ゼネラル・エレクトリック(GE)2019年第1四半期決算発表

はじめに

昨日はゼネラル・エレクトリック(GE)の第1四半期決算発表があったのだが、それに伴い株価は約4.5%の上昇。

2019年4月8日にJPモルガンのアナリスト、スティーブン・ツサ氏が米ゼネラル・エレクトリック(GE)の投資判断を引き下げてから20日程しか経っていないのだが、何か今後の見通しに影響があったのか。


第1四半期決算発表の概要

以下はロイターの記事より引用・抜粋。

  • 米ゼネラル・エレクトリック(GE)が30日発表した第1四半期決算は、利益が市場予想を上回り、キャッシュフローが予想よりも小幅な減少にとどまった
  • 第1四半期の継続事業ベース利益は、前年同期比で3倍増超となった
  • 航空機エンジン、石油・ガス、ヘルスケアの各部門が増収となり、業績押し上げに寄与した
  • 継続事業ベースの株主帰属利益は9億5400万ドルで、前年同期の2億6100万ドルから拡大
  • 継続事業ベースの1株利益も0.11ドルと、前年同期の0.03ドルから増加した
  • 調整後の1株利益は0.14ドルで、アナリスト予想の0.09ドルを上回った
  • 総売上高は2%減の272億9000万ドル。ただ、予想の270億5000万ドルは上回った
  • インダストリアル事業のキャッシュフローはマイナス12億ドルで、アナリスト予想のマイナス21億6000万ドルよりも小幅な減少にとどまった
  • キャッシュフローの下支えをしたのは主に輸送部門の売却益だった。GEは鉄道車両エンジンなどを製造する輸送部門を29億ドルで米鉄道用部品メーカーのワブテック(WAB)に売却した
  • 電力部門は利益が71%減の8000万ドル、売上高は22%減の57億ドル。受注は14%減だった
  • またGEが今後の中核事業と位置付ける航空機エンジン、電力、再生可能エネルギーの各部門の利益率は軒並み低下した
  • 通年の業績見通しは据え置き。ボーイング(BA)737MAX機の世界的な運航停止がGEにとって「新たなリスク」になると指摘した

まとめ

昨日の第1四半期決算発表を見てみると、GEの株価が一日で4.5%も上昇した理由がよく分からないというのが正直なところ。

確かに上に挙げた数字や下記のGEが公表しているレポートの数字は前年同期比では改善している。

とはいえ、アナリストの予想を上回った事が株価の上昇に寄与しただけで、色々な課題はまだまだ残っている様な気が個人的にはする。

カルプCEOも同日のアナリスト向けカンファレンス・コールの中で”One quarter is a data point not a trend”(1四半期はトレンドではなく、データポイントに過ぎない)とし、 キャッシュフローの改善も“principally driven by timing”(主にタイミングによって決定される)と述べている。

通年の業績見通しも据え置き(2019 guidance remains unchanged)であるし、新たなリスクとしてボーイング(BA)737MAX機の世界的な運航停止も挙げている(Boeing 737 MAX a new risk)。なぜボーイング737MAXをGEにとってのリスクとして挙げているかと言うと、737MAX8型機のエンジン「LEAP-1B」は、GEとフランスのサフランの合弁会社であるCFMインターナショナルが製造しているため。

直近1ヶ月のGEの株価チャートは以下の通り。

4月8日にツサ氏のDowngradeで大きく下がっていた分を、今回の四半期決算発表を受けて戻った感じになっており、1ヶ月という期間で見れば株価はそれほど変わっていないことになる。

個人的には所有しているGEが2万3000ドルのマイナス、取得価額比マイナス37%(2019年4月末)なので、上に書いたような自分が気にしているポイントが外れて株価が上がってくれた方がいいのだが…。

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