2023年10月のOPECプラス会合結果(2023/10)

はじめに

2023年10月4日(水)にはOPECプラスの会合が行われた。

今回は閣僚級会合(OPEC and non-OPEC Ministerial Meeting。前回は6月)ではなく、現在2ヶ月に一度開催されている共同閣僚監視委員会(JMMC:Joint Ministerial Monitoring Committee)となる。

前回8月のJMMC後の9月にはOPEC月例石油市場報告書で原油需要増が見込まれるとのことから原油価格は上昇傾向にあったように思うが、今回のOPECプラス会合はどうなったのか。そしてそれを受けて原油価格及び自分が所有している原油価格に影響されやすいエクソン・モービル(XOM)株がどうなったかについて確認しておく。


2023年10月4日のOPECプラス会合及びその前後の原油関連情報まとめ

以下はOPECのサイト及び主にロイター、ブルームバーグの報道などより引用・抜粋。

【会合前】

  • 10月2日のロイター報道によるとOPECの9月原油生産量は2ヶ月連続で増加。8月は2月以来の増加。主にナイジェリアとイランで生産が拡大。イランの生産は2018年以来の高水準
  • 10月2日アラブ首長国連邦(UAE)のマズルーイ・エネルギー相が、OPECプラスは「適切な政策」を実施している、と発言したことで政策変更は見込まれていないことを示唆

【会合結果】

  • サウジアラビアは日量100万バレルの自主減産を11月と12月も継続すると発表
  • ロシアのノバク副首相は原油の自主減産拡大か増産かを来月検討するとし、従来の発表通りに現在の原油輸出削減を年末まで継続すると発言
  • 合同閣僚監視委は政策の変更は推奨せず、サウジアラビアとロシアの減産を認識、承認しており、引き続き市場の状況を注意深く見極めると表明
  • 次回JMMC会合は11月26日。また同日にはOPECプラスの閣僚会合も開催され、2024年の方針を検討する予定

まとめ

今回のJMMC会合を受けてニューヨーク原油先物価格は

何故か前日から1バレルあたり5ドル近くの大幅下落。JMMC会合結果は事前の想定通り現状の政策維持だったにもかかわらずにこれ程下落したのは不可解。

調べてみると同日に米エネルギー情報局(EIA)が発表した9月29日までの1週間の米石油在庫統計が影響したようだ。

  • 原油在庫:前週比-222.4万バレル(予想:+5万バレル、前回:-216.9万バレル)
  • オクラホマ州クッシング在庫:+13.2万バレル(前回:-94.3万バレル)
  • ガソリン在庫:+648.1万バレル(予想:-30万バレル、前回:+102.7万バレル)

原油在庫は予想を大きく上回る取り崩しとなったが、オクラホマ州クッシング在庫(WTI:West Texas Intermediate(主にテキサス、ニューメキシコ産原油の指標)原油の受け渡し拠点)が8週間ぶりに増加し、ガソリン在庫が急増したことで原油価格が急落したものと思われる。

そんな状況を受けて自分が所有しているエクソン・モービル(XOM)株も

前日比3.74%の大幅下落。

ここ1ヶ月ほど米国市場が低迷する中でエクソン株は以下の様にまずまず頑張っていたのだが

直近1週間ほどの下げ幅は大きくなってきている。今後もここ1週間の流れが続くのか、それとも一時的な調整の範囲内にとどまるのかには注目しておきたい。

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