はじめに
昨日に遅ればせながらまとめた自分が所有しているワーナーブラザース・ディスカバリー(WBD)の2024年第3四半期決算のまとめの中で、決算後の動きとして11月17日(日)に問題となっていたNBAの放映権に対して和解が成立したとウォール・ストリート・ジャーナル誌が報じていたことについては触たのだが、翌11月18日(月)にワーナーブラザースとNBAが和解に合意したとの発表が正式にあった。
以下、合意の内容と共にワーナーブラザースの株価についてもに確認しておく。
ワーナーブラザース・ディスカバリーとNBAの放映権に関する合意内容
以下はワーナーブラザース・ディスカバリーの企業サイトより引用・抜粋。
- 全米プロバスケットボール協会(NBA)とワーナーブラザース・ディスカバリー(WBD)は、長年にわたるメディアパートナーシップをさらに11年間延長する契約を締結しました
- 契約条件に従い、NBAとワーナーブラザース・ディスカバリーは、NBAコンテンツの宣伝、TNTスポーツとその主要スポーツデジタルブランドであるブリーチャー・レポートおよびハウス・オブ・ハイライトの世界的な成長の加速化など、いくつかの要素を含むビジネスパートナーシップを拡大します
- 契約には、NBAとTNTスポーツ間のNBAデジタルパートナーシップの再構築と強化、米国外のいくつかの地域でのライブゲーム権利の完全なパッケージも含まれており、WBDのグローバルポートフォリオを強化します
- WBDとNBAはNBAの最近のメディア契約に関連するすべての紛争を解決しました
- この契約と同時に、WBDと(ディズニー傘下の)ESPNは革新的なパートナーシップを結ぶことに合意しました。TNTスポーツは引き続きエミー賞受賞歴のあるInside the NBAの完全な制作とプロデュースを行い、そのスタジオショーは2025-26シーズンから、レギュラーシーズンとNBAプレーオフがESPNとABCで配信されます
- WBDとESPNの契約に伴い、TNTスポーツは2025年シーズンからBig 12のフットボール(シーズンごとに13試合)と男子バスケットボール(シーズンごとに15試合)の独占放送を行う予定です
- さらにWBDは今後11年間、北欧諸国、ポーランド、ラテンアメリカ(ブラジルとメキシコを除く)におけるNBAの試合の生中継権も付与されています
WBDはTNTスポーツ、ブリーチャー・リポート、ハウス・オブ・ハイライトでNBAのコンテンツを使用する権利や、一部海外でのライブ放映権はあるが肝心の北米でのライブ放映権は契約に含まれていないため、TNTスポーツが40年以上続けてきたリーグ戦の北米ライブ放映は現在のシーズン(2024-25)限りで終了することになる。
同日のワーナーブラザース・ディスカバリー株価
この発表を受けてのワーナーブラザース・ディスカバリー株は
前日比2.71%の上昇。同日の米国市場
に比べると上昇はそこそこな気がするが、同業他社が
いずれもマイナスに沈んでいることを差し引くとかなりの上昇と言える。
まとめ
冒頭に記したワーナーブラザース・ディスカバリーの2024年第3四半期決算まとめの中では、決算後の先週11月15日(金)の大幅下落(理由は不明)とNBAとの和解報道が気になっており、
「週末の11月17日(日)には問題となっていたNBAの放映権に対して和解が成立したとウォール・ストリート・ジャーナル誌が報じており、それも含めて11月15日(金)の株価大幅下落が一時的なもので終わるのかどうかが注目される。」
と書いていたのだが、ひとまず今回のWBDとNBAの合意は市場にポジティブに受け止められたようだ。北米のでライブ放映権はないものの、NBA資産を今後11年間引き続き参加のTNTスポーツで利用できることが評価されたのだろうか。ただ個人的には1日でこの合意が株価に反映されたとは思えないので、アナリストのアップデートの有無に注意しておきたい。
とりあえずNBAとの訴訟というワーナーブラザースの懸念材料の一つは消えた訳だが、上に挙げた様に同業他社は11月15日(金)、18日(月)と下落傾向にある(ディズニーは金曜日は上昇)ので、それがいつまで続くのかが目下の懸念材料。トランプ次期米大統領が連邦通信委員会(FCC)委員長に起用するBrendan Carr氏の影響かもしれないが、自信をもってそれが原因とも言えないのでしばらくはワーナーブラザース含めた業界の動向を気にかけていきたい。