はじめに
2021年2月11日の米国市場閉場後に自分が所有しているウォルト・ディズニー(DIS)の2021年第1四半期決算発表があった。
決算発表前に
2021年2月8日のディズニー(DIS)株約5%の上昇について
でまとめた際には190ドルを超える株価となったのだが、決算発表を受けてどうなったのか。以下に決算内容と株価について確認し整理しておく。
2021年第1四半期決算概要
以下は、ウォルト・ディズニーの企業サイトより引用・抜粋。
- 2021年第1四半期の売上高(Revenues)は162億4900万ドル、前年同期は208億7700万ドルで前年同期比22%の減少
- 2021年第1四半期の特定項目を除く一株当たり利益(Diluted EPS excluding certain items)は0.32ドル、前年同期は1.53ドルで前年同期比79%の減少
2021年第1四半期の各事業セグメントごとの売上(Revenues)、営業利益/損失(operating income/loss)は以下の通り。
また今四半期から
ディズニー(DIS)の組織再編と配当(2020/10/13)
でまとめた様に主要部門が以前の
- Media Networks
- Parks, Experiences and Products
- Studio Entertainment
- Direct-to-Consumer & International
だったのが今四半期から
- Disney Media and Entertainment Distribution(以前の1、3、4)
- Disney Parks, Experiences and Products(以前の2)
の2部門になっている。
Disney Media and Entertainment Distribution
Disney Media and Entertainment Distributionの売上は前年比4.8%減の126億6100万ドル、営業利益は前年比2%減の14億5100万ドル。
内訳は以下の通り。
Content Sales/Licensing and Otherの落ち込みが大きいが、これはCOVID-19による映画館の閉鎖、制限のため。
一方でDirect-to-Consumerが大きく伸びているのはHulu、ディズニー・プラス、ESPN+が大きく貢献したため。
以下はディズニー・プラス、ESPN+、Huluの2021年第1四半期末有料視聴者数と月平均利用額。
【有料視聴者数(単位100万)】
ディズニー・プラスの加入者数は9490万人。前四半期は7370万人だったので約2000万増加している。その他サービスも軒並み前年比プラスとなっている。
【月平均利用額】
ディズニー・プラスの利用額が減少しているのは主にバンドルサブスクリプションパッケージの提供によるものとしている。
Disney Parks, Experiences and Products
Disney Parks, Experiences and Productsの売上は前年比52.2%減の35億8800万ドル、営業利益は1億1900万ドルの損失。
内訳は以下の通り。
容易に想像できる通りCOVID-19によるテーマパークの閉鎖・制限が影響している。COVID-19による影響が営業利益に約26億ドルあったとしている。
見通しの具体的な言及は資料、アナリストとのカンファレンスコールでも特になし。
市場予測との比較
今回の主な決算内容と市場予想とを比べてみると、
- 2021年第1四半期の売上高(Revenues)は162億4900万ドル、市場予想の159億3000万ドルを上回っている
- 2021年第1四半期の特定項目を除く一株当たり利益(Diluted EPS excluding certain items)は0.32ドル、市場予想は0.41ドルの損失
となっている。
まとめ
上記決算発表を受けてウォルト・ディズニーの株価は、
1.7%の下落。同日のダウ工業平均が0.09%、S&P 500が0.47%、NASDAQが0.50%それぞれ上昇したのに比べて見劣りする株価の動きとなった。
決算内容と市場予想からすると上昇してもおかしくないと思われる。実際に開場直後は
一時193ドルと最高値を更新している。2月11日米国市場閉場後の決算発表を受けて、2月12日に複数のアナリストが投資格付けの更新を行っているのだが、
いずれも強気の姿勢を維持。株価が下がったのは決算を受けての利益確定が多かったのだろうか。
決算内容自体は悪くなかったと思うので、COVID-19の悪影響から劇場/映画、テーマパークが抜け出せば株価は更に上昇するのではないかと個人的には思うのだがどうなるか。