2023年8月のOPECプラス会合結果(2023/8)

はじめに

2023年8月4日(金)にはOPECプラスの会合が行われた。

今回は閣僚級会合(OPEC and non-OPEC Ministerial Meeting。前回は6月)ではなく、現在2ヶ月に一度開催されている共同閣僚監視委員会(JMMC:Joint Ministerial Monitoring Committee)となる。ただし2023年4月にはその会合で予想外の追加協調減産が発表されており、やはり注意が必要ではある。

今回のOPECプラス会合はどうなったのか。そしてそれを受けて原油価格及び自分が所有している原油価格に影響されやすいエクソン・モービル(XOM)株がどうなったかについて確認しておく。


2023年8月4日のOPECプラス会合及びその前後の原油関連情報まとめ

以下はOPECのサイト及び主にロイター、ブルームバーグの報道などより引用・抜粋。

【会合前】

  • 8月3日、国営サウジ通信がエネルギー省の関係筋の情報として、サウジアラビアが現在行っている日量100万バレルの自主減産を9月まで延長する方針と報道
  • 関係筋はOPECプラスによる石油市場の安定と均衡を支える取り組みの強化が狙いとした上で、自主減産が延長される、もしくは延長しかつ減産量を拡大する可能性があると発言
  • 8月3日、ロシアのノバク副首相が9月の原油輸出を日量30万バレル削減すると表明

【会合結果】

  • JMMCは2023年5月と6月の原油生産データを検討し、2024年末まで延長される協調減産に対する加盟国の約束を再確認
  • 委員会はすべての参加国に対し、協調減産への完全な適合を達成と補償メカニズムを遵守するよう求めた
  • 委員会は、OPECと参加非OPEC産油国の強い結束を基盤として市場の動向に対処し、いつでも追加措置を講じる用意ができていることに留意しながら引き続き市場の状況を注意深く評価していく
  • また委員会は、石油市場の安定支援を目的としたサウジアラビア王国の努力に対する全面的な認識と支持を表明し、同王国による日量100万バレルの追加自主減産とそれを今月延長したことへの感謝の意を繰り返した
  • 委員会はまた、ロシアが9月に更に自主的に輸出を30万バレル削減したことを認めた
  • 次回JMCC会合は10月4日に予定

まとめ

今回の会合結果を含めた過去5日間のニューヨーク原油先物価格、エクソン・モービル(XOM)株、S&P 500の推移を見てみると

となっている。

8月3日にサウジアラビア、ロシアが減産を延長するとしたことを受けてニューヨーク原油先物とエクソン株は上昇。4日のOPECプラス会合は特に新しいニュースもなかったためか、エクソン株とS&P500は似たような動きとなっていた。

過去3ヶ月でみると

エクソン株はほぼ変わらずである一方、ニューヨーク原油先物は7月に入ってから上昇傾向となっている。昨年はエクソン株はニューヨーク原油先物との連動性が高かったイメージがあるが、ここ最近はエクソンの2023年第2四半期決算でも思ったが天然ガス価格が原油価格よりもエクソンの株価に色濃く反映されている気がする(天然ガス価格が前四半期に比べて40%下落したこともありエクソンの決算は振るわなかった)。

とはいえ原油先物価格がエクソン株に影響することは間違いないので、少なくとも協調減産が継続している間はOPECプラスの動向にこれまで通り注意しておきたい。

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