エクソン(XOM)2020年第1四半期決算発表(2020/5)

はじめに

2020年5月1日には自分の所有しているエクソン・モービル(XOM)の2020年第1四半期決算発表があった。自分のポートフォリオの中では1000万円近く投資していて、投資額ではAT&T(T)、シティグループ(C)に次ぐ3番目の銘柄なのだが、今年に入ってからいろいろあって、株価は取得価額(@76.77ドル)から大幅にマイナスの状況が続いている。

今年に入ってからのエクソンに関する整理の数を見ても、自分が如何にエクソン株を気にしているが分かる。

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配当を含めた今後の見通しなどが気になるところだが、その決算発表内容を整理しておくことにする。


2020年第1四半期決算概要

以下の情報はエクソン・モービルの企業サイトより引用・抜粋。

  • 2020年第1四半期の総収入(Total revenues and other income)は561億5800万ドル、前年同期は636億2500万ドル。市場予想の538億ドルは上回っている
  • 2020年第1四半期の純損失(Net income(loss))は6億1000万ドルの損失、前年同期は23億5000万ドルの利益
  • 2020年第1四半期の1株あたり利益(損失)(EPS)は0.14ドルの損失、前年同期は0.55ドル

第1四半期の6億1000万ドルの損失は、First quarter loss of $610 million driven by $2.9 billion noncash charge from market-related write-downsと説明しており、市場に関連する減損処理を29億ドル計上したのが大きな要因。

市場予想では1株当たり利益に上記のGAAPベースではなく、下記の特別項目を除く調整後1株あたり利益(Earnings Excluding Identified Items Per Common Share Assuming Dilution)を使っているのでそちらも掲載しておく。

  • 2020年第1四半期の特別項目を除く調整後1株あたり利益は0.53ドル、前年同期は0.55ドル。市場予測の0.18ドルは上回っている

このような決算結果を受けて、決算資料の中で4月7日の発表よりも更に設備投資を削減することを発表している。

  • ExxonMobil announced that it is reducing 2020 capital spending by 30 percent and cash operating expenses by 15 percent. Capex is now expected to be approximately $23 billion for the year, down from the previously announced guidance of $33 billion
    エクソン・モービルは、2020年の設備投資を30%、現金運用費を15%削減すると発表しました。 設備投資額は以前に発表された330億ドルの見通しから、年間で約230億ドルになると予想されています

決算資料の中で最高経営責任者(CEO)のDarren W. Woods氏がエクソンの今の状況を端的にまとめている。

  • “COVID-19 has significantly impacted near-term demand, resulting in oversupplied markets and unprecedented pressure on commodity prices and margins,”said Darren W. Woods, chairman and chief executive officer.
    「COVID-19は短期的な需要に大きな影響を与えており、その結果、市場は供給過剰となり、商品価格とマージンに前例のない圧力がかかりました」
  • “While we manage through these challenging times, we are not losing sight of the long-term fundamentals that drive our business. Economic activity will return, and populations and standards of living will increase, which will in turn drive demand for our products and a recovery of the industry.”
    「私たちはこれらの困難な時代を乗り越えながら、私たちのビジネスを推進する長期的なファンダメンタルズを見失うことはありません。経済活動が回復し、人口と生活水準が増加し、それが今度は当社の製品の需要と業界の回復を後押しするでしょう」

ただ、今後の具体的な見通し・ガイダンスについての提供は決算資料、アナリストとのカンファレンスコールでも提供されなかった。


まとめ

報道によると、エクソン・モービルが四半期赤字に転落したのは1988年以来32年振りのことらしい。今後の見通しも不明だったこともあり、エクソンの決算発表後の株価は、

と当然大きく下落。この日5月1日はトランプ氏が新型コロナに関して対中報復を示唆したことも影響してか、ダウ工業平均が2.55%、S&P 500が2.81%それぞれ下落しているが、それを上回るマイナスとなった。

一方で、この前々日4月29日にエクソンは四半期配当の発表をしており、一株当たり@0.87ドルの四半期配当を維持することを発表している。

こういった状況を受けて今後のエクソン株をどうするかだが、取り合えず配当が維持されたことは自分にとってはホッとする出来事ではあった。ただ決算発表時に今後の見通しについて明確な数値が出て来なかったのが気に掛かる。第1四半期決算はあくまで3月末までの内容であり、その後4月に一時原油先物がマイナス圏突入といった事態が発生している訳で、今回の決算発表にその影響は含まれていない。

その点を考えると今後しばらくはエクソン株が上向きになるとはとても思えない。この状況でも配当を維持する体力があると考えて買い足すのも危険な気がする。今後も配当を維持してくれることを期待しつつ様子見だろう。それもかなり長い間の様子見になりそうな気がする…。

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