ボーイング(BA)2021年第2四半期決算発表(2021/7)

はじめに

昨日2021年7月28日には、自分が所有しているボーイング(BA)の2021年第2四半期決算発表があった。

ボーイング株は10日ほど前の色々報道が重なった時期に以下でまとめた際は

2021年7月12日週のボーイング関連情報まとめ

「これでは今後の先行きに不安が増すばかり。ワクチン接種が進むことで航空需要が高まり、それに応じてボーイングの株も上がるかと少し期待していたのだがこれだけ問題が多いとは。

今月末7月28日に予定されているボーイングの2021年第2四半期決算発表の内容がどうなるか。何とか先行きに期待が持てる内容になって欲しい。」

と書いたのだが第2四半期決算の内容はどうだったのか。以下に昨日の決算内容について確認し、整理しておく。


2021年第2四半期決算発表

以下の内容はボーイングの企業サイトより引用・抜粋。

  • 2021年第2四半期の売上高(Revenues)は169億9800万ドルで、前年同期比44%増加
  • 2021年第2四半期の純利益(Net Earrings/(Loss))は5億6700万ドル、前年同期は23億9500万ドルの損失
  • 2021年第2四半期の一株当たり利益(Earrings/(Loss) Per Share)は1.00ドル、前年同期は4.20ドルの損失
  • 2021年第2四半期の調整後中核事業一株当たり利益(Core Earrings/(Loss) Per Share)は0.40ドル、前年同期は4.79ドルの損失

  • 2021年第2四半期のフリーキャッシュフローはマイナス7億500万ドル、前年同期はマイナス56億2800万ドル

  • 2021年第2四半期の財務状況は総債務が636億ドル、前四半期と変わらず

事業部ごとの業績は以下の通り。

【Commercial Airplanes(商用機部門)】

  • 2021年第2四半期の商用機の引き渡しは79件、前年同期は20件で295%の増加
  • 売上は60億1500万ドルで前年同期比268%増加。主に737MAX型機の納入再開が軌道に乗ったことを理由として挙げている
  • 損失は4億7200万ドル
  • 受注残は4100機以上で2850億ドル

【Defense, Space & Security(防衛・宇宙・セキュリティ部門)】

  • 売上は68億7600万ドルで前年同期比4%増
  • 利益は9億5800万ドルで前年同期比60%増
  • 受注残は590億ドル。うち32%は海外からの注文

【Global Services(グローバル・サービス部門)】

  • 売上は40億6700万ドルで前年同期比17%増
  • 利益は5億3100万ドル

2021年の見通しについては今回も提示されず。ただしアナリストとのカンファレンスコールでキャッシュフローに関して最高財務責任者(CFO)のDave Dohnalek氏が

  • We still expect to turn cash flow positive in 2022.
    依然として2022年にキャッシュフローがプラスになると見込んでいます

と発言している。いつ2022年にキャッシュフローがプラスになると発言したかは見落としていたが、確認してみると2020年10月の2020年第3四半期決算発表で

  • Based on what we know today, it’s looking more likely that we will be cash flow positive in the 2022 timeframe
    現時点では2022年にキャッシュフローがプラスになる可能性が高くなります

と述べていたのでこれがベースになった発言だと思われる。

キャッシュフローに関してはカンファレンスコールで今年度中にプラスになる可能性があるのかといった質問などもあったが、

  • we’re not predicting, not giving guidance on a quarter for cash flow level
    我々は予測していません。キャッシュフローレベルの四半期に関するガイダンスを提供していません

と答えている。ただ一方で

  • we do see some tailwinds for the rest of the year
    今年の残りにはいくつかの追い風がある

ともしており、第3四半期、第4四半期にもある程度の自信を匂わせている。


市場予測との比較

今回の主な決算内容と市場予想とを比べてみると、

  • 2021年第2四半期の売上高(Revenues)は169億9800万ドル、市場予想の165億4000万ドルを上回っている
  • 2021年第2四半期の調整後中核事業一株当たり利益(Core Earrings/(Loss) Per Share)は0.40ドル、市場予想の0.81ドルの損失を上回っている
  • 2021年第2四半期のフリーキャッシュフローはマイナス7億500万ドル、市場予想のマイナス27億6000万ドルを上回っている

となっている。


まとめ

上記の様な決算内容を受けてボーイングの株価は

4.18%の上昇。同日のダウ工業平均が0.36%、S&P 500がそれぞれ0.02%の下落、NASDAQが0.70%の上昇だったのに比べても大きな上昇幅となった。市場予想を大きく上回る決算内容が市場に評価された模様。

ただ、

2021年7月12日週のボーイング関連情報まとめ

で触れた787ドリームライナーについて

  • 787 production rate will temporarily be lower than five per month and will gradually return to that rate
    787の生産は一時的に月5機を下回り徐々に月5機に戻ります

と一定の影響がある事や(737型機の検査命令については言及されなかったのでこちらは影響がないのかもしれない)、大口顧客である中国で737MAXがまだ承認されていない事、昨今のデルタ変異株などの懸念・問題がある事にも触れている点は気に留めておく必要はある。

2021年7月12日週のボーイング関連情報まとめの際から今回の決算発表までボーイングの株価は

上向きになっているのでこの傾向が持続する事を期待したいのだがどうなるか(昨日GEの決算まとめで触れた様に、ボーイング株が上昇するとGE株も上昇する傾向があるので)。

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