2023年の配当金生活におけるドル円変換の雑所得に関する税金考察

はじめに

2023年も2月後半となり、そろそろ米国株配当金を円に変換して完全リタイア後の生活費に充当する時期が近づいてきた。

昨年2022年はドル高が急速に進み、完全リタイアした当初は想定していなかったドル円変換による為替差益での雑所得が税金・社会保険料に影響を与えることになってしまった(確定するのは6月のため、まだ正式には確定していないが恐らく税金は控除内、国民健康保険料は控除をやや超えているはず)。

そこで今年の為替差益による雑所得がどれ位であれば控除内に収まるのか。現在の為替レートを参考にシミュレーションしておくことにする。


年間控除額の前提

詳しくは

米国株配当金生活の住民税等に係るドル円変換注意点(2022/7)

にまとめているので、ここでは自分の場合の雑所得に係る各種年間控除額を簡単に記述しておく。

所得税控除額(71万円+α)

基礎控除48万円+生命保険料控除10万円+社会保険料控除13万円=71万円

社会保険料控除は国民年金料、国民健康保険料。この他にも控除できるものはあるかもしれないが、所得税の控除額は目安として71万円。

住民税控除額(63万円+α)

基礎控除43万円+生命保険料控除7万円+社会保険料控除13万円=63万円

住民税と所得税の控除額は微妙に異なるため、所得税より少なくなっている。

国民健康保険料控除額(43万円)

基礎控除43万円のみ

基礎控除は43万円のみ。ただし基礎控除を超えても均等割額分についてはある程度までは軽減される可能性がある(参考:退職2年経過後の国民健康保険料が確定(2022/12)。計算方式は自治体ごとに異なる)。


2023年のドル円為替差益による雑所得許容範囲

2023年2月後半のドル円為替レートから1ドル=135円を基本線として想定する。

自分が20年程米国株投資をする際に購入していたドルの平均額は1ドル=105.3868円。

完全リタイア後の想定キャッシュフローでは、2022年以降のドル円変換のタイミング/額は、3月、7月、11月の3回でそれぞれ95万円としている。

1ドル=135円の場合

95万円を生活費として充当するためには950,000÷135≒7,037ドルをドル円変換する必要がある。

その際の雑所得は7,037×(135-105.3868)≒208,388円となり、これが年間3回と考えると208,388×3≒625,164円となり、充当するドルの総額は約21,111ドルとなる。

先に挙げた控除額の前提に当てはめると、所得税と住民税は控除内、国民健康保険料は控除額を超えることになる。

1ドル=130円の場合

95万円を生活費として充当するためには950,000÷130≒7,308ドルをドル円変換する必要がある。

その際の雑所得は7,308×(130-105.3868)≒179,873円となり、これが年間3回と考えると179,873×3≒539,619円となり、充当するドルの総額は約21,924ドルとなる。

先に挙げた控除額の前提に当てはめると、所得税と住民税は控除内、国民健康保険料は控除額を超えることになる。

1ドル=140円の場合

95万円を生活費として充当するためには950,000÷140≒6,786ドルをドル円変換する必要がある。

その際の雑所得は6,786×(140-105.3868)≒234,885円となり、これが年間3回と考えると234,885×3≒704,655円となり、充当するドルの総額は約20,358ドルとなる。

先に挙げた控除額の前提に当てはめると、所得税は控除内、住民税と国民健康保険料は控除額を超えることになる。


まとめ

2023年の米国株ドル配当金を円に変換して完全リタイア後の生活費に充当する際の雑所得についてシミュレートしてみた。

2023年2月後半時点の1ドル≒135円というレートであれば、所得税と住民税は控除内、国民健康保険料は控除額を超えることになる。ただし住民税はあてにしている控除ではギリギリとなる計算なので、もう少しドル安になってくれることが望ましい。

また国民健康保険料の基礎控除43万円を超えないためには年間のドル円変換時のレートが1ドル=約124円が目安となるので、来月に予定しているドル円変換時までに1ドル=120円台になっていないと厳しいだろう。

昨年2022年の変換時年間平均為替レートは約130円だったのだが、2023年は最終的にどうなるか。ドル高となればドル円変換時の雑所得は増えるが充当するドル額は少なくて済み、ドル安となればドル円変換時の雑所得は減少するが充当するドル額は多くなる。難しいものだ。

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