はじめに
先月末に原油先物価格が50ドル割れしたことに関連して、エクソン・モービルの株価をまとめたのだが、その際にOPECプラスに注目であるとしていた。
昨日はそのOPECプラスの結果が判明したので、その内容を整理しておく。
OPECプラス会合の結果
以下は最も多く関係者のコメントを含んでいたトムソンロイター社の記事より引用・抜粋。
- 石油輸出国機構(OPEC)加盟国・非加盟国による連合体「OPECプラス」が6日に開いた閣僚会議で、OPECによる追加減産と減産延長に関する提案をロシアが拒否した
- 協議決裂を受け、OPEC加盟国、非加盟国はともに現行の協調減産の期限が切れる3月末以降は自由に産油量を決定
- ロシアとサウジアラビアが主導した3年間に渡ったOPECプラスの協力体制は終了する
- 関係筋によると、ロシア側は新型コロナウイルス流行による世界的なエネルギー需要への影響を予測するには時期尚早と主張した
- ロシアのノバク・エネルギー相はOPECプラス会合後、記者団に対し「4月1日からOPEC加盟国、非加盟国はともに何の制限も受けない」と表明
- ロシア通信(RIA)によると、ノバク・エネルギー相はロシアとOPECとの間の協調減産合意は解消したと表明。原油価格下落の背景には投機的な要因もあるとし、ロシアは新型コロナウイルスを巡る状況、および他国の対応を見極める必要があると説明。次回のOPECプラス会合の日程について現時点で語ることはできないと述べた
- サウジアラビアのアブドルアジズ・エネルギー相は、サウジが増産に動くかとの記者団からの質問に対し「当面は答えられない」と述べるにとどめた
- OPEC閣僚は5日、新型コロナウイルスの流行が「前例のない状況」を生み出しており、対策が求められていると指摘。日量150万バレルの追加減産を実施する案で合意。追加分を含む減産の期限は20年末までとすることを提案したが、ロシアなど非加盟国の参加を条件としていた
- OPECプラスが日量150万バレルの追加減産で合意した場合、現行の日量210万バレルの減産枠と合わせた合計の減産幅は世界的な供給量の約3.6%に相当する日量360万バレルになるはずだった
- ロシアは6日のOPECプラス会合で、3月末に期限を迎える日量210万バレルの現行減産の延長のみに合意すると表明。OPECはこれに対し、追加減産と減産延長の双方で合意がなければ合意は全くできないと応じ、協調減産は3月末で解消されることになった
- ロシア大統領府は6日、プーチン大統領がサウジ首脳と会談する予定は当面ないと表明
まとめ
これは正直いってネガティブサプライズ。自分としてはOPECが当初まとめた追加減産がなされることを期待していたのだが、まさか今までの減産も破棄されることになろうとは。
一応18日に実務者レベルでの会合が開かれる予定とのことではあるが、次回のOPECプラス会合は上記の様に決まっていないので、4月以降は減産そのものが無くなることになるだろう。
そして、プーチン大統領がサウジ首脳と会談する予定は当面ない、としていることから首脳レベルの会談で協調減産体制が復活する可能性もほぼ無いだろう。
ロシアやその他国の思惑に関しては、各種報道がなされているがここでは割愛し、事実として上記の様な結果に終わったという事に留めておく。そもそも世界最大の産油国の一つであるアメリカもOPECプラスには加盟しておらず、いろいろ思惑があるのだろう。
結果原油先物価格は、
9.43%の下落。先月に原油先物価格が50ドル割れしたまとめをした際の価格は47.76ドルだったのだが。ちなみに過去1年のチャートは以下。
これを受けてエクソン・モービルの株価は、
47.69ドルと遂に50ドルを割ってしまった。
自分のエクソン株の状況は以下の通り。
先月に原油先物価格が50ドル割れしたまとめをした際は、
だったので、そこから10日も経たないうちに10%下落したことになる。ただ、通常考えれば酷い下落ではあるのだが、その他の銘柄も軒並み壊滅状態なので、その程度が今一つピンとこない(感覚がマヒしてしまっている)。
この株価下落を受けて、エクソン株の税引前配当率は約7.3%。これはダウ工業平均の中で最も配当率の高い銘柄となってしまっている(ちなみに第2位も自分が所有しているダウ・インク(DOW)の7.26%)。これが業績好調で配当増をした結果ならいいのだが、単純に株価が下がって配当率が高くなっているだけだからなあ。
結論として今月3月の自分の定期購入からエクソン株は外すべきだろう。というよりこれはGE株などと並んで塩漬けになる可能性が高くなってきた…。