はじめに
2023年11月1日（水）には自分の所有しているクラフト・ハインツ（KHC）の2023年第3四半期決算発表があった。
前回の四半期決算時には決算内容はまずまずで発表当日は上昇したものの、その後数日は冴えない株価が続き
「今後のクラフト株についてもこの調子では残念ながら期待薄だろう。何とか早い段階で下げ止まりして現状維持程度で落ち着いてくれることを期待したいが、一層の下落となる可能性も覚悟しておいた方がいいかもしれない。」
と書いていたのだが、最新の四半期決算そして株価はどうなったのか。以下クラフト・ハインツの決算内容を確認し整理しておくことにする。
クラフト・ハインツ2023年第3四半期決算概要
以下はクラフト・ハインツの企業サイトより引用・抜粋。
- 2023年第3四半期の売上高（Net Sales）は65億7000万ドル、前年同期は65億500万ドルで前年同期比1.0%増
- 2023年第3四半期の同社帰属の純利益（Net income/(loss) attributable to common shareholders）は2億6200万ドル、前年同期は4億3200万ドルで前年同期比41.7%減
- 2023年第3四半期の希薄化後一株あたり利益（Diluted earnings/（loss）per share）は0.21ドル、前年同期は0.35ドルで前年同期比40.0%減
帰属純利益、希薄化後一株あたり利益が大幅に減少しているのは、今四半期に非現金減損損失を計上したことと、税金費用の増加によるもの。
- 2023年第3四半期の一時項目を除く調整後一株あたり利益（Adjusted EPS）は0.72ドル、前年同期は0.63ドルで前年同期比14.3%増
2023年見通し
2023年通期の見通しについては以下の通り。
- Organic Net Sales Growth（既存事業成長率）：～4%（前回の4～6%から下方修正）
- Constant Currency Adjusted EBITDA（恒常為替ベース調整後EBITDA）：5～7%（2022年が53週換算だったことを除くと7～9%）（前回の4～6%から上方修正）
- Adjusted EPS（調整後EPS）：2.91ドル～2.99ドル（前回の2.83ドル～2.91ドルから上方修正）
その他
その他決算及びアナリストとのカンファレンスコールで気になった点は以下の通り。
- 同日別のプレスリリースで一株当たり@0.40の四半期配当発表（20四半期/5年間配当据え置き）
- 2023年第3四半期の製品価格は8.5％上昇、販売数量は5.9％減少
- 2023年第3四半期に目標の純レバレッジ約3.0倍に到達
クラフト・ハインツのカンファレンスコールは経営陣から決算内容の説明はなく、いきなり質疑応答に入るのだが、今回はやや食肉事業に関する質問が多かった程度で特に目立った質疑はなし。
市場予測との比較
今回の主な決算内容と市場予想とを比べてみると、
- 2023年第3四半期の売上高（Net Sales）は65億7000万ドル、市場予想の67億2000万ドルを下回っている
- 2023年第3四半期の一時項目を除く調整後一株あたり利益（Adjusted EPS）は0.72ドル、市場予想の0.63ドルを上回っている
となっている。
まとめ
上記の様な決算を受けてクラフト・ハインツ株は
前日比2.35%の上昇。同日の米国市場も
FOMC結果を受けて上昇したが、クラフト・ハインツ株の上昇は市場に比べてもまずまず上昇している。売上は市場予想を下回ったものの、調整後利益は市場予想を上回り、通期見通しもやや上方修正したことが好感されたのだろう。
前回決算を含めた過去3ヶ月のクラフト株の推移を見てみると
冒頭の前回四半期決算時に懸念していた一層の下落という程ではなく一瞬市場を上回る局面もあったのだが、10月に入ってからは低調という方向感がよく分からない動き。そして決算後も翌日は上昇したものの、翌々日は市場の上昇に対してやや下落とやはり方向感がはっきりしない。
ただ年初来という期間での株価推移を見てみると
クラフト株が市場より低いパフォーマンスであることが判る。
今後のクラフト株だが、決算当当日及び翌日はまずまずだったものの、その翌々日市場が上昇したのに対してクラフト株は僅かながら下落しているのが気にかかる。何とか今回の決算を受けて上昇傾向に転じ、年末までに年初と同程度ぐらいまでに回復してくれるといいのだが。