はじめに
昨日は先週11月15日週の自分の資産下落要因について振り返ったが、その中で触れなかった自分の所有するボーイング(BA)株が
5%を超える大幅下落となっていた。
オーストリアでCOVID-19再拡大のため都市封鎖が発表され、他の欧州諸国も追随する可能性から旅客需要の減少が連想されることが原因と思っていたのだが、それだけではなく掲題の様にまた787 Dreamlinerでの新たな問題が発覚したことも下げの要因だったようだ。
以下にその不具合についてまとめておく。
ボーイング787での新たな不具合
以下は11月19日のウォール・ストリート・ジャーナルの報道より引用・抜粋。
- ボーイングはサウスカロライナ州の工場での建造中の787 Dreamlinerの完成を、乗客と貨物のドアの周辺に関連する問題に取り組んでいるため延期している
- この不具合もあり月産5機を想定している787 Dreamlinerは現在月産2機となっている
- またボーイングは787の完成を完全に一時停止し「早くても2月か3月」までに飛行機の配達を再開しないようにする必要がある可能性があるとしている
ボーイング787の問題に関しては自分がまとめたものだけでも
ボーイング787型機の部品に新たな問題が確認(2021/10)
と頻発しており、これらの影響もあって2021年に納入された787機は14機に留まり、最後に納入されたのは6月となっている。10月の第3四半期決算発表時の情報では在庫が105機あり、これらの納入はボーイングの品質修正を承認する米連邦航空局(FAA)に依存しているため、タイムラインは明らかになっていない。今回の不具合もさらに納入再開時期が遅くなる要因になってしまうのだろう。
まとめ
過去1ヶ月のボーイング株の動きは
と11月15日前後の受注報道などもあり、決算発表のあった10月27日からは11月18日(木)まで概ね上昇傾向。
市場(S&P 500)と比べてみても
遜色のないパフォーマンスだったが、それが先週金曜日の下落で一気にその間の上昇分を吐き出してしまった事になる。
ボーイング株の今後についてだが、19日(金)の下落要因と考えられる
- COVID-19再拡大による今後の需要減
- 787 Dreamlinerの更なる生産減、納入再開遅延
はどちらも結構深刻である様な気がする。11月15日の上昇まとめの際にも
「今後もこの直近の傾向が続いてくれるといいのだが、日本以外の国では再びCOVID-19新規感染者数が増加傾向に転じているように見受けられ、旅客需要の冷え込みの可能性も考えられるので過度な期待は持たずに見守ることにしたい。」
と書いていたのだが、残念ながらCOVID-19再拡大について懸念していたことが今の所は当たってしまっており、それに加えて787 Dreamlinerの問題が更に長引きそうとなるとやはり期待できそうにない。ボーイングの配当が再開されるのは一体何時のことになるのだろうか。