honeywell International Inc. (NYSE:HON) will replace Raytheon Technologies Corp. (NYSE:RTX).
エクソンモービル(NYSE:XOM)に替えてセールスフォース・ドットコム(NYSE:CRM)、ファイザー(NYSE:PFE)に替えてアムジェン(NASD:AMGN)、レイセオン・テクノロジーズ(NYSE:RTX)に替えてハネウェル・インターナショナル(NYSE:HON)をそれぞれ採用します - The index changes were prompted by DJIA constituent Apple Inc.’s (NASD:AAPL) decision to split its stock 4:1, which will reduce the index’s weight in the Global Industry Classification Standard (GICS) Information Technology sector.
今回の指数構成銘柄の変更は、DJIAの構成銘柄であるアップル(NASD:AAPL)が1対4の株式分割を決定したことに伴うものであり、この分割により、DJIAでは世界産業分類基準(GICS)の情報技術セクターのウェイトが低下することになります - The announced changes help offset that reduction.
今回の指数構成銘柄の変更により、情報技術セクターのウェイト低下を防ぐことが可能となります - They also help diversify the index by removing overlap between companies of similar scope and adding new types of businesses that better reflect the American economy.
また、今回の指数構成銘柄の変更では、同カテゴリーにある企業間のオーバーラップを排除するとともに、米国経済をより適切に反映する企業を新たに採用することになるため、指数構成銘柄の分散が強化されます
ダウ平均は各社の時価総額ではなく各銘柄の株価に基づいてウェートを算出するため、株式分割でアップル株が下落すると、ダウ平均に占めるアップル株のウエートが低下しダウ平均のハイテク銘柄全体のウエートも低下することになる。
そのため新たにハイテクセクターの大型株であるセールスフォースを採用することで、ダウ平均におけるハイテク銘柄のウエート低下を軽減するのだろう。
エクソンがダウ工業平均から外れた直接の理由は明示されていないが、ダウ工業平均のエネルギー関連株としてはシェブロンがまだ採用されているので、上記にある「同カテゴリーにある企業間のオーバーラップを排除する」という観点からなのだろう。
まとめ
1928年10月にダウ平均に採用され、先週までの構成銘柄で最も古い歴史を誇っていたエクソンだったのだが、ダウ工業平均から除外されたことがどう株価に影響したのか。
過去5日間の株価を見てみると以下の様になる。
発表翌日の26、27日前半にかけてはその影響もあってか下落傾向。ただそれ以降はあまり市場との乖離もない。実際に過去5日間で市場と比べてマイナス4%程度に収まっているので、ダウ構成銘柄から外れたことが直接株価に影響を及ぼしたとは言えない。ここ最近、特に年初来の業績・株価から見れば驚きは無かったのだろう。2020年になってからの四半期決算の内容からだけでも納得がいくところ。
エクソン(XOM)2019年第4四半期決算(2020/1)、他
エクソン(XOM)2020年第1四半期決算発表(2020/5)
エクソン(XOM)2020年第2四半期決算発表(2020/7)
ひとまず株価に顕著な悪影響が出ていないのは良かったが過去3ヶ月の株価を市場と比較してみると、
市場の上昇傾向とは反対に下落傾向。市場が上昇してもエクソン株が上昇しないという事は、次の第3四半期決算の発表があってそれがポジティブなものであるまでこの傾向は続くような気がする。