完全リタイア/退職後配当金生活2年経過:金銭面(2022/11)

はじめに

先日は

完全リタイア/退職後配当金生活2年経過:精神面

と題して主に完全リタイア/退職後2年が経過しての精神面について思う所を書いてみたが、今回は金銭面について書いてみる。


退職後2年が経過しての金銭面について

完全リタイア直後時には

完全リタイア/配当金生活のスタートで思う事(2020/11/2)

そして退職後1年経過しての金銭面については

完全リタイア/退職後配当金生活1年経過:金銭面(2021/11)

でまとめたがその際には、

  • 企業の業績悪化による配当減・配当停止(退職直後)
  • 株価下落による資産減(退職直後)
  • 給与が無くなり配当を生活費として引き落とす(退職直後)
  • 退職/完全リタイア前に想定キャッシュフローを作成しておいて良かった(退職1年後)
  • その想定キャッシュフローは辛めに見積もっておいて良かった(退職1年後)
  • 想定キャッシュフローとの予実管理は重要な気がする(退職1年後)
  • そもそも米国個別株の長期投資/バイアンドホールドで良かった(退職1年後)

といった点を懸念点や良かった点として挙げていた。

追加すべき点

上記の点は変わっていないが、2年が経過して新たに追加すべき点としては

  • 法制度の改正により想定キャッシュフローに影響が出る可能性もある

という点だろうか。先日2022年10月の配当金生活予実管理でも触れたが、国民年金の納付を現行の40年から45年に延長する検討が始まった(国会提出目標は2025年)との報道があり、60才以降のキャッシュフローに影響が出てくる可能性が出てきた。60才になると生命保険料の払込が終わり、個人年金も受け取れるので大きな問題とはならないはずだが、以前の想定から出費が増える事を考えるとやはり影響は少なからずある。

今後も同じように想定キャッシュフローに影響がでる法改正があるかもしれない点には注意を払っておきたい。注意したからといって避けられるものではないが、法改正の場合は実際の施行まである程度の期間があるので、その間に対応を考えておくべきだろう。

そしてもう1点は

  • 米株配当金生活を行うにはドル平均取得レートを大幅に超えてドル高の場合雑所得に注意(逆に大幅なドル安だと想定していた額のドル円変換が出来なくなる)

という点。

自分が米個別株のドル配当を円に変換する際に為替差益が発生した場合、それを雑所得として確定申告する必要が出てくる。2021年は単純に基礎控除内に収まっていたのだが、2022年は急激なドル高により想定キャッシュフローでドル円変換する予定だった年間295万円をドルで入手する場合には、雑所得の為替差益が基礎控除額を超えてしまう。基礎控除以外の生命保険料控除や社会保険料控除などを使えば所得税・住民税は控除内で収まるが、これから始まる国民健康保険料の控除は所得税・住民税と異なり基礎控除のみとなるので場合によっては調整が必要になってくるだろう。

無論、これとは逆に取得レートよりドル安になった場合は想定していたほどの円に変換できなくなり、キャッシュインが減少するという事態も起こり得る可能性はある。

完全リタイア後から2年経過しての資産等推移

完全リタイア時、1年経過時、2年経過時の資産関連がどのように変わったかも確認しておく。

【円ベース資産】

完全リタイア直後:

完全リタイア1年後:

完全リタイア2年後:

円ベース資産は順調に増えているが特に2022年は為替の影響が大きい。そして資産増と連動して配当金が上昇している訳ではないので、万が一の際にこの資産を円に変換して生活費に充てる以外には配当金生活に大きな影響は無い。

【配当金】

完全リタイア直後:2019年11月1日~2020年10月31日

税引後ドル:32,475.55ドル、税引き後円:3,452,060円、平均為替:1ドル=106.2972

完全リタイア1年後:2020年11月1日~2021年10月31日

税引後ドル:33,903.27ドル、税引き後円:3,615,581円、平均為替:1ドル=106.644

完全リタイア2年後:2021年11月1日~2022年10月31日

税引後ドル:31,759.62ドル、税引き後円:3,922,832円、平均為替:1ドル=123.5163

完全リタイア後2年目の2022年から先に述べた配当減が発生(AT&T株)しているため、完全リタイア後1年目より2年目のドル配当額が減少している。一方で2022年のドル高により円ベースでの配当は増加するという状況。

【余剰資金】

想定キャッシュフローに基づいて予実管理している60才末時点ので余剰資金はそれぞれ以下の様になっている(生活費は月15万円と想定)。

完全リタイア直後(実際には退職金が入金された2022年1月末):-520,559円

完全リタイア1年後:1,430,079円

完全リタイア2年後:3,194,181円

先に挙げたように元々の想定キャッシュフローを辛めに見積もっていた(例えば住民税も支払が必要な想定をしていたが実際は源泉徴収で完結した)ことや、COVID-19下のため生活費が少なくて済んでいたため、概ね毎月想定したより少ない出費額で済み60才末で想定される余剰資金は順調に増加している。

最初はマイナスがプラスになる様に心掛けていたが、ここ最近はあえて意識せずとも生活費がそれ程かからなくなっている。ただし、これは繰り返しになるがあくまでCOVID-19下のためであり、COVID前に戻った場合の出費は増える可能性がある。


まとめ

完全リタイア後2年が経過しての主に金銭面について書いてみたが、2022年はAT&T株のスピンオフに伴う配当減がありドルベースでの配当は減少しているものの、受取時の円ベースでは逆に増加し、配当を産み出す原資となる投資資産も円ベースでは為替のおかげで引退時から増加している。実際の配当金生活の予実に基づく60才時点の剰余金も順調に増えており、今のところ金銭面では順調に配当金生活を送れていると言えるだろう。

月々の資産や配当、予実管理をしているせいなのか、今回の退職後の年間ベースでの推移ほど金銭的に順調であるとは思わなかった。たまにこうして長い単位で金銭面を見るといつもと違った観点で考えることが出来るのかもしれない。

ただこれは為替変動とたまたま選んだ月の結果順調に見えるだけかもしれない。特に2022年は為替変動に拠る所が大きいので油断は禁物。逆に短期間でドル安に振れる可能性がゼロではない点は認識しておくべきだろう。

最後に、前回1年経過時点では

「恐らく1年後にまた振り返る際にも金銭的ストレスを感じていない状態である事を望みたい。」

と書いていた状況ではあった。何とか1年後もポジティブなまとめが出来るといいのだが、まだまだ米国経済がどうなるのか分からない。来年はインフレが収まって市場全体が上昇基調になっているといいのだが。

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