はじめに
昨年10月末で退職し、完全リタイア/配当金生活に入ってからは所有米国株の配当に関する情報をより一層気に掛けるようにしているのだが、実際には配当に直結するような情報は各社の配当発表に拠る所がほとんどであり、事後といって良いタイミングで分かることが多い。
そんな中、掲題の発表は自分の所有銘柄であるシティグループ(C)とJPモルガン・チェース(JPM)の配当増の見通しがある程度たつので有難い。以下にFRBの発表についてまとめておく。
3月25日(木)FRBの発表
以下はFRBのサイトより引用・抜粋。発表は3月25日(木)の米国市場閉場後になされている。
- Federal Reserve announces temporary and additional restrictions on bank holding company dividends and share repurchases currently in place will end for most firms after June 30, based on results from upcoming stress test
連邦準備制度理事会は、今後のストレステストの結果に基づいて、銀行持株会社の配当と株式買戻しに対し現在実施されている一時的および追加の制限を6月30日以降に終了することを発表しました - Firms with capital levels above those required by the stress test will no longer be subject to the additional restrictions as of that date.
ストレステストで必要とされる資本レベルを超える企業は、その日付以降追加の制限の対象ではなくなります - Firms with capital levels below those required by the stress test will remain subject to the restrictions.
ストレステストで必要とされる資本レベルを下回る企業は、引き続き制限の対象となります - After two rounds of stress tests last year, the Board found that large banks had strong capital levels, which provide a cushion against losses.
昨年の2回のストレステスト後、連邦準備制度理事会は大手銀行の資本水準が高く、損失に対するクッションを提供していることを認識しました - However, due to economic uncertainty from the COVID event, the Board put temporary and additional restrictions on capital distributions.
しかし、COVIDイベントによる経済の不確実性のため、連邦準備制度理事会は資本配分に一時的かつ追加の制限を課しました - Those restrictions limit bank dividends and share repurchases to an amount based on income over the past year.
これらの制限により銀行の配当と自社株買いは、過去1年間の収入に基づく金額に制限されます
まとめ
最初に見た時は3月末で制限が解除されるのかと思ったが、内容をよく見たら今年のストレステストを受けて6月末以降に制限解除ということらしい。結局昨年2020年6月のストレステストでの配当支払・自社株買い制限から1年かかるということになる。2回目の追加テスト結果からするとこの3月末で解除の可能性も考えたが、冷静に考えれば今年のストレステストを受けての方が妥当ではあるのか。
自分の所有しているJPモルガン、シティいずれも四半期決算の内容を見る限りは大丈夫だろうとは思う(シティに関してはリスク管理にやや懸念はあるが)。
シティとJPモルガンの配当を振り返ってみると、
シティ:2021年1月21日発表(1月29日配当落ち日)で7四半期連続配当据え置き
JPモルガン:2021年3月16日発表(4月5日配当落ち日)で7四半期連続配当据え置き
となっており、両社とも6月末で配当制限が解除されたとしても丸2年配当据え置きだったことになる。
JPモルガンは所有株数が100株と配当金生活への影響は軽微だが、ここ1年で自分の受取配当金額の多いシティを含め、AT&T(T)、エクソン・モービル(XOM)が配当据え置きになったり配当据え置きが続いていたりしたので、シティの増配への制限が無くなるのは実際的にも精神的にも本当に大きい。
後は増配がどの程度になるかだが、これにはあまり過度な期待はしないようにしよう。ここは2年間据え置きだった配当が(おそらく)増配されるということを素直に喜ぶことにしたい。