はじめに
掲題の通り昨日2021年1月22日(金)の現地時間に、またもAT&T傘下のDirecTV売却に関する報道があった。
昨年も
AT&TのDirecTV売却に関するWSJの報道(2020/8)
で整理した以外にも、DirecTVに関する売却報道は色々な報道・タイミングでなされていたのだが結局今のところは成立せず。今回もどれほどの確度なのかは不明だが、一応その内容をまとめておくことにする。
2021年1月22日のロイター報道
以下は2021年1月22日のロイター報道より引用・抜粋。
- Private equity firm TPG has entered into exclusive talks to acquire a minority stake in AT&T Inc’s satellite TV division, DirecTV, in a deal that would allow the U.S. wireless carrier to trim its net debt of close to $150 billion, people familiar with the matter said on Friday.
プライベート・エクイティ・ファームのTPGは、AT&Tの衛星テレビ部門であるDirecTVの少数株式を取得するための独占交渉を開始しました。これにより米国の無線通信事業者は1500億ドル近くの純負債を削減できます。その問題に詳しい人々は金曜日に述べた - The exact price TPG is willing to pay could not be learned, but sources said the deal could value DirecTV at more than $15 billion. Were the negotiations to conclude successfully, a deal could be announced in the coming weeks, added the sources, who requested anonymity because the matter is confidential.
TPGが支払うであろう正確な価格は知ることができなかったが、情報筋によると、この取引はDirecTVを150億ドル以上と評価する可能性があるという。 交渉が成功裏に終結した場合、取引は数週間以内に発表される可能性がある、と情報筋は付け加え問題は機密であるため匿名を要求した - AT&T and TPG declined to comment.
AT&TとTPGはコメントを控えた
何回か書いていると思うがAT&Tが2014年にDirecTVの買収に合意した際の価格は、約490億ドル、負債を含むと約670億ドル。
まとめ
この報道がなされたのは現地時間15時過ぎだったようだ。昨日のAT&T株の動きを見てみると、
15時前まではマイナス圏だったのだが報道後に0.5%強上昇。しかし閉場間際に市場が値を下げたのに伴い、AT&T株も結局前日比0.35%の上昇となった。
報道の割にはAT&Tの株価上昇がそれ程でも無かったがこれをどう考えるか。考えられるのは
- 報道内容自体がまだ交渉の初期段階で、先行きや条件が不透明である
- DirecTVの売却報道は最近1~2年よくなされているが結局成立していないので、市場も段々報道に重きを置かなくなってきた可能性
という2点だろうか。ここ最近は自分もAT&TのDirecTV売却報道があっても、まずは本当に実現するのかと懐疑的な見方をするようになってきた。
AT&Tは2021年1月27日(水)に2020年第4四半期決算発表を行う予定なので、DirecTVも含めて注意深く確認しておきたい。特に先日据え置きを発表した配当の今後について知りたいのだが。