理由のはっきりしないクラフト・ハインツの株価急落(2019/5)

はじめに

毎朝起きて米国市場の結果を確認する際に、自分の所有銘柄で5%以上下がったものは重点的に確認する様にしているのだが、2019529日(米国28日)ではクラフト・ハインツ(KHC)がそれに該当する6.59%の下落だった。

クラフト・ハインツは2019年2月に大きく下落しているのだが、

それ以降はそこそこ落ち着いた動きで推移してきたのだが、昨日にまた急落。どういうことだったのか。


納得感のある理由のない株価下落

表題の通りこれだけ一日で下落した理由は今一つ判然としない。

市場全体、業界全体を確認してみた。

【市場全体】

S&P500がマイナス0.84%Dow 30がマイナス0.93%と下落しているが、クラフト・ハインツはそれを考慮しても下がりすぎだろう。ちなみにクラフト・ハインツはS&P500の構成銘柄の一つであるのだが、昨日のS&P500構成銘柄で最も下落率の大きかったのがクラフト・ハインツだった。

【業界全体】

自分が所有している同じ食品関連業界では、

ケロッグ(K)がマイナス3.54%、モンデリーズ・インターナショナル(MDLZ)がマイナス2.23%となっていた。上に挙げた市場全体よりも食品関連セクターの下落幅は大きかったことは事実。ただし、他の食品関連企業と比較してクラフト・ハインツだけがこれほど下がる理由にはならない。

最後に、この日にクラフト・ハインツに関する特段の企業発表やニュース、投資格付けの変更などがあったかと言うと、米国のニュースを調べてみたが特に何のニュースもなかった。


まとめ

今回のクラフト・ハインツのケースの様に、特に明確な理由がなくても株価が5%以上下がることはたまにある(明確な理由がなくて上昇することは記憶にないのだが…)。この様なケースが起こるのは、単一の要素だけでなく色々な要因が複雑に絡みあっての結果なのだろう、と個人的には思う(例えば、企業そのもの、市場全体、世界経済全体、投資家心理などなど)。最悪のパターンとしては、自分が情報を見落としていることだが今回はそのパターンではなさそうだ。

明確な理由があって下落するのは、個人的にはまだ問題がない。

例えば昨日の市場では、アルトリア・グループ(MO)がマイナス4.83%、フィリップ・モリスがマイナス3.65%と結構下がっているのだが、これは調査会社のニールセンが518日までの直近4週間のタバコ販売データを昨日発表し、ボリュームベースで11.2%、売上ベースで6.9%のマイナスとなったためと思われる。

今回の下落を受けてどうするか。次回の購入タイミングは6月なのだが、その時点でクラフト・ハインツを購入検討に入れるのは危険な気がする。クラフト・ハインツの第1四半期決算(3月31日まで)発表は、過去の決算修正が必要とのことでまだなされていない。修正内容は「定量的に重要ではない」とクラフト・ハインツはしているが、昨今の状況を考えるとあまり期待は出来ないだろう。いずれせよ、遅れている第1四半期決算発表の結果がはっきりしてからの判断をするべきだろう。

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