はじめに
昨日2022年2月16日には自分の所有しているクラフト・ハインツ(KHC)の2021年第4四半期決算発表があった。
ウクライナ情勢等によって市場が安定せず方向感も見えない中、クラフト・ハインツの決算内容そしてそれを受けての株価はどうなったか。以下にそれらを整理しておく。
クラフト・ハインツ2021年第4四半期決算概要
以下はクラフト・ハインツの企業サイトより引用・抜粋。
- 2021年第4四半期の売上高(Net Sales)は67億900万ドル、前年同期は69億3900万ドルで前年同期比3.3%減
- 2021年第4四半期の同社帰属の純利益(Net income/(loss) attributable to common shareholders)は2億5700万ドルの損失、前年同期は10億3200万ドルの利益
- 2021年第4四半期の希薄化後一株あたり利益(Diluted earnings/(loss)per share)は0.21ドルの損失、前年同期は0.84ドル
帰属利益、希薄化後一株当たり利益がいずれも前年比で大きく減少しているのは、主に2021年11月にグローバルチーズ事業及びライセンスに関する特定資産を売却したことによる減損約13億ドルを計上しているため。
- 2021年第4四半期の一時項目を除く調整後一株あたり利益(Adjusted EPS)は0.79ドル、前年同期は0.80ドルで前年同期比1.3%減
2022年見通し
2022年の見通しについては以下の通り。
- Organic Net Sales Growth(既存事業成長率):一桁台前半の増加
- Adjusted EBITDA(調整後EBITDA):58億ドル~60億ドル
その他
同日別のプレスリリースで一株当たり@0.40ドルの四半期配当を発表している。これで13四半期(3年以上)連続で配当据え置きとなっている。
市場予測との比較
今回の主な決算内容と市場予想とを比べてみると、
- 2021年第4四半期の売上高(Net Sales)は67億900万ドル、市場予想の66億1000万ドルを上回っている
- 2021年第4四半期の一時項目を除く調整後一株あたり利益(Adjusted EPS)は0.79ドル、市場予想の0.63ドルを上回っている
となっている。
まとめ
上記の様な決算内容を受けてクラフト・ハインツの株価は
5.59%の上昇。同日の米国市場が
上下動が激しかったものの終値ではほぼフラットだったのと比べてもかなり大幅な上昇だったと言える。これは売上、一時項目を除く調整後一株あたり利益が市場予想を上回ったためと思われる。
今四半期のクラフト・ハインツは売却の影響もあって決算資料をどう判断していいのか難しいのだが、少なくとも市場は好意的に受け止めたようだ。それでも決算資料中にはパッケージングコストを含む商品コストの上昇、調達、ロジスティクスおよび製造コストのインフレといった点が度々挙げられているのが気に掛かる。
クラフト・ハインツ株の年初来の推移は
市場(S&P 500)のパフォーマンスを上回っており、昨日の決算を受けての上昇で年初来プラスとなっている。
ただし過去1年を見ると
2021年6月からのの下落・停滞が解消されたとは言えない。そして過去5年を見てみると
クラフト・ハインツの低迷が際立っている。一時90ドルを超えていた株価が2019年2月には半減するという右肩下がりであったのに加えて、2019年2月に会計処理の不備から25%を超える急落をして35ドルぐらいに落ち込んでから株価は回復していない。
クラフト株については今後も株価には期待せず、先に挙げた様に配当が3年超据え置きとはいえ配当減や配当停止にならずに税引前で4%を超える配当率であることを有難く思うべきなのだろう。