AT&T(T)2021年第2四半期決算発表(2021/7)

はじめに

昨日2021年7月22日は自分の主力銘柄(投資額1番、資産額2番)であるAT&T(T)の2021年第2四半期決算の発表があった。

前四半期決算の翌月に来年のメディア部門スピンオフの発表もあって株価は前四半期決算時に比べて低迷しているのだが、昨日の決算の内容とそれを受けての株価はどうなったのか。以下に確認し整理しておく。


AT&T2021年第2四半期決算概要

以下の内容はAT&Tの企業サイトより引用・抜粋。

  • 2021年第2四半期の総売上高(Total Operating Revenues)は440億4500万ドルで、前年同期の409億5000万ドルから7.6%増加
  • 2021年第2四半期のAT&T帰属の純利益(Net Income Attributable to AT&T)は15億7000万ドルで、前年同期の12億8100万ドルから22.6%増加

  • 2021年第2四半期の調整後一株当たり利益(Adjusted EPS)は0.89ドルで、前年同期の0.83ドルから7.2%増加

事業部ごとの業績は以下の様になっている。

【Communications(通信)】

Operating Revenues(売上)は前年比6.1%増の281億2800万ドル。旧来の音声サービス主体のBusiness Wireline、Consumer WirelineはIPへの移行もあり相変わらず低調だが、金額の大きいMobility事業は先月の最高財務責任者(CFO)のアップデートでも触れられていたように堅調。

月額料金を支払う携帯電話契約者数(Postpaid phone)は78万9000人増で市場予想の27万8000人増を大きく上回り、月額携帯電話以外も含めた月額料金支払い契約者数(Postpaid)は115万6000人増となっている。

【ワーナーメディア】

Operating Revenues(売上)は前年同期比30.7%増の87億9100万ドル。理由として前四半期と同様に前年のCOVID-19の影響からの部分的な回復を反映している(reflecting the partial recovery from prior-year impacts of the pandemic)ことを上げている。

HBO Max(HBO含む)の米国内加入件数は

1年前より1070万(前四半期からは280万増)増加し合計4700万、世界全体では1年前から1190万(前四半期からは360万増)増加し合計6750万。

また年末までに世界でのHBO Max加入者の予測を7000~7300万に上方修正している(以前は6700~7000万)。

21日の時間外後に動画配信サービスのネットフリックス(NFLX)が決算発表をしていたが、

  • 4~6月期(第2四半期)の契約件数は154万件増の2億900万件(市場予想112万件増、自社見通し100万件増)
  • 北米では4~6月期(第2四半期)に契約件数が約43万件減少
  • 7~9月期(第3四半期)の新規登録は350万件想定(市場予想586万件)

という状況と比べると、そもそもの契約件数が大きく異なるので単純に比べるのは早計だが、AT&TのHBO Maxの状況は悪くは無いように見える。

2021年の通期見通しは、

となっており、

  • 全体の売上(Consolidated revenue)成長率:2~3%(前四半期の1%から上方修正)
  • 調整後一株当たり利益(Adjusted EPS)成長率:一桁台前半~半ば(前四半期の前年と同程度から上方修正)
  • フリーキャッシュフロー:270億ドル(前四半期は260億ドル)

と言った点がアップデートされている。

またDirecTVの少数株式をTPGキャピタルに売却する契約が今後数週間以内に完了する予定であり、その影響は2021年度残り期間中に

  • 売上:90億ドル減少
  • EBITDA:10億ドル減少
  • フリーキャッシュフロー:10億ドル減少

となると想定されている。ちなみにこの影響は先の2021年通期見通しには含まれていない(excluding the impact of the DIRECTV/TPG transaction)。


市場予測との比較

今回の主な決算内容と市場予想とを比べてみると、

  • 2021年第2四半期の総売上高(Total Operating Revenues)は440億4500万ドルで、市場予想の426億7000万ドルを上回っている
  • 2021年第2四半期の調整後一株当たり利益(Adjusted EPS)は0.89ドルで、市場予想の0.79ドルを上回っている

となっている。


まとめ

上記の様な決算内容を受けてAT&Tの株価は

0.39%の上昇。昨日のダウ工業平均が0.07%、S&P 500が0.20%、NASDAQが0.36%いずれも上昇したのと比べてやや上回った程度。

これをどう捉えるかは非常に難しい。というのも昨日のAT&T株の動きが以下の様になっているため。

開場直後は一瞬前日を大きく上回って始まったものの、すぐに下落して前日比マイナスに。その後午後になってからやや持ち直して、前日比0.39%のプラスという結果に落ち着いている。

この最初の急落の原因がはっきりしない。資料の発表自体は開場前なので影響ないだろうし、8時半から行われたカンファレンスコールでも特にネガティブなものは無かった。

ただベライゾンの動きと比較してみると

似たような動きをしているので、通信業界に共通する何らかの要因があったのかもしれない(自分にはつかみきれなかったが)。

日中の動きの原因は気に掛かるが、終値ベースでみればまずまず無難に決算発表を乗り切った感じだろうか。ただし、過去3ヶ月のAT&Tの株価を見てみると

ワーナーメディアとDiscoveryの統合発表があった5月中旬以降は右肩下がりの傾向が続いている。冒頭に挙げた様に自分のポートフォリオでAT&Tは主力なのだが、現在

投資額に比して5万ドル、割合も18.5%のマイナスとなっている。AT&T株がもう少し上昇してくれれば自分の米国株資産にも安心できるのだが、悪くなかった(と思う)今回の決算を受けてもそれ程上がらなかったことも併せて考えるとあまり期待は持てなさそう。気長に待ちたいところではあるが、2022年にワーナーメディアの分割が控えているので時間は限られている。AT&T株をどう扱うかは一考の余地があるのかもしれない。

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