はじめに
2022年9月15日(木)の米国市場閉場後にMorgan Stanley Laguna Conferenceで自分が所有しているゼネラル・エレクトリック(GE)の最高財務責任者(CFO)Carolina Dybeck Happe氏が講演を行った。
その中で掲題の通りサプライチェーンに関する制約から顧客への納品に依然として影響が出ていると明らかにしたこともあり、翌16日(金)のGE株は
3.66%の下落。同日の米国市場は
いずれも下落基調であったことや、開場直後のGE株は65ドル台で前日比5%を超える局面もあったことを考えるとGE株の下落は思ったよりも酷くはなかったが、それでも冷静に考えると3.5%超の下落は大きい。
以下、講演におけるCarolina Dybeck Happe氏の発言内容を確認してまとめておくことにする。
2022年9月15日(木)のMorgan Stanley Laguna ConferenceにおけるGEのCEO(最高財務責任者)Carolina Dybeck Happe氏の発言要旨まとめ
以下はブルームバーグ、ロイターの報道より引用・抜粋。
- Supply chain continues to be tough and continues to impair our ability to deliver to our customers
サプライチェーンの状況は依然として厳しく、引き続き納品に影響を与えている - which has a negative impact on profit
(これらの状況が)利益にマイナスの影響を与えている - これらの状況からキャッシュフローが圧迫される見込みであり、第3四半期のフリーキャッシュフローは第2四半期と同水準かわずかに上回る程度になる
GEの第2四半期決算時のフリーキャッシュフローは1億6200万ドル。
まとめ
GEは第2四半期決算時に2022年通年のフリーキャッシュフロー見通しを10億ドル引き下げており、その理由の一つとしてimpact of supply chain challengesとサプライチェーンを挙げていた(もう一つは再生可能エネルギー事業関連)。今回の講演では通年のキャッシュフロー見通しについては言及されなかったが、次回決算発表時に更に引き下げられる可能性もある。
そういったことを考えるとGE株が市場に比べて大きく下落したのは致し方ないところ。思ったよりも下落幅が大きくなかったことを良しとすべきだろう。
過去3ヶ月のGE株と市場(S&P 500)の推移を見てみると
市場が5%程上昇しているのに対しGE株はほぼフラット。何となくGE株は市場よりかなり悪いパフォーマンスが続いているという印象を持っていたので、思っていたより悪くはない。
とはいえGE株は
取得価額比で約半分となっており何とか上昇してくれることを望んでいるのだが、今回の報道を鑑みるとその道のりは遠そうだ(更に下落する可能性も十分ある)。
その他
最後に以前触れたGEの三社分割
ゼネラル・エレクトリック(GE)が3社分割発表(2021/11)
に関して2022年9月12日(月)にアップデートがなされていたので以下簡単にまとめておく。
- ヘルスケア部門の分離完了時期は2023年第1週
- 現在のGEヘルスケア部門の最高経営責任者(CEO)Peter J. Arduini氏ら10人が取締役として任命
- GEの最高経営責任者(CEO)Lawrence Culp氏が新会社の代表権のない会長に就任する予定
- GEヘルスケアは12月8日に投資家向けイベントを開催する予定
元々2023年初(early 2023)とされていたヘルスケア部門の分割時期が2023年第1週(completed first week of January 2023)と明確になったことや取締役会メンバーが明らかになった程度のアップデート。12月8日予定のイベントでどの程度詳しい情報が開示されるかに注意しておきたい。