ボーイングが737MAXの生産停止発表(2019/12)

はじめに

日本でも週末から報道されていたが、ボーイングが737MAX機の生産停止を発表した。それによる影響の詳細についてはニュースやアナリストの分析を待つことにして、事実とそれを受けて自分のボーイング株への投資をどうするかを中心に整理しておきたい。


2019年12月16日のボーイングの発表

以下はボーイングの企業サイトより引用・抜粋。発表時間は現地東部時間の17:04。つまり米国市場閉場後。

記事タイトルは「Boeing Statement Regarding 737 MAX Production(737MAX生産に関するボーイングの声明)」

  • Boeing suspends 737 MAX production starting in January due to certification moving into 2020
    ボーイングは(FAAの)承認が2020年にずれ込むため、1月から737MAXの生産を一時停止する
  • Reduced production output enables prioritization of stored aircraft delivery
    生産の削減により、(今まで生産され)保管されている航空機の引き渡しを優先することが可能
  • No layoffs or furlough expected at this time
    現時点ではレイオフまたは一時休暇は考えていない
  • We will provide financial information regarding the production suspension in connection with our 4Q19 earnings release in late January.
    1月下旬の4Q19決算発表時に生産停止に関連する財務情報も提供する予定

まとめ

昨日のボーイングの株価終値は、

と4.29%の減少。そしてボーイングが生産停止を発表したのは、上に書いた様に米国市場の閉場後。つまり、本日12月17日も更に下落する可能性がある。実際市場前取引では上の様にさらに1.53%マイナスとなっている。

ここ最近のボーイングに関する報道を見ていると、以下の点がポイントかと個人的には思う。

  • 737MAXの引き渡し、運航再開はFAA(米連邦航空局)によるところが大きい。以前はBAとFAAの共同だったが、今度は以前まとめた通りFAAが単独で承認することになっている。また737MAXの審査、そして認可そのものが妥当だったのかという点も問題になっており、FAAに対する風当たりも強い。従ってFAAは、より慎重に審査する可能性が高い。それによって、今後の引き渡し、運航再開スケジュールがボーイングの予定通りにいかない、もっと言えば予想がつきにくい状態(現時点での噂では2020年2月とか)
  • 減産したとはいえ、現在約400機の引き渡し待ち在庫を抱えている。2019年第2四半期決算の際にも在庫コストについては考えたが、その時点から状況は更に悪化しているはず
  • 生産停止により、航空機生産のサプライチェーンが一旦止まることになる。サプライチェーンはいったん止まると、再度生産を最適化するにはかなり手間暇/コストがかかることが想定される

こういった点を踏まえると、逆に今のボーイングの株価はよく持っているのではないかと個人的には思う。具体的な影響については、2020年1月下旬予定の2019年第4四半期決算発表を待たなければならないが、上記の点を考えると先が見えないし、引き渡し/運航再開が延びれば延びるほど業績ひいては株価に与える影響は大きくなる気がする。一方で上記の発表と同じタイミングでひっそりと四半期配当の維持も発表しているが、今年のクラフト・ハインツ(KHC)の様にいきなり配当を減らすということもあり得るので何とも言えない。

自分が所有しているボーイング株は、最後に購入したのが2016年6月でそれを含めた平均取得価額は一株あたり@132.04ドルで、現時点ではまだ倍以上のパフォーマンスを維持している。状況が不透明なので、今月の定期購入のタイミングでボーイング株を追加購入することはないが、次の購入タイミングの2020年3月時には、2019年第4四半期の決算が発表されており、737MAXの引き渡し/運航再開スケジュールも明確になっているので、その時点の株価次第では購入を検討するに値するかもしれない。

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