はじめに
先日は
完全リタイア/退職後配当金生活3年経過:精神面(2023/11)
と題して主に完全リタイア/退職後3年が経過しての精神面について思う所を書いてみたが、今回は金銭面について書いてみる。
退職後3年が経過しての金銭面について
完全リタイア直後時には
完全リタイア/配当金生活のスタートで思う事(2020/11/2)
退職後1年経過しての金銭面については
完全リタイア/退職後配当金生活1年経過:金銭面(2021/11)
退職後2年経過しての金銭面については
完全リタイア/退職後配当金生活2年経過:金銭面(2022/11)
でまとめたがその際には、
- 企業の業績悪化による配当減・配当停止(退職直後)
- 株価下落による資産減(退職直後)
- 給与が無くなり配当を生活費として引き落とす(退職直後)
- 退職/完全リタイア前に想定キャッシュフローを作成しておいて良かった(退職1年後)
- その想定キャッシュフローは辛めに見積もっておいて良かった(退職1年後)
- 想定キャッシュフローとの予実管理は重要な気がする(退職1年後)
- そもそも米国個別株の長期投資/バイアンドホールドで良かった(退職1年後)
- 法制度の改正により想定キャッシュフローに影響が出る可能性もある(退職2年後)
- 米株配当金生活を行うにはドル平均取得レートを大幅に超えてドル高の場合雑所得に注意(逆に大幅なドル安だと想定していた額のドル円変換が出来なくなる)(退職2年後)
といった点を懸念点や良かった点として挙げていた。
追加すべき点
3年が経過して新たに追加すべき点としては
- 自分が金銭に関して使っている物のルールが変わって影響が出る可能性にも注意
という点が挙げられる。
具体的に言うと自分が米国株式投資に使っている楽天証券では、2023年から米国株の配当金を従来のドル受取からドル/円受取の選択が可能となっている。それに合わせて米国株配当受取を円に変更したことで、完全リタイアしてからドル配当金を円に変換して生活費に充当する際に発生した雑所得が発生しなくなった。昨年はドル高もあって雑所得が控除額を超えないように色々考えなければならなかったのだが、これにより今年からはその手間が大幅に減ることになる。
これは全く想定していなかったルール変更で個人的には選択肢が広がったこともあり、良い方向に働いている。ただ長い目で見た場合、証券会社や銀行など金銭にかかわるルール変更が悪い方向に働く(手数料の値上げなど)可能性もゼロではないことは頭に入れておいた方がいいだろう。
完全リタイア後から3年経過しての資産等推移
完全リタイア時、1年経過時、2年経過時の資産関連がどのように変わったかも確認しておく。
【円ベース資産】
完全リタイア直後:
完全リタイア1年後:
完全リタイア2年後:
完全リタイア3年後:
1年前の2022年10月が1.6億を超えていたのに比べると大きく円ベース資産が減少しているのが目に付くが、これは2022年10月があまりにも好調だったため。ひと月で2000万円増加しているのも初めてだし、1.6億円を超えたのもこの月だけ。2022年10月があくまで特殊な月だったと考えると、完全リタイア後3年目もドル高の恩恵があるとはいえ決して悪くはない。
【配当金】
完全リタイア直後:2019年11月1日~2020年10月31日
税引後ドル:32,475.55ドル、税引き後円:3,452,060円、平均為替:1ドル=106.2972
完全リタイア1年後:2020年11月1日~2021年10月31日
税引後ドル:33,903.27ドル、税引き後円:3,615,581円、平均為替:1ドル=106.644
完全リタイア2年後:2021年11月1日~2022年10月31日
税引後ドル:31,759.62ドル、税引き後円:3,922,832円、平均為替:1ドル=123.5163
完全リタイア3年後:2022年11月1日~2023年10月31日
ドル受取配当(2023年5月末まで)
税引後ドル:19,489.96ドル、税引き後円:2,660,823円、平均為替:1ドル=136.5228
円受取配当(税引き後、2023年6月以降):1,470,981円
合計:4,131,804円
先述した通り2023年から米国株配当の受け取りをドルベースから円ベースに変更したため、正確なドルベースの受取配当や為替レートが判らなくなってしまっているが、円ベースでは完全リタイア2年後に比べて約20万円の増加。引退直後からは70万円近く増加している。
完全リタイア2年後の昨年はAT&Tのスピンオフに伴う大幅配当減というマイナス要因があった(ドル高のお陰で円ベースでは増加)が、この1年間は配当に関して大きなマイナス要因はなし。
【余剰資金】
想定キャッシュフローに基づいて予実管理している60才末時点ので余剰資金はそれぞれ以下の様になっている(生活費は月15万円と想定)。
完全リタイア直後(実際には退職金が入金された2022年1月末):-520,559円
完全リタイア1年後:1,430,079円
完全リタイア2年後:3,194,181円
完全リタイア3年後:4,672,493円
特に出費を抑えているつもりはないのだが、完全リタイア後3年目もそれまでと同様余剰資金は増加している。余剰資金は月々の予実管理で少しずつ増えているのは認識していたが、年単位で確認する機会はないため150万円程増えているのは意外の感がある。
まとめ
完全リタイア後3年が経過しての主に金銭面について整理してみた。
今の所は良い方向に働いているのが、新たな気を付けるべき点として法改正ではない金銭に関連するルール変更が影響を及ぼす可能性は頭に入れておいた方がいいだろう。
また円ベースの資産、配当金、60才での想定余剰資金はいずれも順調に増えているが、これは為替がドル高になっているためで、先月には約1年ぶりに米国株ドル資産が100万ドルを割っている事実を踏まえて決して油断してはいけない。
とはいえ全体的に完全リタイア後3年の金銭面は堅実に過ごすことが出来たと言えよう。
問題なのは来年4年目で、まずは退職2年後に書いた
- 法制度の改正により想定キャッシュフローに影響が出る可能性もある(退職2年後)
に該当する配当に係る住民税申告不要制度が変更となり、配当金に関してのみ住民税申告不要制度を使うことが出来なくなるので金銭面で悪影響が出ることになるはず。実際の確定申告をしてみないと詳細は分からないが、
- 申告不要制度を利用:
米株配当金に関する二重課税分を還付金で受け取ることが出来なくなるが、米国株配当は源泉徴収で完結するため住民税や社会保険料は低く抑えられる - 申告不要制度を利用せず、総合課税/申告分離課税のいずれかを利用
米株配当金に関する二重課税分を還付金で受け取ることが出来るが、米国株配当が所得として計算されるため、住民税や社会保険料がそれに応じて高くなる
というのが現在の想定で、配当金生活が破綻することは無いだろうが金銭的には完全リタイア後2年目よりも悪くなり今後も続くことになる。それが確定申告で具体的に明らかになる完全リタイア後4年目の金銭面がどうなるか。許容範囲で収まってくれるといいのだがなあ。