マクドナルド(MCD)2021年第4四半期決算(2022/1)

はじめに

2022年1月27日には自分が所有しているマクドナルド(MCD)の2021年第4四半期決算発表があった。以下にその結果・内容を整理しておく。


マクドナルド2021年第4四半期決算概要

以下の情報はマクドナルドの企業サイトより引用・抜粋。

  • 2021年第4四半期の総売上高(Total Revenues)は60億910万ドルで、前年同期比13%増加
  • 2021年第4四半期の純利益(Net Income)は16億3880万ドルで、前年同期比19%増加
  • 2021年第4四半期のGAAPベース希薄化後1株当たり利益(Earnings per share-Diluted)は2.18ドルで、前年同期比18%増加。Non-GAAPベースでは2.23ドルで、前年同期比31%増加

ただし気になるのはTotal operating costs and expenses(総営業コスト及び経費)が36億1200万ドルと前年同期から14%増加している点。

2021年第4四半期の既存店売上は以下の通り。

今四半期の米国既存店売上は前年比7.5%増。全体では12.3%増。

2022年通期見通し

2022年通期の見通しは以下の様になっている。

この中で気になるのはOperating margin(営業利益率)。low-to-mid 40% range(40%台前半から半ば)となっているが、これは2021年と同じ。


市場予測との比較

今回の主な決算内容と市場予想とを比べてみると、

  • 2021年第4四半期の総売上高(Total Revenues)は60億910万ドル、市場予想の60億3000万ドルを下回っている
  • 2021年第4四半期のNon-GAAPベース希薄化後1株当たり利益(Earnings per share-Diluted)は2.23ドル、市場予想の2.34ドルを下回っている
  • 2021年第4四半期の米国の既存店売上高は7.5%増、市場予想の6.8%増を上回っている
  • 2021年第4四半期の世界の既存店売上高は12.3%増、市場予想の10.7%増を上回っている

となっている。


まとめ

上記の様な決算内容を受けてのマクドナルドの株価は

0.44%の下落。同日の米国市場は

といずれもマイナスで最終的には市場と同程度。ただし開場直後は市場はプラスでスタートしたのに対してマクドナルドはマイナスで始まっていた点は異なっている。

決算発表後のマクドナルド株が下落したのは、やはり売上、一株当たり利益が市場予想に届かなかったことだろう。

売上の点ではアナリストとのカンファレンスコールでCOVID-19感染再拡大による政府規制が不確実性を高めているとしていた。特に中国の既存店売上高はを受けてマイナス(comps were negative for the quarter)だったのが大きい気がする(マクドルドにとって中国は米国に次いで2番目に大きい市場)。

一株当たり利益については、先述の通りTotal operating costs and expenses(総営業コスト及び経費)が増加した点が大きいのだろう。主にサプライチェーンの混乱に伴う調達費用拡大や賃金引き上げ、インフレーションなどの影響としている。アナリストとのカンファレンスコール中での質疑の中で財務最高責任者(CFO)のKevin M. Ozan氏が

  • It is fair to say to your point that there is commodity pressure going into 2022.
    あなたの指摘通り2022年に入っても商品上昇圧力は続くと言ってもいいでしょう

と述べており、一例として

  • in the US, our food and paper costs were up about 4% for the year. If we look forward to 2022, our expectation is that will be about double or in high-single digits increases for 2022
    米国では食料と紙のコストは年間で約4%増加しました。2022年については我々は2022年には約2倍または1桁台後半の増加になると予想しています

と挙げていることからも、この状況は2022年も続く可能性が高い。とはいえマクドナルド株が大きく下落しなかったのはそれ程悪くはない結果だったと言えるだろう。費用がインフレーションなどの影響で増加すると見ていても、上記の様にカンファレンスコールでの質疑である程度具体的な影響を盛り込んだ上で通年のOperating margin(営業利益率)を2021年と変わらずとしている点が評価されたのかもしれない。

年初来のマクドナルド株を見てみると

下落傾向が続いているのだが、市場(S&P 500)と比較してみると

市場と同様の動きでありその下落幅は市場よりはマシ。過去1年の株価推移を見ても

概ね市場と同等のパフォーマンスであり、自分が所有している銘柄の中ではマクドナルド株は底堅いと言える。逆に今後も大きな上昇も見込めないのだろうが、このまま市場に近い形で安定して推移しれくれれば配当金生活に入っている自分としてはありがたいのだがなあ。

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