はじめに
2022年8月4日には9月の生産量を決定するOPECプラスの閣僚級会合が行われた。
7月29日には自分が所有しているエクソン・モービルの2022年第2四半期決算発表が行われ、原油価格高に支えられて好業績だったのだが、エクソンの第3四半期業績にも影響を与えるであろう今回のOPECプラス会合結果はどうだったのか以下に内容を確認し整理しておく。
2022年8月3日のOPECプラス会合まとめ
以下は主にロイター、ブルームバーグの報道などより引用・抜粋。
【会合前】
- 7月16日にバイデン米大統領がサウジアラビアのムハンマド王太子と会談するも石油増産の確約は得られず
- 7月末ロイターが、OPECプラスが8月の会合で米国から供給増の要望が出ているにもかかわらず9月の生産水準を現状維持とする方向で検討するほか、小幅の増産も議論されそうだと報じる
- 8月1日米FOXビジネスの記者がサウジアラビアが8月のOPECプラスで増産を働きかける見通しとツイッターに投稿
- 8月2日OPECプラスの合同専門委員会(JTC)が、2022年の供給過剰見通しを日量約20万バレル引き下げ80万バレルとした
【会合結果】
- OPECプラスは3日の閣僚級会合で9月の供給を日量10万バレル引き上げることで合意
- 日量10万バレルの増産は1982年の生産割り当て開始以来で最小の増産幅の一つ
- OPECプラスの次回会合は9月5日予定
【その他】
- ロシアのエネルギー問題を担当するノバク副首相は国営ロシア24テレビとのインタビューで、新型コロナウイルスの変異株やロシア産原油に対する制限措置など、「市場には考慮する必要がある不確実性がある」と述べ「従って今回は慎重な決断になった」と説明。またロシアとサウジアラビアは10月に政府間会合を開催するとした
- 同日8月3日に米エネルギー情報局(EIA)から発表された週次石油在庫統計では原油在庫が前週比プラス446.7万バレルで市場予想はマイナス60万バレル、ガソリン在庫が前週比プラス16.3万バレルで市場予想はマイナス160万バレルと予想外に米国の在庫が増加
まとめ
2022年8月のOPECプラス会合は事前の報道では9月の生産を現状維持とするのか増産とするのか明確な方向が分からない状況だったが、結果として10万バレルの小幅増産となった。また同日には米エネルギー情報局(EIA)が週次石油在庫統計を発表しているが、こちらは予想外に米国の石油在庫は増加していた。
そのような状況を受けて昨日のニューヨーク原油先物価格を見てみると
8時前後に上昇しているのはOPECプラスの会合の結果、9月の増産幅が極めて小幅に留まり供給不足の懸念を反映したと思われるが、その後発表された米国の石油在庫が予想以上に多かったため下落に転じている。今後の米国の週次石油在庫統計が落ち着くようだと原油価格も安定するのかもしれない。
この様な状況を受けて昨日のエクソン・モービル株は市場が上昇したにもかかわらず大きく下落。
米国での原油高/インフレ懸念が和らげばエクソン株が下落しても、他の自分が所有している銘柄に影響するエネルギーコストが安価になる事で業績・株価改善が期待できるので、自分にとって原油高が良いのか悪いのかは一概に判断できない。何とか原油需給のバランスを上手くとって自分の所有銘柄全体で最適になって欲しいところだがどうなるか。取り合えず自分のポートフォリオの中にエクソン株がある事で、今年の原油価格上昇における影響が幾分か分散されている事を良しとすべきだろう。