楽天証券で米株配当の円貨受取が可能になった影響(2023/5)

はじめに

週末に懸念となっていた米債務上限問題が基本合意に達し議会手続きを残すのみという報道がなされ、それに関するアップデートが無いかと思って自分の証券口座である楽天証券口座のニュースを確認していたところ(特に目新しいニュースは無かった)、掲題のお知らせがなされていた事に気が付いた。

以下、その内容について確認しておく。


楽天証券の米株配当受取方法に関するお知らせ

2023年5月29日(月)は米国市場がメモリアルデーで閉場だったため楽天証券にアクセスしなかったのだが、お知らせは5月29日(月)の18時になされていた。

これだけではこれまでドルでしか受け取れなかった米国株配当を円で受け取るメリット・デメリットがよく分からないのだが、調べてみると以下の様なことが判った。

【現時点では米株配当のドル/円受取選択が出来るのは楽天証券のみ】

2001年に楽天証券の前身であるDLJ証券で米国株投資を開始して以来口座を変えていないため他の証券口座のことは詳しくは判らないが、米株配当のドル/円受取選択が可能となったのは楽天証券が初めてらしい。

【円貨で配当受取の場合、ドル円変換の雑所得が発生しない】

実際に米国株配当を円で受け取った場合とドルで受け取った場合のメリットがコンパクトにまとめられているのが上記。

  • 雑所得を発生させず配当金を円で受け取りたい場合、「円貨で受取り」がおすすめ
  • 米ドルで受け取った配当金をそのまま米国株式の買付代金に充当したい場合、「外貨で受取り」がおすすめ

2001年に米国株式を開始してしばらく経ってからは、定期的に追加投資をした円をドル変換して期間中に受け取ったドル配当を加えて米国株を購入していたので、米ドルで受け取るのが適切だった(もしその際配当を円で受け取っていたら、追加で米株を購入する際に再びドル変換する必要があり、その時には手数料がかかるはず)。

そして2020年に完全リタイアしてからはドルで受け取った米株配当を円に変換して生活費に充てる必要があり、上で書かれている様にドル配当を円変換した際の為替差益が雑所得として発生していた。

2021年までは問題なかったのだが2022年は大幅にドル高が進行し、米国株ドル配当を円に変換する際の為替差益が住民税や所得税の控除範囲内に収まるかを気を付ける必要が出て、年間で受け取った米国株ドル配当を全て円に変換して生活費に充当することは出来なかった。

これが今回の楽天証券のお知らせを正しいとすると、米国株配当を円で受け取ることにすればドル高が進んだとしても雑所得による為替差益は発生せず、控除枠を気にすることなく米国株配当をそのまま生活費に充当できるようになる。


まとめ

という事で現在の自分の場合には米国株配当を円貨で受け取る事が適切と思われるので、早速受取方法を変更した。

実際にはパッと思い付くだけで以下の様な懸念・疑問点があり、

  • 楽天証券の記述が本当に正しく円貨で米国株配当を受け取れば雑所得が発生しないのか?
  • 現在の為替レートは自分購入したドル平均(約106円)よりドル高のため為替差益が発生するが、為替差損が発生する様な場合はどうするのか得策なのか?
  • 為替差損までではないにしても、どの程度の為替レートで配当をドル円どちらで受け取るのが適切なのか?

今後もこれ以外に気になる点が出てくるだろう。

しかし現時点での情報からすると、昨年2022年に続き今年も為替差益を意識して控除範囲に収まる米国株配当のドル円変換をする必要がなくなり、米国株配当の全てを生活費に充当することも可能になってくる。

また来年2024年の確定申告からはこれまで有利に働いていた配当に関する住民税の申告不要制度が変更され、これまで調べた範囲では引退後の想定キャッシュフローでは30万円程度を見込んでいる還付金が所得税/住民税共に申告不要とした場合にゼロになる可能性が高い(申告不要とすると米国株配当に課されている二重課税分の控除処理が恐らく出来なくなる。ただし申告不要以外の社会保険料を考えると申告不要が自分にとっては一番メリットが大きいと思われる)。

そのため配当金生活の収入が想定より減ることをを懸念していたのだが、今回米国株配当を円で受け取る様変更したことにより、確定申告の還付金が無くなっても相殺される可能性が出てきた。

完全リタイアしてからはAT&T株配当の大幅減、配当に関する住民税申告不要制度の変更による還付金の減少といった自分が完全リタイア前に想定出来なかったマイナス要因が多かった気がするが、今回は珍しく自分の配当金生活にプラスに働きそうだ。

いずれにしてもこういった事があるからやはり情報収集は重要だ。今回も大したお知らせではないとスルーしていたら、米株配当の受取を変更して雑所得を気にしないで良い配当金生活にはならなったかもしれないものなあ。ここで書いた内容も引き続き本当に間違いがないか精査していこう。

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