トランプ氏の2020年5月対中制裁の内容とその後(2020/6)

はじめに

先週5月27日に掲題に関して、

トランプ氏が香港治安法に関して今週対中制裁を示唆(2020/5)

という情報の整理をしたのだが、5月29日(金)に発表をしたので、その内容とそれ以降の動きについてまとめておく。


結局トランプ大統領の対応はどうだったのか

以下は5月29日のトランプ大統領の発言内容。

中国が香港の高度な自治に関する約束を破ったとし、香港国家安全法制定は香港や中国、世界にとって悲劇だと批判。「香港に対する優遇策を撤廃する措置を取る」とし、香港の自治の阻害に関与していると見なす人物に対し制裁措置を導入すると表明した。
米政府の対応は犯罪人引き渡しから輸出規制にわたる「香港を巡る広範な合意」が対象で、「例外はほとんどない」と指摘。「米国の措置は力強く、意味があるものとなる」と語った。

ただ、こうした措置を実施する期限は示していない。


市場の反応

上記のトランプ大統領の発言を受けて市場はどうだったかというと29日のダウ平均は小幅安、S&P 500は小幅高で終了。どうも市場はトランプ氏が、米中の「第1段階」通商合意を損なうような発言まで踏み込まなかったことに一定の安心をしたようだ。


その後の動き

トランプ大統領の発言を受けての米中に関する報道は以下の通り。

5月30日:

■人民日報系の環球時報は、トランプ米大統領が示した香港に対する優遇措置を撤廃する方針について、「無謀で恣意的な」措置と非難

5月31日:

■中国共産党機関紙、人民日報は米国による対抗措置は中国よりも米国に大きな打撃をもたらすと警告。論評記事で「米国が振りかざす制裁という名のこん棒は、香港を怖がらせたり中国を打ち負かすことはない」とした
■人民日報系の環球時報は「中国は既に最悪事態に備えている。米国がどこまで行こうとも、中国は付いていく」と警告

■香港政府の報道官は、米国が引き続き、国家安全保障を守るという中国当局の合法的な権利と義務に「汚名をかぶせ、悪者扱いしている」として遺憾の意を表した

6月1日:

■ 中国外務省の趙立堅報道官は、両国は相互協力で利益を得られる関係にあるが、中国は安全保障及び経済発展における自国の利益を断固として守る決意だと強調した。「公表された措置は中国の内政への著しい干渉であり、米中関係を損ない、双方に打撃を与える。中国は強く反対する」と主張。「中国の利益を損なう米国のいかなる発言、行動は中国の強力な反撃にあう」と述べた

■ロイターの報道によると、複数の関係筋は匿名を条件に、米国産のトウモロコシと綿の大規模な輸入がすでに保留されていることを明らかにし、トランプ政権が追加措置を導入すれば、中国政府は他の米農産品にも対応を拡大させる可能性があると指摘。「中国政府は、香港を巡る米政府の方針に対応し、大豆や豚肉などを含む米国産の主要農産品の大規模な輸入を停止するよう主要国有企業に要請した」と述べた。
一方、米国の貿易関係者らによると、中国の国営企業は1日、大豆類を最低18万トン購入した。出荷は10月か11月の予定で、この時期は米国産大豆が世界中で最も値ごろとなり、米国からの輸出がピークを迎えるという

6月2日:

■香港政府の林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官は2日の会見で、中国政府が香港国家安全法の制定を決定したことに対する外国政府の反応について、白人警官の暴行による黒人死亡事件を受けた抗議活動に対する米政府の対応を挙げながら、「ダブルスタンダード(二重規範)」と指摘

■米上院財政委員会のグラスリー委員長(共和党)は2日、最近の米中関係には対立が見受けられるものの、中国は「第1段階」の通商合意を順守する意向、という認識を示した。
グラスリー委員長は記者会見で「中国が長期的に合意を破ると考える理由はどこにもない」と指摘。ライトハイザー米通商代表部(USTR)代表自身から中国の劉鶴副首相との会談後、そうした見方を伝えられたとし、「心配していない」と述べた。
中国が米国産大豆と豚肉の購入を停止しても一時的であることに期待を示し、「私は中国が責任を果たすと確信している」と述べた。


まとめ

個人的にはこういった流れを受けて米国市場が大きく下落するのではと思っていたのだが、ダウ工業平均(紫はS&P 500)は以下の様にこのようなニュースとは逆に上昇している。

そのうえ米国内では黒人暴行死に端を発した抗議活動(暴動)が全米各地で行われている。

正直なぜこういった状況で市場が上昇しているのか自分には今一つよく理解できない。こういったことが自分には短期の投資センスはないなあ、と思う所。以前に

米国個別株を短期売買することの難しさ(あるいは自分のセンス無さ)

といったまとめをしているが、基本的にはそこから変わらず成長していない。

あまり気にし過ぎないで、市場の動きをあるがまま受け止めるのが無難なのだろうか。結果オーライではあるのだが、釈然としないなあ。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

コメントの入力は終了しました。