続く米銀破綻の状況整理と自分所有の米国銀行株雑感(2023/3)

はじめに

先日2023年3月11日(土)には

シリコンバレー銀行破綻と自分所有の米国銀行株雑感(2023/3)

でシリコンバレー銀行の破綻とそれに伴う自分が所有している米銀株シティグループ(C)とJPモルガン・チェース(JPM)の3月10日(金)の株価、そして今後の見通しについてまとめていたのだがそれ以降に米銀に新たな動きがあったので、新たな情報を確認して最新の状況を整理しておくことにする。


2023年3月12日(日)からの米銀関連情報アップデート

【2023年3月12日(日)】

  • ニューヨーク州の銀行規制当局がシグネチャー・バンクを閉鎖し、米連邦預金保険公社(FDIC)を管財人に任命したと発表
  • 米財務省と銀行規制当局は、シグネチャー・バンクの全ての預金者が保護されいかなる損失も納税者が負担することはないとの共同声明を発表
  • イエレン財務長官、パウエルFRB議長、グルーエンバーグFDIC総裁が連名で以下の声明を発表
    • FDICとFRBの理事会はバイデン大統領と協議の上、シリコンバレー銀行をFDICの管理下に置くことを承認
    • シリコンバレー銀行破綻に伴ういかなる損失も納税者が負担することはなく、預金を全額保護すると表明
    • シリコンバレー銀行のケースと同様なシステミックリスクの例外措置によりシグネチャー・バンクの預金者は資金にアクセス可能
    • われわれは米銀行システムへの信頼を強化することで米経済を守るために断固たる行動を取る。これにより米銀行システムは、預金保護並びに家計・企業への融資の提供という必要不可欠な役割を、力強く持続的な経済成長を促進する形で果たし続けることになる
    • FRBは、預金取扱機関が保有する米国債などの資産を担保として最長1年の資金を提供する「Bank Term Funding Program」を導入すると発表

【2023年3月13日(月)】

  • バイデン大統領が銀行破綻に絡み以下の演説
    • 米国民は銀行システムが安全と自信を持つことが可能だ
    • 銀行に預け入れた預金は安全
    • 銀行の経営者は解雇され、投資家は損失を被る
    • 彼らは承知の上でリスクを取った。リスクが報われなかったときは代償を払うことになる。これが資本主義の仕組みだ
    • このような銀行破綻再発の可能性を低下させ、中小企業の雇用を守るため、議会や銀行規制当局に対し、銀行の規制強化を要請する
  • 2018年にトランプ政権下で共和党が主導して成立させた金融規制改革法(ドッド・フランク法)の修正で、システム上重要とみなして厳しい監督対象とする銀行の資産規模が500億ドルから2500億ドルに引き上げられたことを巡って与野党間での発言が活発化(昨年末時点でシリコンバレー銀行の資産規模は約2090億ドル、シグネチャー・バンクは約1100億ドル)

自分が所有している米銀株(シティグループ、JPモルガン)の動き

シティグループは7.45%下落、JPモルガンも1.80%の下落となっている。他の大手米銀株も

3月13日(金)のシリコンバレー銀行破綻時は

何とか持ちこたえていたがシグネチャー・バンクの破綻が続いたことで、米銀行システムに対する懸念が高まったためだろう。


まとめ

週末のまとめの中では今後の悲観的な見通しとして

「今回の件で米銀の健全性が疑問視され今後の銀行株が弱含みになったり、ストレステストのハードルが高くなる可能性もある。

またシリコンバレー銀行破綻のきっかけとなった(と考えられる)スタートアップ企業に資金が集まらなくなっている現在の状況は、銀行だけではなく米経済の景気後退の兆候として捉えることも出来るのではないか。」

と書いていたのだが、昨日の米銀株は前者の見方が市場で重視されてしまったようだ。

そしてまず気になるのは昨日の米銀の下落で取り合えず一段落するのか、というところだが他の米地方銀行のいくつかが昨日20%を超える大きな下落をしており、新たな破綻が起こって更に状況が悪化する可能性も拭いきれない。

  • ファースト・リパブリック・バンク(FRC):61.83%下落
  • ウェスタン・アライアンス・バンコーポレーション(WAL):47.06%下落
  • コメリカ・インコーポレイテッド(CMA):27.67%下落
  • キーコープ(KEY):27.33%下落
  • パックウェスト・バンコープ(PACW):21.05%下落

そして3月21日、22日のFOMC会合での政策金利に関しては、今回の銀行破綻を受けてFRBが一旦利上げを停止するのでは、という見方も出てきているようだ。

中小銀行に口座を持つ顧客が大手銀行に口座を移管する申請が活発化しているとの報道や、銀行規制が取り沙汰される中、規制に関する負担を処理する余裕が大きい大手銀行に有利に働らくのではという見方もあるが、銀行システム全体の不安を考えると自分としてはあまりプラス材料とも思えない。

結局、米銀株は短期的には値動きが激しく神経質な相場が続くことになるのだろう。しばらくは我慢の時が続きそうだ。

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