はじめに
2022年7月26日には自分が所有しているコカ・コーラ(KO)の2022年第2四半期決算発表があった。
以下決算の内容を確認し、整理しておく。
コカ・コーラ(KO)2022年第2四半期決算概要
以下の内容はコカ・コーラの企業サイトより引用・抜粋。
- 2022年第2四半期の純売上高(Net Operating Revenues)は113億2500万ドルで前年同期比12%増加
- 2022年第2四半期のNon-GAAPベースの比較可能な一時項目を除く1株当たり利益(Comparable Diluted Net Income Per Share)は0.70ドルで前年同期比4%増加
- Operating Margin(営業利益率)はGAAPベースでは20.7%(前年同期は29.8%)、Non-GAAPベースでは30.7%(前年同期は31.7%)
GAAPベースで前年比大きく減少しているのはTransaction Gains/Lossesの影響が大きく、主に2020年に買収したfairlifeの公正価値を再測定した事などが原因。
ウクライナ侵攻に関する影響
コカ・コーラは2022年3月8日にロシアのウクライナ侵攻に関連してロシアでの事業停止をし、その影響を一部アップデートしている。
- 出荷量に1%の影響(前四半期から変わらず)
- 売上(Net revenue)及び営業利益(Operating Income)に1~2%の影響(前四半期から変わらず)
- Non-GAAPベースでのComparable EPSに0.03ドルの影響(前四半期は0.04ドルの影響)
2022年見通し
2022年通期の主な見通しは以下の通り。これには上記ロシアでの事業停止の影響が含まれている。
【Non-GAAPベース】
- Organic Revenue(既存事業売上高)成長率:12~13%(前四半期は7~8%)
- Comparable currency neutral EPS(為替を含まない調整後EPS)成長率:14~15%(前四半期は8~10%)
- Comparable EPS(為替を含む調整後EPS)成長率:5~6%(前四半期から変わらず)
- Free Cash Flow:105億ドル(120億ドルの営業キャッシュフローから設備投資15億ドルを差し引いたもの)(前四半期から変わらず)
為替を考慮した場合と考慮しない場合の調整後EPS成長率に大きな差が出ており、為替の影響が大きいことが見て取れる。
市場予測との比較
今回の主な決算内容と市場予想とを比べてみると、
- 2022年第2四半期の純売上高(Net Operating Revenues)は113億2500万ドルで、市場予想の107億3000万ドルを上回っている
- 2022年第2四半期のNon-GAAPベースの比較可能な一時項目を除く1株当たり利益(Comparable Diluted Net Income Per Share)は0.70ドルで、市場予想の0.67ドルを上回っている
となっている。
まとめ
上記の様な決算内容を受けてコカ・コーラの株価は
1.64%の上昇。
同日の米国市場は
いずれも下落していた事を考えると、コカ・コーラの決算内容は市場にかなり評価された模様。これは決算結果が市場予想を上回ったことに加えて、通期見通しの為替の影響を除いた調整後EPSを上方修正したことが大きいだろう。
またアナリストとのカンファレンスコールではインフレや価格設定に関する質疑が多発していたが、まだ消費者に価格転嫁する余地が残されていることを示唆しており(明言はしていない)、今後のコカ・コーラ株にはまだ余力がありそうな気もする。
年初来からこの決算発表後を含めたコカ・コーラ株の推移を市場(S&P 500)と比べてみると
市場がまだ10%を超える下落に留まっているのに対してコカ・コーラ株は9%近い上昇。コカ・コーラ株は大幅に上昇する印象はないので、今後市場が上昇基調で推移した場合には市場に比べてパフォーマンスは落ちるかもしれないが、堅調な株価を維持してくれそうな気がする。