はじめに
2023年9月1日(金)の米国市場は
やや動きはあったものの最終的には前日比でほぼ変わらず。
そんな中で目を引いたのは自分の所有しているケーブル関連会社の下落。
【チャーター・コミュニケーションズ】
【ウォルト・ディズニー】
【ワーナーブラザース・ディスカバリー】
最初はワーナーブラザースに投資格付けアップデートなどで何らかのマイナス情報があったのかと思ったのだが、確認してみると掲題の通りチャーター・コミュニケーションズとディズニーの交渉が不調となった事がワーナーブラザースにも波及したらしい。
以下上記3銘柄の株価下落の要因について確認しておくことにする。
2023年9月1日のチャーター・コミュニケーションズ発表資料
以下は9月1日の米国市場取引前に発表されたプレゼンテーション及びカンファレンスコールより引用・抜粋。
【現状】
- ケーブルTVにおける従来の(パッケージ化された)モデルは顧客のニーズに合致しておらず高過ぎる
- 結果として顧客はここ数年数年従来のケーブルTVから離れている
- チャーターはディズニーに対して新たなモデル(消費者が支払うチャンネルを選択するためより多くの選択肢を与える)を提案したが、ディズニーは受け入れなかった
- 結果8月31日からディズニーはESPNやABCを含むディズニーのケーブルチャンネルがチャーターのケーブルTV Spectrumで放映されるのをブロックしている
この後に従来のモデル(Video Ecosystem)を「Video Ecosystem is Broken(ビデオエコシステムは破綻している)」というスライドで説明したり、チャーターの提唱するモデルやディズニーとの交渉ポイント、今後の影響やゴールなどを説明している。
ワーナーブラザースが大きく下落した理由
あくまでチャーターとディズニーの交渉が不調に終わっただけでワーナーブラザースには直接の関与はないのだが、直近のワーナーの決算を見ると利益の大部分をケーブルTVが含まれるNetwork Segmentがあげており、今後同様の事態が発生した場合のワーナーへの影響度合いが大きいことが嫌忌されたのだろう。
まとめ
基本的にはチャーター・コミュニケーションズの発表でありディズニーがどう考えているのかは分からず、今後の具体的なスケジュールなども明確ではなくどう決着がつくのかは不明。
ただ先に挙げた様にチャーターは「Video Ecosystem is Broken(ビデオエコシステムは破綻している)」と強い言葉を使っており、今後のケーブルTV業界に与える影響は大きい可能性もある。いずれにせよしばらくは交渉の行方やアナリストの分析等に気を付けていくことにしたい。
それにしてもチャーターとディズニーの交渉決裂が、当事者でないワーナーブラザースの株価に10%以上の下落をもたらすとはなあ。映画「Barbie」の全世界興行収入がワーナーブラザース配給作品の史上最高額を更新したという発表もあり(従来はHarry Potter and the Deathly Hallows Part2)、やや上昇が続いていただけに今回の下落はショック。脚本家/俳優のストライキも続いている状況も考えると、残念ながらワーナーブラザースにはしばらく株価回復は期待できないだろう。