ゼネラルエレクトリック2021年第2四半期決算(2021/7)

はじめに

昨日2021年7月27日には自分の所有銘柄であるゼネラル・エレクトリック(GE)の2021年第2四半期決算発表があった。

ここ数四半期はキャッシュフローの改善傾向が続いているのだが、今四半期もその傾向は続いているのか。以下にその内容について確認し整理しておくことにする。


2021年第2四半期決算概要

以下の内容は、ゼネラル・エレクトリックの企業サイトより引用・抜粋。

  • 2021年第2四半期の総売上高(Total Revenues)は182億7900万ドル、前年同期は168億500万ドルで前年同期比9%の増加
  • 2021年第2四半期の調整後一株あたり利益(Adjusted EPS)は0.05ドル、前年同期はマイナス0.14ドルの損失
  • 2021年第2四半期のインダストリアル事業のフリーキャッシュフロー(純現金収支・GE Industrial Free Cash Flows)は3億8800万ドル、前年同期はマイナス20億6700万ドル

各事業部ごとの業績は以下の通り。

Aviation(航空機事業):

受注は54億9200万ドルで前年比47%増、売上は46億4000万ドルで前年比10%増。収益は1億7600万ドルで前年は6億8700万ドルの損失。

Healthcare(ヘルスケア事業):

受注は48億4900万ドルで前年比14%増、売上は44億5400万ドルで前年比14%増。収益は8億100万ドルで前年比58%増。

Renewable Energy(再生可能エネルギー事業):

受注は32億900万ドルで前年比7%増、売上は40億4900万ドルで前年比16%増。収益は9900万ドルの損失で前年比61%改善。

Power(電力事業):

受注は48億500万ドルで前年比67%増、売上は42億9500万ドルで前年比3%増。収益は2億9900万ドルで前年は5000万ドルの損失。

2021年の見通しについては以下の通り。青字の部分が今回アップデート。

詳しく見てみると、

  • フリーキャッシュフロー:35億ドル~50億ドルに上方修正(前回25億ドル~45億ドル)
  • Aviation Market(航空機市場):2021年の売上(Top line)を~フラットに下方修正(前回はフラットから上昇(flat to up))
  • 再生エネルギー:米国におけるPTC(Production Tax Credit:生産税控除)を不確実要素として追記

となっている。


市場予測との比較

今回の主な決算内容と市場予想とを比べてみると、

  • 2021年第2四半期の総売上高(Total Revenues)は182億7900万ドル、市場予想の181億ドルを上回っている
  • 2021年第2四半期の調整後一株あたり利益(Adjusted EPS)は0.05ドル、市場予想の0.03ドルを上回っている
  • 2021年第2四半期のインダストリアル事業のフリーキャッシュフローは3億8800万ドル、市場予想は2億7700万ドルのマイナス

となっている。


まとめ

上記の様な決算内容を受けて昨日のGE株の終値は

1.24%の上昇。同日のダウ工業平均が0.24%、S&P 500が0.47%、NASDAQが1.21%いずれもマイナスであったことを考えると、まずまずの上昇具合の様に見える。四半期決算結果が市場予想を上回り、通年のフリーキャッシュフロー見通しも上方修正されていることが市場に評価されたのだろう。

としておきたいところだが、昨日の日中のGE株の動きを見てみるとよく分からないのが実際のところ。

開場直後は大幅上昇で始まったが右肩下がりとなり、12時過ぎには前日比マイナスまで落ち込む。ただその後は緩やかに上昇し、前述の通り前日比1.24%のプラスで終えている。

GEの決算発表及びアナリストとのカンファレンスコールは米国市場開場前に終了しているし、日中に特にアナリストのコメントアップデートなどがあった訳でもない。S&P(青線)も変動幅が少ないため分かりづらいが、開場直後に下がってはいるもののGE株の変動とはあまり連動性が無い気がする。どちらかというと

GEの航空機事業と関連の深いボーイング(BA)株の動きにより沿った動きをしているように思われる。午後はそれでもGEの決算内容が良かったことが評価されて持ち直したのではないだろうか。

過去3ヶ月のGE株の動きを見ても

GE株とボーイング株の関連性は高いように思える。ちなみに過去3ヶ月にS&P 500を加えてみると以下の様になり、やはり市場よりはGEとボーイングが似たような動きをしている。

まあボーイング株とGE株に相関性がある様に見えてもどうしようもないのだが、GEの事業の中では収益性の高いと言われる航空機事業部門が、主要取引先であるボーイングの業績・株価に引っ張られやすいという点には留意しておく必要があるだろう。ボーイングに引っ張られない事業部体制になってくれるのが望ましいのだが、それにはまだまだ時間がかかりそうだ。

さて今後のGE株だが、恐らく数日中にアナリストが決算を受けてコメントを発表するので、それで上下動があるだろう。そして上述のボーイングの決算発表が本日7月28日にあるので、それにも影響されるだろう。決算内容自体は市場予想を上回る結果となっているので下げ基調にはならないと思っているのだがどうなるか。

またGE株は来月8月から株式併合が行われ一株100ドルぐらいになることが、GE株の売買取引の動きに影響を及ぼすのかについても気を付けておきたい。

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