米軍がイラン革命防衛隊幹部を空爆で殺害(2020/1/3)

はじめに

掲題の通り年明け早々に市場に大きな影響を及ぼす可能性のあるニュースが飛び込んできた。長期投資/バイアンドホールドの投資スタイルなので、今どうこうするつもりもないのだが、今後の米国株投資を考えるために、状況を米国市場の観点で整理しておくことにする。


米軍のイラン革命防衛隊幹部殺害報道まとめ

以下は1月3日のロイター通信の報道より引用・抜粋。

  • 米国防総省は、イラクの首都バグダッドの空港で現地時間3日未明、イラン革命防衛隊の精鋭「コッズ部隊」のソレイマニ司令官らを乗せた車列を空爆し同司令官を殺害したと発表
  • 「大統領の指示により、米軍は海外に駐留する米職員を守るため、ソレイマニ司令官を殺害することで断固とした防衛措置を講じた」と表明。イランによる将来の攻撃計画を抑止することが狙いと説明した
  • イランの国営テレビは3日、最高指導者ハメネイ師の声明を発表。この中でハメネイ師は、ソレイマニ司令官を殺害した「犯罪者」には厳しい報復が待っており、米国とイスラエルに対する抵抗の機運が倍増すると警告した

実はこの前日1月2日には以下の様な報道がなされていた(ロイター通信より)。

  • エスパー米国防長官は2日、イランとの関係を巡って「状況は一変した」と明言した上で、場合によってはイランへの先制攻撃を余儀なくされる恐れもあると警告した
  • 長官は記者団に対し「状況は一変した」とした上で、イランやその支援組織が新たな攻撃を画策している可能性があると指摘。「こうした兆しは何も今に始まったことではなく、2、3ヶ月前から見られることだが、もし実際に攻撃されれば米国は対処する。攻撃といった言葉や一定の種類の兆候が確認された場合、先制攻撃を行い、米軍や米国市民の生命を保護する」と語った
  • イラン革命防衛隊のサラミ司令官は2日、同国は戦争に向かっているわけではないものの、いかなる衝突も恐れないと表明した。タスニム通信が報じた。
  • 司令官は「わが国は戦争に向かっていないが、いかなる戦争も恐れない。米国に言っておきたいが、口の利き方には気をつけろ。わが国は何回でもやつらを破壊する力を持っており、心配無用だ」と述べた

結局2日の報道通り、先制攻撃がなされたということなのだろう。


米軍のイラン革命防衛隊幹部殺害の結果

これを書いている現時点ではまだ米国市場は開場していないのだが、それ以外の情報を確認してみた。

【過去5日のGold先物】

【過去5日の原油先物】

【過去5日のドル円相場】

いわゆる中東情勢の悪化を警戒したリスク回避の金、円買いが発生しており、原油先物も大幅上昇している。

恐らくこれから始まる米国市場では、米国株式が売られ米国債などに資金が向かう可能性が高い。


まとめ

短期的には上記を鑑みると自分の資産への影響という点では、「米国株安」、「円高進行」となるのだろう。それは仕方がないものとして、長期投資/バイアンドホールドの自分が気になるのは、

  • この株安、円高がどの程度まで進むのか
  • この株安、円高がいつまで続くのか

という点。とはいえこれが予想できれば長期投資/バイアンドホールドの投資スタイルは取っていないので、自分としてはそれが早く収まるのを祈るだけしかないのではあるが…。今回の米国の行動は先制攻撃と見なされるので、イラン側の対応次第では大規模な軍事衝突にエスカレートする可能性もあるのが懸念される。

取り合えず本日1月3日の米国市場は大きく下がるのだろうが、日本時間の今夜(1月4日0時)に発表される米ISM製造業景況感指数がどうなるかによって、その幅の度合いは変わってくる気がする。直近では4ヶ月連続市場予想及び目安の50を割っており、今回の市場予想は49だがどうなることやら。

それにしても年明け早々から米国株投資をしている自分にとっては悩ましい出来事が発生してしまったものだなあ。

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