フィリップ・モリス2022年第4四半期決算(2023/2)

はじめに

2023年2月9日(木)には自分の所有銘柄の一つであるフィリップ・モリス(PM)の2022年第4四半期決算発表があった。

前回の四半期決算発表以降はフィリップ・モリスの情報を確認していなかったが、それが大したアップデートが無かったためなのか、単なる自分の手抜きだったのか。

前者であることを願いつつ、以下にフィリップ・モリスの決算内容を確認し整理しておく。


フィリップ・モリス2022年第4四半期決算発表概要

以下の情報は、フィリップ・モリス・インターナショナルのサイトより引用・抜粋。

  • 2022年第4四半期の純収入(Net Revenues)は81億5200万ドルで、為替や買収を除いて前年同期比7.5%増加
  • 2022年第4四半期の調整後営業利益(Adjusted Operating income)は29億7600万ドルで、為替や買収を除いて前年同期比7.5%増加

  • 2022年第4四半期の調整後希薄化1株あたり純利益(Adjusted Diluted EPS)は1.39ドルで前年同期比1.5%増加。為替の影響を除くと15.3%増加

  • 2022年第4四半期のタバコ製品(Cigarettes)と加熱式タバコ製品(Heated Tobacco Units)の出荷量は、タバコ製品が前年同期比2.8%の減少、加熱式タバコ製品が前年同期比26.1%の増加。トータルでの出荷量は1.2%の増加

2023年通期見通し

2023年通期の見通しは以下の通り。

  • HTU Shipment Volumes(加熱式タバコ出荷量):1250~1300億ユニット
  • Net Revenue Growth(既存事業成長率):7.0~8.5%
  • Adj. OI Margin Contraction(調整後営業利益減少率):マイナス150~50bps
  • Adj. Diluted EPS Growth(調整後希薄化1株あたり利益成長率):7~9%
  • Adj. Diluted EPS, ex-currency(為替の影響を除く調整後希薄化1株あたり利益):6.40~6.52ドル

OI(Operating Income) Marginの減少を見込んでいるのは、主にインフレやILUMA(IQOS)の展開に要する費用のためとしている。

2023年第1四半期の見通しは以下の通り。

  • Adjusted Diluted EPS(調整後希薄化1株あたり利益):1.28~1.33ドル(為替の影響含む。為替の悪影響が0.10ドル)

2023年第1四半期は最も弱い期と見込まれるとのこと。

その他

その他決算発表及びアナリストとのカンファレンスコールで気になった点は以下の通り。

  • Swedish Match関連
    • 2022年11月11日にPMIの完全所有子会社であるPhilip Morris Holland Holdings B.V.(PMHH)がSwedish Matchの発行済株式総数の85.87%を取得
    • 2022年11月28日にPMHHはSwedish Matchの株式93.11%を取得し、スウェーデン会社法に基づく強制償還を開始して会社の残りの全株式を取得することとナスダック・ストックホルムからSwedish Match株の上場廃止を目指すことを発表
    • 2022年12月16日に強制償還プロセスが開始
    • 2022年12月30日にSwedish Match株はナスダック・ストックホルムから上場廃止。その時点でPMHHは同社の株式94.81%を所有
    • 2022年11月11日から2022年12月31日までのSwedish Matchの業績はフィリップ・モリスの連結損益計算書に含まれる
  • Region Structureの変更
    • 2022年11月28日に地域分けを現行の6地域から4地域へ変更することを発表
    • 新しい地域オペレーションへの変更は2023年1月に完了
    • 2023年第1四半期より新しい地域分けに基づいて決算を発表
  • KT&Gとの提携
    • 2023年1月30日、フィリップ・モリスは韓国を代表するタバコ/ニコチンメーカーであるKT&Gとの長期的な協力関係を発表し、KT&Gの無煙デバイス及び消耗品を勧告を除く世界中で排他的に商品化
    • この契約は2038年1月29日までの15年間が対象で3年ごとに確認
  • ウクライナ関連
    • 2022年12月31日時点でウクライナにおける総資産は会社間取引残高(intercompany balances)を除いて約6億ドル
    • 2022年12月31日時点でロシアにおける総資産は会社間取引残高を除いて約25億ドル。うち6億ドルは現地通貨の現金及び現金同等物

市場予想との比較

今回の主な決算内容と市場予想とを比べてみると、

  • 2022年第4四半期の純収入(Net Revenues)は81億5200万ドルで、市場予想の75億8000万ドルを上回っている
  • 2022年第4四半期の調整後希薄化1株あたり純利益(Adjusted Diluted EPS)は1.39ドルで、市場予想の1.24ドルを上回っている

となっている。


まとめ

上記の様な決算内容を受けてフィリップ・モリス株は

0.72%上昇。同日の米国市場が

右肩下がりで下落した事を考えるとまずまず決算内容が評価されたのだろう。

前四半期決算2022年10月20日(木)からの推移を見てみると

約20%程上昇しておりS&P 500を上回るパフォーマンスとなっている。

第1四半期が2023年で最も弱い期となるとしている点が気に掛かるが、旧来の紙巻きタバコからの移行も買収や提携等により進んでいるように見受けられ、中長期的に見れば堅調な業績・株価が見込めるような気がする。何とか2023年第1四半期も見込みを覆すような決算結果となって欲しいものだ。

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