はじめに
米国企業の四半期決算が続いている中、2023年4月25日（火）の米国市場は
と軒並み前日比1%を超える下落で終えている。自分の所有銘柄でもダウ・インク（DOW）、ゼネラル・エレクトリック（GE）、GEヘルスケア・テクノロジーズ（GEHC）、マクドナルド（MCD）の決算発表があったのだが、
いずれも前日比マイナスに沈んでいる。特にダウ・インクとGEヘルスケアの下落が5%を超えているのでそちらの決算内容の確認を早く進めたいところだが、同じく所有しているシティグループ（C）、JPモルガン・チェース（JPM）が
いずれも2%を超える下落。そしてシティグループは所有株数が多いため、シティだけで先に挙げた4銘柄の合計マイナス額を超えてしまっている。
原因は掲題の通り米地銀のファースト・リパブリック・バンクの決算結果が米銀株に波及したものと思われるが、既に2023年第1四半期の決算を発表したシティグループ、JPモルガンがその後どのように推移したのかが気になったので、決算発表銘柄の前にシティとJPモルガンの株価推移を確認しておくことにする。
ファースト・リパブリック・バンクの2023年第1四半期決算概要
自分は所有していないファースト・リパブリック・バンクだが、2023年3月のシリコンバレー銀行、シグネチャー・バンクの破綻をまとめた際に触れていた大きく値を下げていた米地方銀行の一つ。
以下ごく簡単に4月24日（月）の取引時間終了後に発表された決算内容をピックアップしてみると
- 2023年第1四半期の売上（Revenue）は12億900万ドルで前年同期比13.4%減、市場予想の11億5000万ドルを上回っている
- 2023年第1四半期の希薄化後一株当たり利益（Diluted earnings per share）は1.23ドルで前年同期比38.5%減、市場予想の0.85セントを上回っている
- 2023年3月末の預金額は1045億ドルで、2022年12月末の1764億ドルから35.5%減
となる。
報道を見るとその他には
- 財務基盤改善のため6月末までに最大25％の人員を削減
- 「戦略的な選択肢」を追求すると表明
としており、その後ブルームバーグは500億～1000億ドルの資産売却を模索、CNBCはバッドバンク（金融危機に際して設立され、公的資金を使って金融機関の不良債権を買い取る資産管理会社）設立の可能性を報道している。
そして決算を受けてのファースト・リパブリック・バンク株は
前日に比べてほぼ半値となっている。これを受けて米銀株は軒並み大きく下落し、自分所有のシティ、JPモルガンを含めた米大手主要銀行は
いずれも2%を超える下落で、それより規模の小さい銀行は総じて更にマイナス幅が大きくなっている。
自分所有のシティ、JPモルガンの2023年第1四半期決算以降の株価推移
シティグループ
4月14日の決算発表を受けて大きく上昇し週が明けても3日間は続伸したが、20日からは下落傾向となっている。それでも決算前の株価をまだ上回っていたのが意外ではある。
JPモルガン・チェース
JPモルガンの2023年第1四半期決算発表も4月14日（金）。
4月14日の決算発表を受けて大きく上昇し週が明けても2日間は続伸したが、19日からはほぼ横ばいが続き昨日の下落となっている。昨日の下落を含めてもJPモルガンは決算後に上昇した株価水準と同程度。
まとめ
ファースト・リパブリック・バンク決算後の大幅下落を受けて、自分が所有しているシティ、JPモルガンも下落したことを契機として直近の両行株を確認してみた。
昨日の下落を含めても両行とも決算後の株価を下回ってはいなかったのは意外の感があったが、今後株価がどう推移していくかについては不安が残る。これがファースト・リパブリック・バンク特有の事象なのか、それとも他の米中堅銀行も同様の決算傾向を示すかによって銀行株の先行きは変わってくるのだろう。まだ銀行株の神経質な動きは続きそうだ。
そして自分の所有しているシティとJPモルガンの直近の株価推移を見てみると、やはりシティよりもJPモルガンの方が安定している感が強い。
自分の約20年に渡る米国株投資では取得価額に比べてマイナスになっている割安（と自分が思う）銘柄を買い足してきたことが多かったため、投資額にはシティが約23.5万ドル、JPモルガンが約2800ドルと大きな差が生じてしまっており、配当率ではシティがJPモルガンを1%程度上回っているが、それを差し引いても株価の安定性を考えるとJPモルガンにもっと投資をしておけばよかったのにという思いはある。