はじめに
先日完全リタイア後の配当金生活のキャッシュフロー想定(60才まで)を表計算ソフトベースにアップデートしたが、その際に
「今後は実績とこのキャッシュフローのベースを比較した予実管理を行い、配当金生活が維持できるかを確認しつつ、その際にこの表計算のキャッシュフローのベース自体が間違っていないか・抜け漏れがないかもチェックしていこう(手計算よりは間違いが少ないはずだが、それでも不安は残るので)。」
としていたので、2021年1月~5月までのキャッシュフローの予実管理をしてみることにする。
2021年1月~5月のキャッシュフロー予実管理
完全リタイアをしたのは2020年10月末だが、管理は2021年1月からとしている。
2021年1月~5月の想定キャッシュフロー
キャッシュフロー項目の値等についてはこちら。
Jan-21 | Feb-21 | Mar-21 | Apr-21 | May-21 | ||
月初預貯金 | 2,091,441 | 11,236,441 | 10,511,441 | 10,750,441 | 10,445,441 | |
配当金充当 | 1,000,000 | |||||
その他入金(還付金等) | 9,450,000 | 300,000 | ||||
出費 | 住居費 | 100,000 | 100,000 | 100,000 | 100,000 | 100,000 |
生命保険 | 30,000 | 30,000 | 30,000 | 30,000 | 30,000 | |
年金 | 480,000 | |||||
健康保険 | 756,000 | |||||
通信費 | 15,000 | 15,000 | 15,000 | 15,000 | 15,000 | |
医療費 | 10,000 | 10,000 | 10,000 | 10,000 | 10,000 | |
住民税 | 420,000 | |||||
生活費 | 150,000 | 150,000 | 150,000 | 150,000 | 150,000 | |
月末預貯金 | 11,236,441 | 10,511,441 | 10,750,441 | 10,445,441 | 9,660,441 |
2021年1月~5月の実際のキャッシュフロー
2021年5月までの実績値を入れてみたところ以下の様になった。
Jan-21 | Feb-21 | Mar-21 | Apr-21 | May-21 | ||
月初預貯金 | 2,091,441 | 11,315,524 | 11,672,746 | 11,673,366 | 11,454,218 | |
配当金充当 | 1,000,000 | |||||
その他入金(還付金等) | 9,450,000 | 982,405 | ||||
出費 | 住居費 | 96,243 | 97,342 | 96,344 | 95,826 | 94,936 |
生命保険 | 29,595 | 29,595 | 29,595 | 29,595 | 29,595 | |
年金 | 393,060 | |||||
健康保険 | 734,486 | |||||
通信費 | 12,610 | 12,610 | 12,610 | 12,280 | 12,280 | |
医療費 | 10,857 | 8,990 | – | 17,386 | – | |
住民税 | 417,400 | |||||
生活費 | 76,612 | 76,841 | 108,750 | 64,061 | 80,722 | |
月末預貯金 | 11,315,524 | 11,672,746 | 11,673,366 | 11,454,218 | 10,843,625 |
ちなみに生活費は「月初預貯金+収入」から「(生活費以外の)各種支出」と「月末預貯金」を差し引いて自動計算するようにしている。というのも生活費も計算しようとすると、結構抜け漏れや重複が発生して実際の預貯金額と一致しない場合が多いと思われるため。
またカードの引き落とし(ほとんどカード支払)の締め日が月末とズレているため、実際にその月に使った金額とはズレている。
2021年5月末の月末預貯金が生活費15万円の場合のベースキャッシュフローと約118万円差が出ている(余裕がある)のは、主に赤字にしている
- 月15万円で見積もった生活費(食費含む)が総じて10万円以下
- 基本的に支出は多めに見積もっている(年金が特に顕著)
- 確定申告の還付金を30万円で見込んでいたが、今年は退職後のためか還付金が約100万円近く入ってきた
といった事が原因。
1に関しては、自分の住んでいる所が緊急事態宣言の対象地域のため不要不急の外出をしていない事が主な理由だろう。ワクチン接種完了後、緊急事態宣言解除に伴う生活の変化に伴いこれがどうなるか。
また完全リタイア生活を開始したばかりという事で大きな出費項目(住民税、年金、健康保険など)の感覚が分からないため、出費を控えようという意識が働いたこともあるだろう。
2に関しては、住居費(水道光熱費含む)、生命保険、通信費、医療費がほぼ想定通り。国民年金に関しては多めに見積もり過ぎた感はある。月々数千円だが2年分を一括払いにしているので、その差が大きく出ている。
3に関しては、
で書いた様に、退職年度、2020年のJCペニー株売却損、控除金額増などが影響して還付金が大幅に増加。ただ、これは一過性のものなので来年以降は想定の30万円よりは多少多くなる程度だろう。勘違いしてはいけない。
予実反映後の60才までのキャッシュフロー
最新の想定キャッシュフローのベースとそれに2021年5月までの実績データを当てはめた場合の60才までのキャッシュフローは以下の様になる。
2022年以降のAT&T(T)株の予想される配当減は反映済み。
【想定キャッシュフローベース(生活費月15万円)】
年齢 | 西暦 | 預貯金 |
52 | 2021末 | 9,039,441 |
53 | 2022末 | 7,552,441 |
54 | 2023末 | 6,046,441 |
55 | 2024末 | 5,333,441 |
56 | 2025末 | 3,857,441 |
57 | 2026末 | 2,861,441 |
58 | 2027末 | 1,385,441 |
59 | 2028末 | 389,441 |
60 | 2029末 | -520,559 |
【2021年5月までの実績データ反映後(生活費月15万円)】
年齢 | 西暦 | 預貯金 |
52 | 2021末 | 10,222,625 |
53 | 2022末 | 8,735,625 |
54 | 2023末 | 7,229,625 |
55 | 2024末 | 6,516,625 |
56 | 2025末 | 5,040,625 |
57 | 2026末 | 4,044,625 |
58 | 2027末 | 2,568,625 |
59 | 2028末 | 1,572,625 |
60 | 2029末 | 662,625 |
想定では60才時に不足するキャッシュが、2021年1~5月までの実績反映後は約118万円の余裕ができた事によりプラスとなっている。
まとめ
想定キャッシュフローをアップデートした際には、60才末でキャッシュがショートするシミュレーション(実際には個人年金の受取があるので大丈夫なはず)だったが、2021年1~5月の実績を反映させた結果、60才末でもプラス維持という具合に変化した。
当然嬉しい気持ちにあるのだが、先に書いた様にこれは食費を含む生活費の実績が緊急事態宣言下という特殊な事情を反映したものである点には注意が必要。コロナ前の生活に戻った際の出費は増えることはあっても減ることは無いだろう。
そう考えると60才末までのキャッシュフローがプラスになったとはいえ、とりあえずはこれまでの完全リタイア以降の生活/出費ペースを維持して、緊急事態制限終了/ワクチン接種後の生活費上昇に備えるのが無難だろう。
完全リタイア後、今の所は日々の出費を我慢した生活はしておらず取り立てて現状に不満はないので、こうして月ベースで予実管理を実施することで、2001年に米国株式投資を始めた当初の目的であった金銭的なストレスのない生活が実現できるようにしよう。