フィリップ・モリス(PM)の2021年7月の買収関連2件

はじめに

2021年7月の米国市場は(緑はダウ工業平均、青線はS&P 500)

と日ごとに上がったり下がったりする動き、それも割と大きく変動していたのでそちらに気を取られ個別株までなかなか目が届かなかったのだが、手持ちの個別株情報をチェックしてみると、掲題の通り7月に入ってからフィリップ・モリス(PM)が2件の買収に関する発表をしていることに気が付いた。

以下にその情報を確認し、整理しておく。


2021年7月のフィリップ・モリスの買収

以下はフィリップ・モリスの企業サイトより引用・抜粋。

7月1日:Fertin Pharma A/S (Fertin Pharma)の買収発表

  • Fertin Pharmaは経口および口腔内投与システムをベースとした医薬品およびウェルビーイング製品の開発・製造を行っているデンマークの会社
  • 買収額は51億デンマーク クローネ (約8億2000万ドル)
  • 買収による効果として以下の点を挙げている
    • 既存および新規の無煙製品群の開発、処方、市販化に向けたノウハウの取得
    • PMIの吸入技術を補完する形でのFertin Pharmaの経口デリバリー・プラットフォームの活用
    • ニコチン製品およびニコチンの先を見据えた製品分野における研究開発および製造の全体的なプラットフォームの強化
    • Fertin Pharmaの80名の科学者を含む熟練した従業員を追加し、ニコチンおよびニコチンの先を見据えた製品分野における研究開発および製造の全体的なプラットフォーム強化
    • 持続可能性に関する主要な優先事項の進捗の加速

7月9日:Vectura Group plcの買収*発表

  • 英国の喘息治療薬メーカーであるVectura Group Plcを12億ドルで買収することに合意
  • 買収額は約12億ドル
  • 買収による効果として以下の点を挙げている
    • 差別化された独自の技術と医薬品開発の専門知識を利用し、複雑な吸入療法を幅広く提供
    • 高度に補完的な人的資本、技術、高品質のインフラストラクチャおよび吸入可能な製剤とデバイス設計の開発と分析、薬剤とデバイスの組み合わせおよび医薬品管理プロセスとシステムに関する深いノウハウを追加
    • ヘルスケアおよびウェルネス事業の開発を加速するのに役立つ、製剤、デバイス、吸入、規制チーム、そして臨床製造の200人以上の科学者によってサポートされている経験豊富な管理チームを歓迎

「*」としているのはフィリップ・モリスの発表文が

  • Fertin Pharm:Announces Agreement to Acquire Fertin Pharma
  • Vectura Group plc:Announces Firm Offer to Acquire Vectura Group plc

と表現が微妙に異なっていたので調べてみるとVectura Group plcに関しては

  • 5月に米国のプライベート・エクイティ・ファンドCarlyle Groupから1株あたり136ポンドでのPrivate dealがあり、Vecturaの取締役会はそれに応じることを推奨
  • 今回のフィリップ・モリスの提案は1株あたり150ポンドとなり、Vecturaの取締役会はCarlyle Groupの入札支持を撤回し、フィリップ・モリスの提案に応じることを推奨

という状況らしいので、完全に買収が合意したとは言えないのかもしれない。


まとめ

フィリップ・モリスはアナウンスの双方において、今年に入り2025年までに連結売上の50%以上を煙の出ない製品から生み出すという目標を発表している事と絡めてこの買収について発表しており、上記7月の2件の買収は確かにその戦略に沿った買収で効果がある様に思える。

ただあくまで発表文からはそう見えるというだけで、実際のところどの程度の効果が期待できるのかは素人には分かりにくい。

本来なら株価の上下動から買収に対する市場の反応がある程度わかるのだが、冒頭に挙げた様に7月は市場の上下動が激しくフィリップ・モリスの買収が市場に紛れてしまっている。アナリストの分析を知りたいところだが、現時点では投資格付けや見解のアップデートはない。恐らくフィリップ・モリスの決算発表が7月20日に予定されているので、買収に対するアナリストの見解もそれ以降になるのではないかと思う。

長い目で見た場合に上手く買収の相乗効果が業績・株価に表れると良いのだが。

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