2021年7月のOPECプラス会合はまとまらず会議延期/延長

はじめに

前回2021年6月のOPECプラス会合のまとめ

「まだ検討がされていない8月以降の原油供給を決定する次回閣僚級会合(7月1日予定)の結果は、エクソン株に大きな影響を及ぼす様な気がするので気を付けておく必要がありそうだ。」

と書いて注目していた7月のOPEC会合が行われたのだが、現在の状況は掲題の通り。以下に現在(日本時間2021年7月3日(土))の7月のOPECプラス会合の状況を整理しておく。


日本時間2021年7月3日(土)時点での7月のOPECプラス会合状況

以下各種報道より時系列で整理してみる。

7月1日(木)

  • 元々この日に会合が終了する予定だったが翌日金曜日に延長
  • サウジアラビアとロシアは、世界的な需要増に向け8月から12月にかけて日量200万バレル(毎月40万バレル)の減産縮小を行うことや、新たな過剰供給を避けるため減産の期間を来年末まで延長することを提案していた
  • その日の早い段階では原則合意に達したとみられていたが、土壇場でUAEが異議を唱えたことが延期の原因
  • UAEは自国の減産枠の基準が調整されるまで合意を阻止すると表明
  • 具体的には減産幅を1日あたり60万バレル引き上げて日量380万バレルにすることを主張

7月2日(金)

  • 金曜日深夜まで議論がなされたが合意に達することは出来ず、会議は月曜日に延期される

まとめ

現在は上記の通りOPECプラス会合が合意に至るのかどうかも不透明な状態。

取りあえず過去5日のニューヨーク原油先物の動きを見てみると

7月1日にOPECプラス会合が合意に至らなかった報道を受けて上昇し、その後は小幅な動きとなっている。

これは、もし合意が成立しなければ生産枠を2022年4月まで維持するという既存の条件(つまり減産幅を縮小しない)に戻ることになり、結果原油価格が上昇すると連想されたためだろう。

年初来のニューヨーク原油先物と自分の所有銘柄であるエクソン・モービル株(XOM)の動きは

となっており、概ね原油価格が上昇するとエクソンの株も上がるという関係は続いている。

ただ、原油価格の上昇がエクソン株以外にどういう影響を及ぼすかについてはそろそろ注意が必要だろう。というのも以前

インフレ懸念での米株安とインフレに強い米国株という認識の両立

で触れた様に原油価格の高騰、つまりインフレが過度に進むとエクソン株は上昇しても、市場全体は低迷する恐れが出てくる。

上記の様な事から、月曜日の延期された会合の結果がどうなるか、その結果原油価格がどうなるかについては引き続き要注目しておきたい。注目したからといって自分がポートフォリオを動かすわけではないのだが、結果的に資産が急減する様な事態にはならないで欲しい。

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