ゼネラルエレクトリック2021年第3四半期決算(2021/10)

はじめに

昨日2021年10月27日には自分の所有銘柄であるゼネラル・エレクトリック(GE)の2021年第3四半期決算発表があった。

2021年7月の第2四半期決算、そして8月に8対1の株式併合が行われて以降はあまりパッとしない株価が続いていたのだが

GEの8対1株式併合後の普通株配当が発表(2021/9)

今回の四半期決算はどうだったのか。以下に決算の内容を確認し整理しておく。


2021年第3四半期決算概要

以下の内容は、ゼネラル・エレクトリックの企業サイトより引用・抜粋。

  • 2021年第3四半期の総売上高(Total Revenues)は184億2900万ドル、前年同期は185億2900万ドルで前年同期比1%の減少
  • 2021年第3四半期の調整後一株あたり利益(Adjusted EPS)は0.57ドル、前年同期は0.38ドルで前年同期比50%の増加
  • 2021年第3四半期のインダストリアル事業のフリーキャッシュフロー(純現金収支・GE Industrial Free Cash Flows)は17億2700万ドル、前年同期は5億1400万ドル

各事業部ごとの業績は以下の通り。

Aviation(航空機事業):

受注は69億ドルで前年同期比69%増加、売上は53億9800万ドルで前年同期比10%増加。収益は8億4600万ドルで前年同期は3億5000万ドル。

Healthcare(ヘルスケア事業):

受注は49億7300万ドルで前年同期比21%増加、売上は43億3900万ドルで前年同期比5%減少。収益は7億400万ドルで前年同期比5%減少。

Renewable Energy(再生可能エネルギー事業):

受注は65億8800万ドルで前年同期比65%増加、売上は42億800万ドルで前年同期比7%減少。収益は1億5100万ドルの損失で前年同期は5100万ドルの損失。

Power(電力事業):

受注は36億6700万ドルで前年同期比8%増加、売上は40億2600万ドルで前年同期とほぼ同じ。収益は2億400万ドルで前年同期比38%増加。

2021年の見通しは以下の通り。青字の部分が今回アップデート。

  • Revenues:LSD(Low Single Digits、一桁台前半)から~Flat(横ばい)へと下方修正
  • Margins:250+ bpsから350+ bpsへ上方修正
  • Free cash flow:35億ドル~50億ドルから37億5000万ドル~47億5000万ドルと下限値が増え上限値が減ってレンジが狭まった
  • EPS:1.20~2.00ドルから1.80~2.10ドルへと上方修正

市場予測との比較

今回の主な決算内容と市場予想とを比べてみると、

  • 2021年第3四半期の総売上高(Total Revenues)は184億2900万ドル、市場予想の191億2000万ドルを下回っている
  • 2021年第3四半期の調整後一株あたり利益(Adjusted EPS)は0.57ドル、市場予想の0.43ドルを上回っている

となっている。


まとめ

上記の様な決算内容を受けて昨日のGE株の終値は

2.03%の上昇。同日のダウ工業平均が0.04%、S&P 500が0.18%、NASDAQが0.06%いずれも小幅な上昇だったのに比べるとかなりの上昇だったと言える。

ただ上記の決算内容をよく見るとGE株が上昇したのは腑に落ちない部分もある。

確かに一株当たり利益は市場予想を上回り、通年のEPS見通しも上方修正しているのでそれなりにGE株が上昇してもおかしくはないかもしれない。

一方で売上は航空機事業以外は減少しており、通期見通しでもサプライチェーンに関する懸念について触れている。実際に第3四半期の売上でもサプライチェーンが影響していたとの言及もあり、通期見通しへの影響が想定以上になる可能性もあるのではと個人的には思ってしまう。

アナリストとのカンファレンスコールでサプライチェーンに関する質問で最高経営責任者(CEO)のLarry Culp氏が応えていた

  • I’m not sure we’re yet at a place where we would say that things are stable
    物事が安定していると言える場所にいるのかまだわかりません
  • It really is akin to playing a Whack-A-Mole
    モグラたたきをするのと本当に似ています

という内容が本心に近い様な気がする。

年初来のGE株と市場(S&P 500)の推移を見てみると

と前半は市場を大きく上回っていたが、後半はやや失速気味で市場のパフォーマンスとほぼ同じ程度となかなか判断に苦しむ内容。

上方修正した2021年見通しの達成とそれに伴い株価の上昇に期待したいところだが、懸念材料もあるので過度な期待はしづらい。自分の懸念が外れてくれればいいのだが。

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