シティが米国外コンシューマー部門の一部売却検討(2021/2)

はじめに

昨日2021年2月19日の米国市場はダウ工業平均がほぼ変わらず、S&P 500が0.19%の下落、NASDAQが0.07%の上昇と全体的にフラットだったのだが、S&P 500の金融セクターは1%強の上昇となった。以下の様に主要米銀株も上昇している。

基本的には米国長期債の利回りが上昇したため

と思われるのだが、自分の主力株であるシティグループ(C)の上昇幅が大きいので確認してみたところ、掲題の報道がなされたため上昇したようだ。

以下にその報道の内容について確認し、整理しておく。


2021年2月19日のブルームバーグの報道

以下はブルームバーグの報道より引用・抜粋。

  • Citigroup Inc. is studying options for slimming down the firm’s sprawling international consumer operations as part of incoming Chief Executive Officer Jane Fraser’s efforts to simplify the bank.
    シティグループはJane Fraser次期最高経営責任者(CEO)の組織簡素化の取り組みの一環として、米国外のコンシューマー部門のスリム化を目指し選択肢を検討中です
  • The company is weighing divesting certain units across retail banking in the Asia-Pacific region, including those in South Korea, Thailand, the Philippines and Australia, according to people familiar with the matter.
    同社は、韓国、タイ、フィリピン、オーストラリアを含むアジア太平洋地域のリテールバンキング全体で特定のユニットを売却することを検討していると、この問題に詳しい人々は述べています
  • No decisions have been made, any divestitures could be spaced out over time and the New York-based firm could ultimately decide to keep all its existing international operations, said the people, who asked not to be identified discussing internal deliberations.
    決定はなされておらず、売却は時間をかけて間隔をあけられる可能性があり、ニューヨークに本拠を置く会社は最終的にすべての既存の国際事業を維持することを決定する可能性もあると、内部審議について特定されないように求めた人々は述べています
  • “As our incoming CEO Jane Fraser said in January, we are undertaking a dispassionate and thorough review of our strategy, including our mix of businesses and how they fit together,” Jennifer Lowney, a spokeswoman for the bank, said Friday in an emailed statement.
    銀行の広報担当Jennifer Lowney氏は金曜日に電子メールでの声明で、「次期CEOのJane Fraserが1月に述べたように、事業の組み合わせやそれらの組み合わせなど、戦略の冷静で徹底的な見直しを行っている」と述べました
  • “As you would expect, many different options are being considered and we will take the right amount of time before making any decisions.”
    「ご想像のとおり、様々なオプションが検討されており、決定を下す前に適切な時間を取ります」

「次期CEOのJane Fraserが1月に述べた」としているのは、2021年1月15日の2020年第4四半期決算発表でアナリストとのカンファレンスコールにおいて述べた方針を指している。

決算発表後のシティグループ株が大きく下落した(6.93%下落)ことに絡んで個人的感想として、

「今後の見通しに関してはアナリストとのカンファレンスコールでの次期最高経営責任者Jane Fraser氏の発言にやや不透明がある」

と書いていたのだが、今回の報道とシティの回答を見る限りその(非中核部門の売却も辞さない)方針に従って内部検討がなされているようだ。


まとめ

上記を踏まえて昨日のシティグループの株価の動きを見てみると、

開場後から前日比で上昇しているのは長期金利の上昇によるもので、15時半前から上昇しているのがブルームバーグの報道によるものと思われる。

報道前は前日比1.6~1.8%程度だったのが、報道を経て終値が3.62%上昇となっているので、やはり部門売却報道が昨日のシティ株の上昇に大きく寄与したようだ。

シティグループは2月25日に最高財務責任者(CFO)のMark Mason氏が2021 Credit Suisse Financial Services Forumで講演する予定であり、そこで新たな情報が開示されるかもしれないので講演の内容については注意しておくことにしよう。

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