はじめに
2022年2月10日には自分の所有しているケロッグ(K)の2021年第4四半期決算発表があった。
ケロッグについては決算発表の少し前1月31日にアナリストの投資格付けアップデートでネガティブな評価をされていたのだが、実際の決算内容及びそれを受けての株価はどうなったのか。
以下ケロッグの第4四半期決算内容について確認・整理しておく。
ケロッグ2021年第4四半期決算概要
以下の情報はケロッグの企業サイトより引用・抜粋。
- 2021年第4四半期の総売上高(Reported Net Sales)は34億2200万ドル、前年同期は34億6400万ドルで前年同期比1.3%減少
- 2021年第4四半期の一時項目を除く1株あたり利益(Adjusted Diluted EPS)は0.83ドル、前年同期は0.86ドルで前年同期比3.5%減少
- 2021年第4四半期の純利益(Net income attributable to Kellogg Company)は4億3300万ドル、前年同期は2億500万ドル
2022年通期見通し
2022年通期見通しは以下の通り。
- Net Sales(売上、既存事業ベース):~3%
- Operating Profit(営業利益):+1-2%
- Earnings Per Share(EPS、調整後恒常為替ベース):+1-2%
- Cash Flow:11億ドル~12億ドル
気になるのはこれとは別に2022年見通しの想定としてコストインフレの加速(Accelerated cost inflation)を挙げており、年間で2桁になるとしている点(Market-driven gross cost inflation at +DD for year)。
また米国の4穀物工場における12週間のストライキにより高い賃金で一時労働者を雇用した事と12月に発生した工場火災が、2022年第1四半期のコスト及び上半期の在庫に影響が及ぶとしている。
市場予測との比較
今回の主な決算内容と市場予想とを比べてみると、
- 2021年第4四半期の総売上高(Reported Net Sales)は34億2200万ドル、市場予想の33億9000万ドルを上回っている
- 2021年第4四半期の一時項目を除く1株あたり利益(Adjusted Diluted EPS)は0.83ドル、市場予想の0.79ドルを上回っている
となっている。
まとめ
上記の様な決算内容を受けてのケロッグの株価は
3.11%の上昇。同日の米国市場が
同日に発表された1月の米消費者物価指数(CPI)が前年同月比7.5%(市場予想7.3%)と40年ぶりの上昇率だったこともあり軒並み大幅下落だったことを加味するとかなりの上昇であり、先に挙げた1月末のアナリストのネガティブな評価があっただけに予想外の好結果となった。
営業利益(Reported Operating Profit)が前年同期比で14.7%減少しているのが気になったものの純利益(Net income attributable to Kellogg Company)は前年同期比倍増し、売上や一株当たり利益も市場予想を上回っている点が評価されたようだ。
ケロッグの過去半年の株価推移を市場(S&P 500)と比べてみると
市場と特に連動している様子もなく方向感に乏しい動きで、結果としては市場と同程度のパフォーマンスとなっており、今後の株価がどうなるかは判断しづらい。
ただこの決算を受けてJPMorganのアナリストKen Goldman氏が決算発表翌日の2月11日に投資格付けをアップデートしているので、以下に簡単にまとめておく。
JPMorganのアナリストKen Goldman氏のケロッグ投資格付けアップデート
投資格付け:NeutralからUnderweightに下方修正
目標株価:64ドルから57ドルに下方修正
以下はKen Goldman氏の投資格付けアップデートの要旨。
- 2022年の通期見通しでEarnings Per Share(EPS、調整後恒常為替ベース)を+1-2%としているのはアグレッシブ過ぎる
- ケロッグのEBITDAに対する企業価値は、成長の可能性が限られており利益率が平均を下回っている(limited growth potential and below-average margins)事を考えると少し高め(bit elevated)である
ただし2月11日の市場がウクライナ情勢の懸念から
2月10日に続いて大きく下落したのに対し、この投資格付け引き下げのアップデートがあったケロッグ株は
僅かながらも上昇している。2月11日はConsumer DefensiveセクターのPackaged Foodsが総じて上昇していたのでケロッグも投資格付け引き下げにも関わらず上昇したのかもしれない。