はじめに

2024年2月6日（水）には自分の所有銘柄であるGEヘルスケア・テクノロジーズ（GEHC）の2023年第4四半期決算発表があった。

前回2023年第3四半期決算では好調な決算結果を受けて5％超上昇し

「今後のGEHC株だが、今回の決算を受けて上昇傾向に転じることが出来るのかに注目。個人的にはカンファレンスコールでは特に悪材料が見受けられなかったので、やや期待できそうな気もするのだがどうなるだろうか。」

と書いていたのだが、今回の決算とそれを受けての株価はどうだったのか。以下内容を確認し、整理しておく。

GEHC2023年第4四半期決算概要

以下の内容は、GEヘルスケア・テクノロジーズの企業サイトより引用・抜粋。

2023年第4四半期の総売上高（Total Revenues）は52億600万ドル、前年同期は49億3800万ドルで前年同期比5%の増加

2023年第4四半期の継続事業ベース希薄化一株あたり利益（Diluted EPS – continuing operations）は0.88ドル、前年同期は1.21ドルで前年同期比27.3%の減少
2023年第4四半期の調整後一株あたり利益（Adjusted EPS）は1.18ドル、前年同期は1.31ドルで前年同期比9.9%の減少
2023年第4四半期のスタンドアロンベース調整後一株あたり利益（Standalone Adjusted EPS）は1.18ドル、前年同期は1.06ドルで前年同期比11.3%の増加

継続事業ベースのEPSが前年比で減少となっているのは、GEからの分離後の支払い利息の影響によるもの。

2023年第4四半期のフリーキャッシュフロー（純現金収支・Free Cash Flow）は9億5600万ドル、前年同期は9億8700万ドルで前年同期比3%の減少

事業部別業績

【Imaging（イメージング）】

売上は28億3000万ドルで前年同期比4％増加（既存事業ベース）、EBIT（Earnings Before Interest and Taxes：利息及び税金引き前利益）は3億3700万ドルで前年同期比5％増加、EBITマージンは11.9%で前年同期は11.8%。

【Ultrasound（超音波）】

売上は9億4400万ドルで前年同期比2％減少（既存事業ベース）、EBIT（Earnings Before Interest and Taxes：利息及び税金引き前利益）は2億4400万ドルで前年同期比14％減少、EBITマージンは25.8%で前年同期は29.8%。

【Patient Care Solutions（患者ケアソリューション）】

売上は8億2700万ドルで前年同期比4％増加（既存事業ベース）、EBIT（Earnings Before Interest and Taxes：利息及び税金引き前利益）は1億1000万ドルで前年同期比15％減少、EBITマージンは13.3%で前年同期は16.5%。

【Pharmaceutical Diagnostics（医薬品診断）】

売上は5億9100万ドルで前年同期比23％増加（既存事業ベース）、EBIT（Earnings Before Interest and Taxes：利息及び税金引き前利益）は1億4400万ドルで前年同期比32％増加、EBITマージンは24.4%で前年同期は23.0%。

2024年通期見通し

2024年の通期見通しは以下の通り。

既存事業成長率（Organic Growth）：約4％
Adjusted EBITマージン：15.6～15.9%
Adjusted ETR（Effective Tax Rate）：23～25%
Adjusted EPS：4.20～4.35ドル
Free cash flow：～18億ドル

その他

その他決算発表及びアナリストとのカンファレンスコールで気になった点は以下の通り。

2023年第4四半期に8億5000万ドルの負債を返済し、その後1月に1億5000万ドルを返済
第1四半期は既存事業前年比成長率と調整後EBITマージンが今年最低になると予想
2024年は上半期より下半期の方が好調になると想定

市場予測との比較

2023年第4四半期の総売上高（Total Revenues）は52億600万ドル、市場予想の50億9000万ドルを上回っている
2023年第4四半期の調整後一株あたり利益（Adjusted EPS）は1.18ドル、市場予想の1.07ドルを上回っている
2024年通期の調整後EPS見通しは4.20～4.35ドル、市場予想の平均値は4.22ドル

まとめ

上記の様な決算を受けてGEヘルスケアの株価は

前日比11.65%の上昇。同日の米国市場が

前日とほぼ変わらずだったのと比べてGEヘルスケアの上昇は際立っている。調整後一株あたり利益が市場予想を大きく上回り、2024年通年の見通しも市場予想平均より高くなっているが好感されたのだろうか。

前回決算を含めたGEヘルスヘアの株価推移を見てみると

冒頭の前四半期決算時の期待通りにはいかず11月27日に大幅下落している。これはUBSが投資格付けをNeutralからSell、目標株価を86ドルから66ドルに引き下げた影響。これにより一時低迷したもののその期間は僅かで、結局今回決算前までは市場（S&P 500）よりやや劣る程度のパフォーマンスであった。そして決算を受けて市場を上回り、その後も上昇の反動は特にない状況。

こうした点を踏まえると今後のGEヘルスケアは、引き続き堅調な株価推移が期待できそうではある。ただカンファレンスコールで第1四半期は既存事業前年比成長率と調整後EBITマージンが今年最低になるとの発言があったため、実際の第1四半期決算がどの程度になるかが不安材料。何とか悪くとも市場予想の範囲に収まってくれると良いのだが。